日曜の3歳戦 ~ レイデオロに、コマノインパルスに揉まれた皐月配合が、本当に皐月で3着に入るという運命にあるならば、アサギリジョー×裕紀人が割って入っても驚かない
クイーンC、アドマイヤミヤビは強かった。オークスはミヤビとソウルスターリング、そして激流でのヴゼットジョリーに期待という見解は変わりません。
アエロリットも前走以上のデキで、胴長の大飛びの重厚斬れなので府中で良さが出ました。
フローレスマジックは弱いということはないのですが、ラキシス然りサトノアラジン然りラングレー然りサトノケンシロウ然り、パワーが発現してくるのは3歳夏以降なのでしょう。
機動力が武器のスズカゼが府中で最後甘くなってしまうのは至極順当。これくらい走れればフィリーズレビュー(阪神「内」周り1400m)が楽しみです。あ、でもアネモネですかね。どちらも似たようなコースなので適性が高いことには変わりないですが。
ハナレイムーンもこの時期に、ここまで走れるのですから素質は素晴らしいですね。古馬になってのエリ女でしょう。ノースフライトはマイラーでしたがこのHyperionは間違いなく中距離で活きてくるはずです。
東京4Rの未勝利(芝2400m)を制したのはディープ産駒でAlzao≒ラストタイクーン3×3を持つサーレンブラントでしたが、こういう体を柔らかくする方向のクロスを持っている馬が、中山内回り1800mの新馬で出遅れ大敗、この大箱替わりというのは明らかな狙い目でした。それでも父が父だけに人気だろうと思っていましたが9番人気、書いておけばよかった。
東京6Rの3歳500万(芝1400m)はファンタジステラがファンジカの仔らしストライドで制しましたが、2着のウィンドライジズもダイワメジャー産駒の中ではストライドで走るタイプ。ボールライトニング的なイメージで、前走若竹賞は中山内回り1800m、この条件替わりはどう見ても狙い目ですが見落としていました。
同じダイワメジャー産駒のウィンドライジズは、母父がテンビーなので、ダイワメジャー×Caerleonのニックス。デンビー×サクラユタカオーなので柔×柔の母ですが、ここはノーザンテースト≒Nijinsky3×4が効いているのでしょうか、絶妙な体質に出ています。このダメジャを柔らかくした、ウインスラッガー的タガノヴィアーレ的な斬れ(分かりにくい)は東京マイルは合っていそうです。勝ち切るタイプではないんでしょうけど。
京都1Rの未勝利(牝限・ダ1800m)は名繁殖タガノレヴェントンの仔タガノヴェローナが遂に初勝利を飾りました。何度も言いますが、ヴェローナとエスプレッソでトネールの無念を晴らそう!(武蔵野Sでの勝利にも表れているように、年齢を重ねて1400<1600になっていたタガノトネールを今年のフェブラリーSに出走させられなかった無念)
スティッフェリオは2着。焦らず成長を待ちましょう。
京都5R(芝2000m)のスティッフェリオは、ステイゴールド×シルアスアティテュードという血統。
母母ザミリアとの間にはゴールドスミスという同期のステイゴールド産駒がいます(新馬勝ち)。このザミリアはSir IvorとHabitatを通じるSir Gallahad5×5で、ここがステイゴールドにはちょっと気がかりなんですが、ノーザンテーストと血統構成が近いThe Minstrelを通じるNorthern Dancer4×4というのは効くでしょうし、Green Desertのパワーというのもプラス。
そしてザミリアにMtotoを配されて産まれたのがシリアスアチテュードですが、MtotoはDonatello3×4、しかもMtoto自体がMiranda(=Pretty Polly)牝系でもあり、これはノーザンテースト増幅に繋がります。
まぁ、ゴールドポセイドン(3歳/500万)という化け物がいますがね(笑)
《ゴールドポセイドンの母ディアエスペランサ》
洛陽Sはダッシングブレイズが京都で結果を残しました。昨年のようにダービー卿にはいかないでほしいですね(笑)
Hopespringseternal≒Terlinguaというと京都メイン洛陽Sで復帰するダッシングブレイズは母がGonfalon≒Hopespringseternal3×3というナスキロラトロのクロスで自身はLady Caplet≒Hopespringseternal3×4のナスキロ+Tom Foolのクロス、ナスキロベースのストライドで走るので京都巧者な可能性はあります(少なくともダービー卿の中山1600が合っているということはない)。
