4歳上500万下

血統好きが大学生のころ書いていたブログ(今でもたまに更新)

日曜の注目馬 ~ 晩成だから勝ち切れないハーツの好配合馬たち

有馬記念はどういう着地点にしましょうか。キタサンブラックか、シュヴァルグランの逆転か、そして血統的にはアドマイヤデウスデニムアンドルビーでも後悔はありません。もう少し悩みます。

derby6-1.hatenablog.com

 

2日間の開催で頭に残っているのは、阪神ルーラーシップがダートで連続して好走したこと、トーセンホマレボシ産駒が複数勝利したこと、北村宏騎手の最内強襲が2日連続で決まったこと。だから何ということはないのですが、最終週ってこういう天の力?的なものが働くのかなぁと思ったり。

 

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ホープフルSは、ハイレベルかと言われながら勝ち馬があまり結果を残せないということが続いています。

今年はグローブシアターがどれほどかは分かりませんが、レイデオロ以外は低レベルに思えます。

レイデオロ

ラドラーダ(シンボリクリスエス×レディブロンド(Seeking the Gold×ウインドインハーヘア))の2番仔で、ティソーナの半弟。ラドラーダは着実に名繁殖への道を駆け登っているように思います。

ラストタイクーンSeattle Slewを通じるLa Troiennneのクロスなのでブエナビスタリアファルのように肩が立ったピッチ走法なのですが、コーナーでの加速がさほどすむーむではないあたりはラストタイクーン≒Alzao3×4由来の体質的な柔らかさの影響でしょう(ブエナビスタスピルバーグもピッチ走法だが、大箱向きの体質である...と望田先生はいわれている)。

それでもあの加速はダービー向きにみえます。現状カデナとレイデオロが第84代ダービー馬に最も近い存在という評価。

 先週の2歳戦 ~ Satono Arthur , Rey de Oro - 4歳上500万下

もちろん、社台系キンカメPOG(10頭持ち)で指名。

注目はニシノアップルパイ。米血過多のリーチザクラウンに欧血をどっぷりと持ってきていて、1番走ると書いていました。1度使って陣営も手ごたえを感じているようなコメント。前走は出遅れもありましたが、今回は内田騎手騎乗ということで前に行く意欲が感じられます。

アドマイヤウイナーも猛烈なピッチ走法なのでこの舞台は合うはずですが、札幌2歳のレベルは高いと思えないし、ワークフォースというだけで首をひねってしまいますがこのメンバーなら上位か...

コスモス岡田繁幸氏系は「血統で語れる範囲が他の馬よりも小さい」ので高画質のパドック映像をみないとよう分かりません(笑)

 

中山3Rのフィネスは、非社台系ディープPOG(10頭持ち)の指名馬

アンブリカルの半妹でディープ×Seeking the Gold、母母YousefiaはGreen Desertの全妹という良血

Sir Gaylordのクロスは気になりますが、Seeking the GoldとForeighn Cournierのパワーなら打ち消してくれるのではないかと思った次第です

《日曜の2歳戦 と エリ女》Vosges - 4歳上500万下

初戦はエンジンがかかったところで狭くなってしまい、見限るのは早計。再度戸崎騎手ですし、今度は惰性を付けるような競馬をしてくるのではないでしょうか。

 

中山5Rでは社台系ハーツPOG(10頭持ち)指名馬である、シルクのバラダガーがデビュー。

母父Not for SaleがSwaps4×3を含むHyperion6×5・5、Not for Saleの父Parada MarshelはCaro×No Robbery←SwapsなのでNasrullah×Hyperion、母父Confidental TalkもSwaps×Sir GaylordなのでNasrullah×Hyperionで、母母はCourt Martial4×4

そして自身はLyphard4×5

これでNasrullahHyperionとFair Trial、望田語で言うならばナスペリオンとハイインローを、アイリッシュダンストニービン×Lyphardの部分を増幅

さらにBusanda6×7でパワー補強

牝馬でクラシックとなると、母自身がNorthern Dancerのクロスを持っていたしてほしいですが、フローラS3着からオークス出走できたっておかしくないくらいの配合だと思うんですが...

