▼中山内回りは、4角~短い直線&急坂でビュッ、グーンと加速しなければならないワケで、グラスワンダーのようなパワーやヴィクトワールピサのようなフワッとした機動力、ラブリーデイのような地面に吸い付くようなコーナリングが求められる。
そうなった時に、キセキの父譲りの重厚なフットワークは間違いなくマイナスとなる。中山内回りの有馬記念や日経賞で父は勝ち切れなかった(もちろん、京都内回りの金鯱賞は勝ち切ったが、別に内回り適性で勝ったわけではなく、持ち前の持続力を活かすにはあの形がベストだっただけで相手が一枚下だった)。
もちろん、先行力を身につけたキセキだから3角からペースを上げ4角でセーフティリードを取って押し切る―ということも考えられるが、重厚ストライドで走る馬はキツイコーナーで負担が掛かっている(ストライドロス)。それこどグラスワンダーやラブリーデイやヴィクトワールピサの中山内回りや阪神内回りでのコーナリングと、ブエナビスタやルーラーシップやスペシャルウィークやドゥラメンテのそれを比較すればいい。
▼ブラストワンピースもモズカッチャンもミッキーロケットもビュッ、グーンと加速できるタイプではないが、抑えるとすればモズとロケットか。両者ともに内でうまく立ち回れるし、ロケットに関してはファンの想像以上に力を付けている可能性がある。ブラストは来年の秋天がベストの舞台となるはずだ。
▼サトノダイヤモンドとマカヒキは器用さも兼ね揃えているが中山2500の持続戦では厳しそう。強いて言うならサトノは普通の3着候補として見れなくもないが、過剰人気だし鞍上は長距離だと不安が残る。
▼それならば内で垂れないクリンチャーのスタミナと、どう考えても好配合なのに母数が少ないステイゴールド×タニノギムレットのパフォーマプロミスの成長度に魅力を感じる。後者の字面以上の瞬発力は母母に凝縮されている米血の影響だろう。なかなか好みの馬だ。
▼中山内回りでビュッ、グーンと加速できる馬といえばミッキースワローとサクラアンプルールだが、後者はこの枠で真っ向勝負だとさすがに厳しい。一方前者はJCでのパフォーマンスとローテーション、さらにアルアインをしっかりと完封した(セントライト記念)という事実に再度目を向けたい。緩みない流れの中山2500ならばレイデオロを差し切れる可能性がある。
血統表をみればわかるが、カンパニー的でカンパニー的小脚で走る馬だ。名手が札幌記念でのミスを取り返す―サクラローレルの秋天→有馬を想起させてならない。
▼ミッキースワロー、レイデオロ、パフォーマプロミスの序列で少し買ってみます。