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さて、クラシックを占う共同通信杯
現在(日曜0時42分)の人気はムーヴザワールド、スワーヴリチャード、エアウィンザー、タイセイスターリーという順になっています。
どれも良い馬であることは間違いないですが、特にムーヴザワールドは良い馬だと思います。Sadler's Wellsらしからぬ、母リッスンのBold Reason≒Never Bend3×4らしからぬ体質の柔軟性がありますが、これが母母Brigidが持つナスキロのクロスの影響でしょうか。東スポ杯も、スワーヴリチャードよりも前に位置して、スワーヴリチャードと同じタイミングで追い出したのに、スワーヴリチャードにあっさり抜かれましたから、タッチグスピーチのように、そういうタイプではあります。
母父が中長距離の本格派ですから、3歳春での成長力という点ではどうでしょう。ただ、そういう青葉賞タイプのこの馬が2歳から動けている...というのはこの馬の素質を証明しているともいえますが。
スワーヴリチャードは、ピラミマの仔。ピラミマの仔は、やはりUnbridled's Songですからトモが甘く、前輪駆動の走りで京都で強い。バンドワゴンのきさらぎ賞、カレンオプシスだって全2勝が京都、エマノンだって昨年暮れに京都の500万で13番人気1着となりました。
Unbridled's Songは、3代父Mr.Prospectprの母Gold DigeerがThe Tetrarch5×6で、母Trolley SongはMumtaz Begum≒Mahmoud5×6・5・5(どちらも母はMumtaz Mahalで、その父はThe Tetrarch)、この柔軟性を強く伝え、Unbridledらしいパワーはあまり感じさせません(母父Unbridled's Songのトーホウジャッカルやダノンプラチナをみてもそうでしょう)。
さらにピラミマの母母River of StarsがMumtaz Begum≒Mahmoud4×4・4・5、そこにGeneral Meetingが配された母キャリアコレクションはSeattle SlewとRivermanのナスキロラトロのクロスとなり、Mumtaz Begumのクロスを継続
またRiver of Stars→General Meeting→Unbridled's Songと、ナスキロを重ね続けてきている自己主張の強い繁殖牝馬でしょう。
スワーヴリチャード自身も、やはりピラミマの仔らしくトモが甘めで、中央4場なら京都がベストだろうという走り。東スポ杯も最後は苦しくなっていました。米血主体なのでパワーも伝わっていてメリハリの効いた差しができるのですが、重厚さに欠ける配合なのでクラシックを勝ち切るイメージが湧かない...という印象。
エアウィンザーは毛色こそ違いますがエアスピネルに似た筋肉質な馬体で、エアデジャヴーらしいピッチ走法。京都内周り2000mの福寿草特別の4角の捲りは、まさに「らしい」ものでした。
スワーヴリチャードもムーヴザワールドも春2冠は厳しいと考えているので、それならばエアウィンザーがここを持っていってもおかしくないんじゃないかとは思います。ただエアウィンザーが春2冠を獲るとも思いません。
タイセイスターリーは、パワーで突進するタイプかと思いきや、案外メリハリの効いた競馬も出来るということをシンザン記念で証明。
ロックオブジブラルタル←デインヒルなのでAlanesian≒Tom Fool6×7、母系に入るAlydarもRaise a Native(←Native Dancer~Sickle)産駒で、母はNasrullahとBull DogとBlue Larkspurを持ちますから、Halo≒Boldnesian的血統構成は満たしているんですよね(だから現代に影響を与える名馬なのか)。
問題はムーヴザワールド、スワーヴリチャードという中距離馬相手に勝ち切ることが出来るか否か。エアウィンザーのところでも書いたように、ムーヴザワールドとスワーヴリチャードが春2冠を獲るとは考えていないので、それならば一矢報いても驚けないと思うんですよね。
《マンハッタンカフェのHalo≒Boldnesian増幅》
