さあ今週はクラシックの構図が決まりそうな重要な3歳重賞が2つあります。
競馬だけでなく、何事も、過去の自分を振り返ると「何言ってたんだ自分...」と思うことはよくありますが、そう思うということは今の自分が成長しているからである可能性が高く、全く悲観的になる必要はないんだと思っています。
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どうしてこんなことを書いたかというと、自分が過去に書いたことをこれから振り返るからですね。
北枕先生が絶賛するアドマイヤミヤビは、私も新馬戦から目を付けて今した。
カデナは非社台系ディープPOG(10頭指名)の指名馬で(つまり非社台系のディープ産駒で10本の指だと思っている)、マカヒキやショウナンパンドラのディプ×フレンチデピュティで、5代母のAlleged(種牡馬ではない)がAlycidon×Court MartialでBurghclereを増幅。しかしマカヒキほど距離は持ちそうにないのかな~という馬体でクラシックまではどうか。それでもダービーまでに2勝+重賞入着くらいはやれる馬だと思っています。
アドマイヤミヤビはクライムメジャーの新馬戦でも触れましたが、グランアルマダの3/4妹(母レディスキッパーはクロフネ×デインヒル×ウインドインハーヘア)で、Lyphard+ナスペリオン+Fair Trialという点でアイリッシュダンスとウインドインハーヘアは脈絡しますし、父の牝祖My BupersとBuckpasserを通じるBusanda6×7でワンアンドオンリー的なパワー補強もできています。ちょっとパワーが強い走りにうつりますが、晩成ハーツの牝馬がクラシックで勝ち負けするにはこれくらいの方が良いんですね。
ということでこの2頭が血統的に見ても将来的に期待大。
デインヒル×ウインドインハーヘアは、Flower Bowl≒Burghclere4×2(HyperionとSon-in-LawとDonatello≒Boudoir)が成立し、ほかにもNorthern Dancer3×4、Tom Fool≒Attica5×5、これだけの配合なのに直仔があまり結果を残せなかったのは、デインヒルが近すぎたのかもしれません(彼のパワーは日本の芝では必ずしもプラスといえないどころかマイナス面が多い)。
また、名馬というのは、もちろん母が名配合であるのはもちろんですが、母母とか母母母とか母母母母がもの凄い配合をしていることは多いです。どうもこの、「母母ライクザウインド」というのがしっくり来るんですよね。
もちろん、晩成ハーツクライを早期から活躍させるために、クロフネ×デインヒルでNorthern Dancer≒Icecapade5・4×4・5の母の配合系や、ワンアンドオンリーのようにBusanda6×7という米血パワー血脈をクロスしているというのもプラスです。
これがパワーに寄って個体に表れてしまうと残念なのですが、ミヤビの場合はHalo≒Sir Ivor3×6の影響もあるのか、神の配剤もあり、絶妙に発現した...というべきでしょうか。
マイルという距離はもちろん短い中距離馬なので、スローの方が差しやすいかもしれません。
この馬と、ソウルスターリングと、そして個人的には激流でヴゼットジョリーの、フレンチビキニのスタミナが活きるオークスになってほしいです。
フローレスマジックはディープ×Storm Cat、マジックストーム(Storm Bird≒Nijinsky2×3)の仔というイメージ通りで特に書きたいことはありません(笑)
アエロリットは、大飛びで、NureyevのNasrullahとHyperion的な斬れが出ているのかなという印象。フェアリーSもう1本欲しいデキだったということですし、良く2着を死守したという走りで高評価。東京のマイル適性は高そうで、ほどよく人気が落ちそうなので狙い目かと思います。
ハナレイムーンは、「ハウオリの仔」、「母母ノースフライト」というイメージの方が強いですが、ディープ×キンカメ、中距離質の重厚な斬れです。
東京6Rを制したハナレイムーン(ディープインパクト×ハウオリ←キングカメハメハ×ノースフライト)は、キロハナの全妹。今調べたらハウオリは、2016年産まで5年連続でディープインパクトを配されています。馬主さん的にもクロウキャニオン臭がしますね~
母ハウオリはキングカメハメハ×ノースフライト(トニービン)なのでHornbeamのクロスでNureyevもこことNasrullahとHyperionで脈絡。ハナレイムーンもそれらしい重厚な斬れで楽に差し切りました。マイルで弾けるタイプではなく(とはいってもシュンドルボン的にそこそこ走るんだろう。シュンドルボンだって3歳の頃はダート1400や札幌1500を走っていた)、晩成ですがオークスに出てきたら面白い。でも410キロのディープ牝駒、長い目で。
スズカゼは東京のマイルとなるとちょいと厳しそう。
菜の花賞を制したスズカゼは、ディープブリランテ産駒の中でもデビュー戦から注目していた配合。Hopespringseternal≒Venetian Jester6×4、Tom Fool≒Flaming Page7×5・6
