東京に出てくるまでも、深く競馬を観ていたつもりだったんですが、今思うと「広く浅く」だったのかもしれません。前夜は10時間くらいかけて予想してましたからね。それに比べると今は「狭く深く」でしょうか。重賞や3歳戦を1レース1時間くらいかけて血統を中心に重点的に考察しています。昔いろいろと血統を教わっていた人が、「血統は君の競馬を奥深いものにする」と言っていたのを思い出しましたが、それをひしひしと感じていますね。
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今週の京都記念には、僕に血統の奥深さ、二者択一的ではない複雑な組成を考える面白さを教えてくれた2頭が出走します。
ワンアンドオンリーは、父ハーツクライの母アイリッシュダンスの持つHyperionとFair Trialを母父タイキシャトル、母母父Danzigで継続し、Halo4×3で日本向きのスピードを取り入れ、牝祖Courtly Dee、ハーツクライの牝祖My Bupersの強力な米パワー血脈で締め、だけれども父のように胴が長いため先行して粘り込む形に特化した体形をしているから先述したHyperionとFair Trial、突き詰めればHyperionとSon-in-Lawによる粘り腰を発揮できる馬です。母ヴァーチュがタイキシャトル×Danzigという短距離血脈なのに突き詰めればクラシックディスタンスでこその馬で、血統の奥深さを教えてもらった馬ですね。
だから広いコースで先行が最も合っているはずで、そういう競馬ができた時(日本ダービー、神戸新聞杯、ドバイシーマクラシック)は必ず結果を残しています。直線に坂がほしいタイプでしょうから京都はベストコースではないものの、2000以上距離が合って先行しやすい小頭数という点では良いでしょう。あまりに瞬発力勝負になると京都大賞典のようなことになりかねませんが...。まぁこの馬はドバイシーマとジャパンカップでこそですね。巧く乗れば有馬記念でも。最も父に近い馬だと思います(父と同じ調教師というのも良いし、父2着のダービーを勝つんだもんなぁ 涙)
僕はダービーよりも神戸新聞の方が好みです。
サトノクラウンは母母~母~自身とナスキロ血脈を継続して交配されていますが、特に父父ラストタイクーンと母父Rossiniは、①Nothern Dancer+②ナスキロ血脈(Mill ReefとSir Ivor、Rose Bower)+③Buckpasserを持っており非常にニアリーな関係で、柔らかく速く動ける配合といえます。更に3代母LustはLyphardやHigh Topらを持つためCourt Martial≒Abernant6×5・5・5、父Marjuの3代母父Welsh PageantがLady Juror4×4、母母Flame of TaraはHyperion4×6・4と、HyperionとLady Juror血脈が豊富なのも良いです。
競走生活として早期である3歳春、クラシックで勝ち負けするためにはこれくらい俊敏に動けないといけないのだなぁと思い知らされました。僕のPOG馬デバイスドライバーの未勝利と比べれば俊敏に動けているのが分かるのでは?笑
天皇賞は陣営もコメントしているように状態面の問題が大きかったようです。ただ今回もブックを読んでいると陣営のトーンは上がっていないんですよね。僕は状態面まで見れませんから、そこは北枕さんのツイートを頼ります(^^;)
あえて当週ではなく前週に呟くシリーズということならば、サトノクラウンについても。
— 北枕鳩三郎 (@kiminoao) 2016, 2月 4
昨年のサトノクラウンが一番良く見えたのが弥生賞。
この時を10としたら、皐月賞は7、ダービーが8、天皇賞秋が5といった感じでしょうか。
あの天皇賞秋時の姿からは4ヵ月では戻し切れないと考えています。
でもそうか、Buckpasserの父Tom FoolとSir Ivorの母Atticaはニアリーだから、サトノクラウンの母ジョコンダⅡはHopespringseternal≒Sir Ivor3・4×4にもなるんですね。
望田さんのブログから引用させてもらうと、これです。これなんですね。
要約すると母がMr.Prospector3×4とSir Ivor≒Hopespringseternal3・4×4で、強力な父母相似配合で、自身はそれをラストタイクーン≒Touch of Greatness(Northern DancerとナスキロとAttica≒Tom FoolとSearching≒Busanda)のニアリークロス2×3を幹とする、「Northern DancerとナスキロとTom FoolとLa Troienne」の組み合わせの継続クロス
ドゥラメンテの配合は結構シンプルで分かりやすいんですが、この2頭やエピファネイアの強さを血統で証明しようとして、「こういうことか!」と理解できたときはもう世界が変わりましたね。エピファネイアなんて、Roberto系にSadler's Wells持ちで...どうしてこんなに斬れるの?と勉強したての頃は思いますからねぇ。血統はこの3頭と、サトノキングダムが好み!
ハートレーとスマートオーディンについても考察しようと思たけれど思ったより長くなったので次回にしよう...
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【参考】
『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)
望田潤さんのブログ http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo
栗山求さんの連載「血統SQUARE」http://www.miesque.com/motomu/works.html
『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)