4歳上500万下

血統好きが大学生のころ書いていたブログ(今でもたまに更新)

東京優駿(第91回日本ダービー)──ダノンキングリーを探せ

「ダービーはダノンキングリーでいい」 「青葉賞馬は勝てない」「2000mベストの馬がいい」「共同通信杯こそ最重要」──。 ダービーを考察する上でさまざまな格言が語られている。 ディープ産駒が3歳春にある程度完成してクラシックレースを勝つには、母方の近…

第168回天皇賞(秋)──競走馬の完成形 ディープインパクトとイクイノックス

競走馬の完成形を見た。現地にいたが、1.55.5という数字を確認したときの衝撃は忘れないだろう。レース内容の「濃さ」はレース直後に理解したものの、時計を見た瞬間は「怖い」という感情が先に湧き上がった。 数十分後、57.7-57.5というラップを知り、「怖…

第84回菊花賞──ソールオリエンスとタスティエーラの本質

ブラックタイド×サクラバクシンオーのキタサンブラックがウインドインハーヘアの英血スタミナが前面に発現していたように、字面だけで血統を語ると稚拙になりかねない。父長距離馬×母(父)長距離馬だからといって長距離馬が生まれるとは限らないし、サクラ…

ダノンザタイガー 〜 母のCharedi≒Ta Wee

2023クラシック世代で特に注目・期待しているのがダノンザタイガーで、彼はコントレイルやイクイノックスを想起させる独特の柔らかさを持つ馬で、しなやかなストライドには美しさすら覚えます。 ハーツクライ産駒のデビュー時、ワンアンドオンリーやヌーヴォ…

22/12/24~25 雑感

12/24 阪神5R メイクデビュー阪神(芝1800m) のライオンRH所有のキズナ産駒、プッシュオンが勝利。ヤマカツエースやアシャカトブの日高・岡田牧場の生産。 キズナはフィリーサイアーなので性別と、Storm Cat(≒Alzao)増幅を見ている。本馬の場合はAlzao4×4…

【逆説】日本競馬はスローペースのヨーイドン──“つまらない”でいいのだ

クロノジェネシスはすごいレースをした。日本調教馬がパリロンシャンの不良馬場で先行して、あれだけの粘りをみせたことに感慨を覚えた。名馬Nashwanから受け継いだ心肺機能、ありったけのスタミナを振り絞ったクロノジェネシスに賞賛を送りたい。 一部の血…

ディープの‟しなやかさ”を支えるパワーの根源

シャフリヤールのしなやかさは何なのか。 全兄アルアインより力馬感がなく、全兄弟とは思えない。以下、気になる点の殴り書き。 ・母ドバイマジェスティはBCフィリー&メアスプリント勝ちのスプリンター ・母父Essence of Dubaiは02年のUAEダービー勝ち馬で、…

第88回日本ダービー ~ 雑感

エピファネイア×ハーツクライ×硬肉米血パワー、やはりエフフォーリアの配合が整然としていて美しい。皐月賞であれだけの勝ち方をすることは予測できたし、衝撃を受けることはなかった。むしろ東京でパフォーマンスは上がるだろう。あとは最内枠を若武者がど…

ジャパンカップのおもひで

ついこのあいだまで半袖を着ていたのに、秋というのは一瞬で、コートなしでいられるのはほんの一カ月くらいですね。 学生時代は毎日のように更新していたこのブログも、「書きたい」と気が向いたら書くだけのものになっています。 ダービーの前、ガロアクリ…

NHKマイルC雑感 ~ トリプルワウの大箱替わり

天皇賞(春)はスティフェリオが2着。 予想は京都の下り坂がうまいモズベッロとスティッフェリオで迷って前者を選択してしまいましたが、彼のことはデビューから出走する度にこんなことを書いてきました。 スティッフェリオはデビューした時から注目してきた…

第80回皐月賞 ~ Hyperionを活かせるのか

ルメール騎手は「計ったかのような差し」が身上、これに異論はないと思いますが、武豊騎手はサンデー全盛期のスペシャルウィークやダンスインザダークの差しが印象的でもサイレンススズカやキタサンブラックなど、「逃げ」こそ真骨頂だと思います。 サトノフ…

第80回桜花賞 ~ Special~Outing Class~トニービン

下書きしてて、更新がレース直前になってしまいました(^^;) ハーツクライ産駒でも母リリサイドがMill Reef5×3だった名牝リスグラシューは美しくしなやかに斬れましたね。 エーポスの母ストライクルートにはMill Reefがあっても、エーポスにはリスグラシュー…

NZT、阪神牝馬S ~ (Stage Stuck〈=バレークイーン〉×Caerleon=フサイチコンコルド)×ハーツクライ!/ダイワメジャー×欧州本格派

コロナ禍でも、マスコミは仕事がある。オンライン取材があったとはいえ、仕事量は変わりません。ただ昇級とボーナスはなくなってしまいました、、、 週末の簡単な重賞展望くらいは更新したいんですけどね。 NZTは◎ハーモニーマゼラン 母スターズアイランドは…

フェブラリーSから派生させた雑感 ~ 「5歳ハーツ」を夢見て

umanity.jp まぁ、実際には購入していないんですけどね(笑) ▼馬券に関しては自信満々&財産に余裕があるという条件をクリアした時に買いに行っています。ちなみに昨年は◎アドマイヤマーズのNHKマイル(馬単的中)と◎シャドウディーヴァのオークスだけでし…

クリスタルブラック ~ 柔剛のバランス

レース回顧は時間がある時に。ひとまず表題について殴り書いておきます。 ディープインパクト×Storm Cat(Alzao≒Sir Ivor)は柔らかすぎるので、残りの1/4の部分である母母には、Storm Catの血統構成の中で最もパワーのあるEight Thirtyを増幅する血がほしい…