母のVenetian Jesterやマルゼンスキーを父のMiswakiで増幅したというのは兄シップウ(父コンデュイット)と同じで、コンデュイットであれだけ稼いでいるのですからブリランテならという思っていました()
機動力満点の走りでコースも合っていました。フィリーズRならコースも合っていますし好勝負可能では(ヒダカBUのフィリーズRというとフレンチカクタスが思い出されます)。
しかし福島1200で未勝利勝ち、京王杯2歳Sでは12着、赤松賞で0.1秒差5着に好走してGIで揉まれて、マイルの特別戦を楽勝するんですから馬も成長するんだと改めて。
セイウンキラビヤカはすごい相似配合で先行力もあるので、注目です。
中山6Rの新馬(芝1600m)を快勝したセイウンキラビヤカは注目していたリーチザクラウン産駒で、マルゼンスキー≒Caerleon4×3・5、Mr.Prospectpr4×5、そしてSix Crowns4×5という牝馬クロスを持つ相似配合馬。
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小倉のあすなろ賞(芝2000m)は、贔屓しているものの掴み切れないジャコマルが出走。ちょっとパワーを感じさせるのはDamascus×母母Gliwing Tribute(Graustark×Admiring)の母母父Eastan Echoの影響なのかな。小回り2000でどういう走りをしてくれるか楽しみです。素質はロードアルバータが断トツでしょうが。
東京6Rの3歳500万(芝1400m)は、ハウメアとトリリオネアの2頭に注目。ハウメアはパワー寄りに出て中山がベストな印象ではあります。トリリオネアは平場の500万は通過点、NHKマイルに出走してもらいたい馬。
東京5Rの未勝利(芝1600m)に出走するベイビーステップは、前走初芝となった中京の未勝利で16番人気2着と大穴を空けましたが、タイキシャトル×ゴールドアリュール×ホワイトマズルなので、Halo3×4、Caerleon≒Reluctant Guest3×4(Nijinskyとナスキロ)で、マズルのダンシングブレーヴから3代に渡ってNorthern Dancer+ナスキロ血脈を配されているということでもあります。
ミトラの全妹ダークプリンセスはもちろん晩成で長い目で。
東京1R(ダ1400m)でダート替わりとなるライバーバードは、バレッツセレクト2歳セールで約5000万円の高値で取引された馬。母がPremiership≒Be a Prospector3×2(Songandprayer≒Be a Prospector1×2と表記してもよいかも)というすごい配合で、自身はMr.Prospectpr4×6・4、MiswakiとStorm CatでHopespringseternal≒Terlingua4×5、もう1度芝で見てみたかったですが。
Hopespringseternal≒Terlinguaというと京都メイン洛陽Sで復帰するダッシングブレイズは母がGonfalon≒Hopespringseternal3×3というナスキロラトロのクロスで自身はLady Caplet≒Hopespringseternal3×4のナスキロ+Tom Foolのクロス、ナスキロベースのストライドで走るので京都巧者な可能性はあります(少なくともダービー卿の中山1600が合っているということはない)。
京都1R(ダ1800m)には名繁殖タガノレヴェントンの仔タガノヴェローナが初勝利をかけ出走。ヴェローナのエスプレッソでトネールの分も頑張るんです。
京都5R(芝2000m)のスティッフェリオは、ステイゴールド×シルアスアティテュードという血統。
母母ザミリアとの間にはゴールドスミスという同期のステイゴールド産駒がいます(新馬勝ち)。このザミリアはSir IvorとHabitatを通じるSir Gallahad5×5で、ここがステイゴールドにはちょっと気がかりなんですが、ノーザンテーストと血統構成が近いThe Minstrelを通じるNorthern Dancer4×4というのは効くでしょうし、Green Desertのパワーというのもプラス。
そしてザミリアにMtotoを配されて産まれたのがシリアスアチテュードですが、MtotoはDonatello3×4、しかもMtoto自体がMiranda(=Pretty Polly)牝系でもあり、これはノーザンテースト増幅に繋がります。
まぁ、ゴールドポセイドン(3歳/500万)という化け物がいますがね(笑)
《ゴールドポセイドンの母ディアエスペランサ》
血統情報:5代血統表|ディアエスペランサ|JBISサーチ(JBIS-Search)
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【参考】
『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)
望田潤氏のブログ 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog
栗山求氏の連載『血統SQUARE』http://www.miesque.com/motomu/works.html
『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)