4歳上500万下

“血統表”と“現実”のすり合わせ、“競走馬の個性”の解釈

マイルCSミニ回顧 / 先週の注目2歳馬

マイルCSは...時間も経ったので少しだけ。以下のような理由での◎ディサイファだったから後悔はないし、ムーア騎手は巧かった。ヤングマンパワーは気難しい馬なのでテン乗り(それまで乗っていたのが気難しい馬を乗りこなすことに関しては横山典弘騎手と双璧をなす戸崎騎手)で完全に走る気をなくしていました。

サトノアラジンはいよいよ母のStorm Bird≒Nijinsky3×2というパワーが発現してきたようで、馬体も走法も凄みを感じる。内伸びの馬場はマイナスだが、それでも今なら外からまとめて差し切っても驚かない馬となった。

ディサイファは、名牝SoaringにHis Majesty、Danzigと配されたAmeriflora(グラスワンダーの母として著名)の全妹Tribulationに、競馬史に残る名馬であるDubai Millenniumディープインパクトと配された世界レベルの超名血である。今年は夏場を休養にあて、毎日王冠前には小島太師が、「これまでで1番」というコメントを残していたのが印象的だった。ダート馬に年長馬が多いように、パワーというのは年齢とともに発現してくるものであるから、いよいよこの名血のパワーが完成したのか…と感じた。その毎日王冠は外伸び馬場で内を突いて前が詰まってしまったもので参考外。GIを勝たなくても種牡馬入りする馬だとは思うが、雨の残る馬場、最内枠など自身の余生に箱を付けられる可能性がある外的要因が向いている。パワートスタミナが豊富だから、グラスワンダーのように距離適性の広さがあるし、有馬記念に出てきても高評価だっただろうが(笑)

それでもディサイファが京都マイルでこれだけ走れたということは、少なからずディープインパクトらしさ、Sir Gaylord6×5の影響もあるということで、もっとパワーに特化させていないと有馬宝塚で捲りは厳しいのかな...とも思いますが、札幌記念AJCCで結果を残してるわけで...。やっぱりこの距離適性やコース適性の広さはグラスワンダーを想起させるものもあるし、種牡馬としてはなかなか面白いんじゃないかとも思わせますね。

 

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先週の2歳戦は東スポ杯はじめまずまずの馬たちが走っていたように思います。東スポ杯のかんたん回顧は以下に書いたので、それ以外で気になった馬をまとめておきたい。

derby6-1.hatenablog.com

 

土曜京都4Rの未勝利を制したアドマイヤプリヴは、モンローブロンド(アドマイヤベガ×ソニンク)にルーラーシップなのでトニービン3×4(Hornbeam≒パロクサイド7・5・5×6)、Mr.Prospectpr4×4、Nureyev5×4という相似配合

モンローブロンドはHalo≒Moonscape3・4×4ですが、やはりトニービンとパロクサイドとNureyevが絡んでいるからか、ドゥラメンテ的なNasrullahHyperionの増幅となり、あまりコーナリングの巧さ、瞬時の反応というものは感じませんませんでした。

そんな中、内回りマイルを制したことが評価できます。

 

京都6Rの新馬戦では、先週息子が武蔵野Sを制した、キングカメハメハ×Nureyevで3代母もHyperion4・4×3・3という屈指のHyperion塊名繁殖牝馬タガノレヴェントンの仔、タガノヴェローナがデビュー。クロフネHyperionは非常に相性が良いので期待していましたがしっかり2着。

 

日曜京都3Rを制したアドマイヤローザ(ハービンジャー×アドマイヤテンバ←クロフネ×アドマイヤグルーヴ)は完全にここではモノが違ったという楽勝でした。ハービンジャーデインヒルらしい頑強さよりも、母系のフランス血統などの影響か柔らかい体質を伝えます(芝馬が多いように)。ですから案外クロフネのパワーというのは合うのかもしれません(ディープと同じ理論で)。

エアグルーヴはHornbeam≒パロクサイドというトニービン的なNasrullahHyperionによる重厚な斬れを伝える遺伝力の強い血ですので、スピードの乗りはそういったところを感じさせましたし、直線の長いコースや、内回りでもハイペースの外差し馬場などで更にパフォーマンスが上がるタイプでしょう。かなりの素質を感じました。

 

東京6Rを制したハナレイムーン(ディープインパクト×ハウオリ←キングカメハメハ×ノースフライト)は、キロハナの全妹。今調べたらハウオリは、2016年産まで5年連続でディープインパクトを配されています。馬主さん的にもクロウキャニオン臭がしますね~

母ハウオリはキングカメハメハ×ノースフライト(トニービン)なのでHornbeamのクロスでNureyevもこことNasrullahHyperionで脈絡。ハナレイムーンもそれらしい重厚な斬れで楽に差し切りました。マイルで弾けるタイプではなく(とはいってもシュンドルボン的にそこそこ走るんだろう。シュンドルボンだって3歳の頃はダート1400や札幌1500を走っていた)、晩成ですがオークスに出てきたら面白い。でも410キロのディープ牝駒、長い目で。

 

赤松賞秋明菊賞は特別書きたくなることもないですが、もちの木賞で早め先頭4着だったアイアンテーラーには触れておきたい。

ファンシミンダイナフェアリーの牝系で、ファンシミンはAlibhaiの影響か、ラインクラフトアドマイヤマックスといった短距離馬、トウケイヘイローやマルカフリート、アドマイヤロイヤルといった芝馬でもパワー型、そしてダート馬を出しているように「パワー」を感じさせる馬が多い牝系です。

アイアンテーラーは父ノーザンテースト×母母ファンシミンダイナフェアリーに、リアルシャダイティンバーカントリー配された母オータムブリーズは、マエストラーレ(父ネオユニヴァース/4勝)、コルポディヴェント(父フジキセキ/5勝)などを産んでおり、今回は初のゴールドアリュール

ゴールドアリュール×ティンバーカントリー母母リアルシャダイ内包」というのはコパノリッキーと同じ。ニキーヤ(Nureyev、Vaguely Noble)、ティンバーカントリー(Fall Aspen)、ノーザンテースト(Lady Angela)という質の高い「Hyperion凝縮名馬」が散りばめられています。

明らかな晩成型ですし、ケイティブレイブだってこの時期の500万では勝ち切れていなかったのですからね。これで500突破→ヒヤシンス4着くらい走ってもらえるとダート王の可能性アリとなるのですが。...ってとこまで書いて牝馬ということに気が付いた。

15産のカネヒキリ、16産のフリオーソはどちらも牡馬。ダの大物としての期待をかけたい。

www.jbis.or.jp

 

本当はJCのことをメインに書こうと思ったのですが、長くなったので別個で。

 

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【参考】

『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)

望田潤さんのブログ http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo

栗山求さんの連載「血統SQUARE」http://www.miesque.com/motomu/works.html

『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)

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