雑感 ~ 第39回ジャパンカップ「それはもう、アイリッシュダンス」

▼もう何度も書いていますが、斬れる女性的な馬より、スタミナがあって頑強な男性的な馬が好きです。牝馬になりますがダイワスカーレットとか、キタサンブラックとか。斬れる馬でもショウナンパンドラやミッキークイーンのような女性的な斬れではなく、ジャン…

雑感 ~ 第160回天皇賞(秋)

思いどおりにならないのが競馬の醍醐味やないかとよく思うんですが、だからゴールドシップを語ることは競馬の醍醐味を語ることでもあり、だからみんなゴールドシップについて熱く語り合ったんじゃないかと、夕暮れに白く浮かび上がるシルエットを見ながらそ…

第80回菊花賞 雑感

▼ヴェロックスはHyperionが豊富で激流である程度前に付けて持続力を活かした競馬が合っている。ハーツクライ系はこのHyperionが発現するまでに時間が掛かり、シュヴァルグラン(JC)やリスグラシュー(宝塚)やヌーヴォレコルト(オークス)やワンアンドオン…

フィエールマンの強さ

▼このブログにも「読者」は存在したようで「もうやめちゃったんですか」という趣旨のコメントをいただきました。ありがたや、ありがたや...。もちろん競馬はチェックしているんですが、いかんせんブログを更新する熱量にならず。頭では考えているんですけど…

有馬記念直前短考

▼中山内回りは、4角~短い直線&急坂でビュッ、グーンと加速しなければならないワケで、グラスワンダーのようなパワーやヴィクトワールピサのようなフワッとした機動力、ラブリーデイのような地面に吸い付くようなコーナリングが求められる。 そうなった時に…

‟斬れ”と‟粘り”と体質

▼フィエールマンが菊花賞を制しました。 また名文を貼っておきます(笑) Noir et Orを見たことがなくても、Noir et Orの産駒や孫を見たことがなくても、その血統表から描けるイメージだけでオナニーできてしまうのが血統予想の面白いところなのでねNoir et …

‟抜かせない力”がイイ

好きなレースの一つにハーツクライの有馬記念があります。もう何度も書いているので詳述しませんが、ハーツクライの本質はアイリッシュダンス――トニービン×Lyphardなのです。つまり、HyperionとFair Trialを通じたSon-in-Law(ハイインロー)のスタミナ。 JC…

サウジアラビアRC短考

グランアレグリアは、母がNijinskyのクロスで胴長、そこへきてSir Gayload≒Secretariat6×6・6だからダラーンとした斬れ方で、こういう馬を2歳のマイル重賞で信用するのはどんなものか。サトノアラジンの2歳~3歳と同じようなイメージだ。 ドラウプニルは、ル…

ナンヨーイザヨイ ~ エイシンフラッシュの日本適性を継承。Mr.Prospectorのスピードとは何か

ちょうど昨日、マンハッタンカフェとエイシンフラッシュの独血の話を書きました。マンハッタンカフェでいえば、いかに「Halo≒Boldnesian的な血」を、エイシンフラッシュでいえば「Mr.Prospector≒Red God≒Stay at Home的な血」を増幅して日本向きの軽やかなス…

マンハッタンカフェから読み解く日本適性

マンハッタンカフェで重要なのは、いかに自身が持つHalo≒Boldnesian的(2×4)的な血を増幅するかです。では一体、「Halo≒Boldnesian的な血」とはなにかというと、Nasrullah(≒Royal Cherger、3/4同血)と、Sir Gallahad(=Bull Dog)と、Blue Larkspurと、P…

独血統、マンハッタンカフェとエイシンフラッシュに共通する二面性

テイエムオペラオーの引退レースの有馬記念を制したのは3歳のマンハッタンカフェでした。トゥザヴィクトリーのつくる緩い流れの中でマンカフェのHalo≒Boldnesian的なフワッとした機動力、瞬発力が活きたのです。 しかしマンカッタンカフェは菊花賞と天皇賞(…

〝垂れない〟〝切れない〟走りはやっぱりHyperionが強かったのか

本当はヴィクトリアマイル前夜に書こうと思っていたのだが、仕事が立て込んでいて今日になった。 京王杯SCで着眼したのはラインスピリットの4着。母リボンストライプはウイニングチケットの全妹でHornbeam≒テスコボーイ3×3のNasrullahとHyperionのクロスで、…

忘れられない馬、忘れられないレース

追記しますが一先ず。 derby6-1.hatenablog.com 大器は遅く成るの理にて。 忘れられない馬、レインボーライン 忘れられないレース、第157回天皇賞(春)

ガンコ ~ ディアウインクの仔が天皇賞(春)に出走する歓び

金曜の夜、銀座を回って飲み足りず自宅でジャックダニエルを飲みながら書いている。高校~大学時代のように土曜の青葉賞出走各馬をあれこれ考察して論ずる気力はなくなってしまった。ただ、仕事の疲労を紛らわすために競馬へ熱を注ぐ可能性を感じている日々…

エポカドーロ ~ 母父フォーティナイナーでもFair TrialとDonatelloをガッチリと増幅、その母父もあらゆる面でプラスになっていた。

エポカドーロ。母父フォーティナイナーがクラシックを制したというのが「うーん」という感じですが、母母サンルージュはFair TrialとDonatelloを3本、特に4代母Cairn RougeはFair Trial4×4、Donatello5×4 この増幅はステイゴールド×メジロマックーンが成功し…