同い年のユキト継続騎乗で応援したいアサギリジョーは、ピッチ加速で中山内周り2000mでの4角での捲りが「らしい」。2着のガンサリュートもRobertoらしさが発現している馬で、ガンサリュートのような後方待機をしていればガンサリュートくらい走っていたでしょう。
ジャングルポケット×サンデーサイレンスならば、残りの1/4である母母シジェームサンが重要なわけで、ピッチ走法の正体はシジェームサンの母父Ela-Mana-MouのFair Trial4×5が、父のFair Trialと脈絡するらでしょうか。そうであるならば極めて皐月賞型なんですよね。コマノインパルス、ガンサリュート、そしてアサギリジョー、先週のアメリカズカップ、このあたりが皐月賞の穴候補でしょう。
ジャンポケにサンデーを挟んで、Ela-Mama-Mouで父のトニービン×NureyevのFair TrialとHyperionを増幅するというシンプルな形です。
何度も言うように東京<中山ですが、もし皐月賞で3着に入るという運命だとするのならば、この12月1月で強い相手に揉まれ成長を遂げ、ここで2強?3強?4強?に割って入っても驚かないです。
ジャンポケ×サンデー、母系Ela-Mama-Mou、こういう馬が皐月賞を大本命で迎えてほしいなあ...
チャロネグロは、母ルミネンスがジェイドロバリー×El Gran SenorでNijinsky≒El Gran Senor4×3といえましょうか(Northern DancerとFlaming Page≒Tom Fool)。さらにジェイドロバリーのSpecialでトニービンのNasrullah、Hyperion、Fair Trialを増幅している...というのはシュヴァルグランやヌーヴォレコルトなんかと同じですね。さらにEl Gran SenorでBusanda6×6
だからハーツクライにしてはパワー寄りで早熟性もある方ではあります。共同通信杯で穴人気して同然といえる配合。
ビルズトレジャーは望田先生が書かれていたと思いますが、緊張の父ダノンシャンティに、緊張の母父エルコンドルパワーに、緩和の母母メジロドーベル(1/4)という中距離馬で、掲示板、そして3着まできたらアッパレドンキ。
相手なりに走るエトルディーニュはさすがに厳しいかなあ。
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京都記念、愛しのサトノクラウンは、結果的に望田先生が仰るように、ゆったり走れる距離が正解だったようで、このサトノクラウンの成功をみると、私はアンビシャスに想いを馳せます。アンビシャスの2400mでの走りがみたい!
こぶし賞にはひいきしているグリトニルが出走。またまたまたこの内回りのマイル戦というのは合っていないと思うんですが、何か意図があるのでしょうか。中距離の差し馬として大成すると思うんだけどなぁ...
まぁでもズアーですか...
アルデバランSは、東海Sに続いてメイショウウタゲに期待。肩が立ったピッチ走法で、内枠替わりというのは注目したいです。
@derby6_1
— 金沢 ユウダイ (@derby6_1) 2017年1月22日
長直線でもコーナーが急という特徴がある中京においてメイショウウタゲの、あのピッチ走法によるコーナリングの巧さは活きる。見事な騎乗だった。また、3角〜4角が下り坂なので惰性で外に膨れやすく、サンビスタの内差しに代表されるように内も空きやすいよね。
小倉5Rの新馬(芝1200m)、ディープアドラーレはディープデザイアの2番仔です。ディープデザイアは重賞は勝っていたであろう素質馬です。
小倉7R(ダ1700m)で、ネオユニヴァース×カメリアローズのノーブルリーズンがダート替わり。重賞取っても全くおかしくない血統なので変わっても。
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【参考】
『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)
望田潤氏のブログ 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog
栗山求氏の連載『血統SQUARE』http://www.miesque.com/motomu/works.html
『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)