 

阪神2Rは非社台系ハーツPOG(10頭持ち)指名馬で、3走目となるメイズオブオナーに注目

下記の通り血統もさることながら、Maides of Honor/「イギリス王室秘伝のお菓子」という馬名が素晴らしい。

 母キャサリンオブアラゴンはHoly Roman Emperor×Monevassia(=Kingmambo)ですのでラヴズオンリーミーの半妹にあたり、Holy Roman Emperorはデインヒル×SecretariatなのでStorm Catとも血統構成は近くて、つまりラヴズオンリーミーとキャサリンオブアラゴンは相似。

母はNorthern Dancer3本に加えてSecretariat持ちというのはヌーヴォレコルトと同じ。早期から結果を出せる配合ではあります。

《日曜の2歳戦 と エリ女》Vosges - 4歳上500万下

 

阪神4Rはこれまた社台系ハーツPOG(10頭持ち)で指名していて3戦目のクリデュクールに勝ち切ってほしい。

母母父がDevil's BagなのでHalo3×4、母父はIn The Wings←Sadler's Wellsなので、トニービン(Hornbeam)のNasrullahHyperionを増幅していますし、3代母もこの組み合わせを持っているというのが良い。さらに、その3代母父Hero's HonorはLa Troienneの牝系なので、Busanda≒Searching6×7(War Admiral×La Troienne)というパワー補強ができるのも良いです。

Haloのクロス、Devil's Bag内包、Special内包、Busandaのニアリークロスというのはワンアンドオンリーと同じで、早期から動けるハーツクライ産駒の配合です。

《京都2歳S ほか 2歳戦》Cri du Coeur - 4歳上500万下

前走は凡走した夏の小倉以来でしたから7番人気。しかし2着に好走し、ワンアンドオンリー的覚醒の可能性は高まりました(笑)

 

阪神5R、人気はFrankel産駒のファヴォーラでしょうか。

セレクトセール2014当歳で9600万でした。こちらは三嶋牧場さんの持ち込み馬、2015,2016産はもちろんディープ。

Danzig4×3、Blushing Groom5×4など、イルーシヴウェーヴの仔と同じような相似配合で、Miswaki≒Lassie Dear4×3(ナスキロ+Tom Fool)が目立ちますし、母自身がTom Fool4×4でもあります。

【外国産馬・持ち込み馬考察】Frankel産駒 - 4歳上500万下

Miswaki≒Lassie DearはHopespringseternal≒Lassie Dearの間違いかな(-_-;)

DanzigBlushing Groomのクロスがありますが、Hopespringseternal≒Lassie Dear5×4や、母のTom Fool4×4でMiswakiを増幅しているのはミスエルテと同じで、やはりこうすればFrankelから日本向きの軽さが取り出せるのでしょう。

 

Miswaki増幅といえば、阪神6R(日曜になっても「旧エリカ賞」と言うべきか)のベストアプローチもそう。

2012年のモルニ賞とミドルパークSを制したRockless Abandonの半弟で、4代母Chapel of DreamsはStorm Catの全妹。自身はMr.Prospectpr5×5、Hopespringseternal≒Terlingua5×5、まぁMiswaki≒Wiener Wald4×3といってもよいMiswaki増幅です。

《京都2歳S ほか 2歳戦》Cri du Coeur - 4歳上500万下

 

ネオヴェッキオは、米血過多のリーチザクラウン×ホワイトマズル、母系の奥にWordenがあるのでリーチが内包する少ない欧血セントクレスピン増幅にもなっています。母がLyphard3×4というのも好感。そして自身はサンデーサイレンス3×3

 

阪神9R江坂特別は、この外差し馬場ならリッチーリッチーで硬そうですが、東海ダービー馬のケージーキンカメにも条件は絶好の可能性アリ

メイプルニジンスキーにPrivate Account→ティンバーカントリーフジキセキキングカメハメハと配されてきてパワーがないわけがなく、同条件の3走前兵庫特別でも好走。

前々走は京都を思えばよく走っていますし、前走もドスローでしたが上がりは最速でした。

 

それでは皆様、今年も有馬記念をお楽しみください。

 

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【参考】

『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)

望田潤氏のブログ 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog

栗山求氏の連載『血統SQUARE』http://www.miesque.com/motomu/works.html

『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)