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4歳上500万下

“血統表”と“現実”のすり合わせ、“競走馬の個性”の解釈

第35回ジャパンカップ 見解

そういえば昨年のJCは「何が逃げるんだろう?」、「これ絶対ドスローでしょ」という言葉があちらこちらで聞こえていました。そんな中私は、スローじゃ何も持ち味が活きない人気薄の何かが行って締まった流れになるのではないかと決め打ってアイヴァンホウに◎を打ちました(他にも理由はたくさんありますが)。サトノシュレンが1000m60秒切るくらいの流れで行くはずで...と予測していた人は素晴らしいですが、競馬の本質を理解するにはそんな予測はそれほど重要ではなくて、予想なんてそのていどのもの

 

その前の年はドゥーナデンに◎を打って2年連続で外国馬最先着を的中しています。自分にとってJCはそういうレースで、この意味不明なこだわりは大事にしていたい。そしていつか馬券になる、優勝する外国馬にはしっかりと◎を打っていたいなと思っています。

 

ラブリーデイ スタミナ豊富、東京2400の持続戦にも耐えうる血統をしているが、ここは体型と走法的にいうとやはり2000の方がベスト。ただそれでも馬券圏内を外すとは思えません。

ミッキークイーン 京都2000であの勝ち方をされて、この条件替わりで軽視する理由が見つかりません。唯一の不安点はオークスを勝っているとはいえ、輸送には弱めの馬なような気がしていること。

ゴールドシップ 怠慢ともいえる柔らかく大きなストライドで走るため、エンジンの掛かりが極めて遅いです。それをコーナリングでカバーするため内回りに良績が集中していますが、広いコースの持続戦こそが真のベストコースだと思っています。2年前のJCの敗因は精神的なものだと思っていて、今年は掲示板争いは確実にするような気がしています。

ショウナンパンドラ ロイヤルサッシュ牝系でディクタスが父のゴールデンサッシュの分岐ですから根本的にスタミナはあります。ただ馬はフレンチデピュティのパワーが出て、「パワーが持ち味」といえるほどの馬になりました。ゴールドシップと真逆の燃費の悪い走法というのもどうか。それ以上に陣営が大口を叩いても天皇賞がメイチだったという思いが消えません。

サウンズオブアース ポインテッドパスDixieland Bandという重厚なスタミナを活かした神戸新聞杯菊花賞がベストレース。そんな中Hoist the Flagのパワーも出て来たのか32秒台の上がりに対応した京都大賞典は特筆もののパフォーマンス。これならばチャンスがある。

アドマイヤデウス Sunny ValleyにEla-Mana-Mou、Be My Guestと配されたアドマイヤラピス、父アドマイヤドンはFall Aspenにトニービン。サウンズオブアース以上にHyperionが濃く、本質は内回り急坂向きだろうが休み明けで京都の日経新春杯を勝利したあたりがはさすが一流馬といったところ。こういう血が開花したのならいつでも◎を打っていたいと思わせられます。有馬記念がベストコースなことは百も承知も気になる1頭。

ワンアンドオンリー Coutly Dee系でもノースヒルズのアンブロジンの分岐。母系はDanzigタイキシャトルと短距離馬が続くが、一流の短距離馬はスピードを持続させるスタミナ血脈を持っているものです。DanzigHyperion、Fair Trial、タイキシャトルHerbagerHyperion、Thach(=Special)。父母アイリッシュダンストニービンLyphardでFair Trial7・5×8・6だからそういう馬で、ヴァーチュとアイリッシュダンスは最強パワー血脈(Coutly Dee、My Bupers)にスピードの持続力に富む種牡馬を配されたということで血統的構図は似ています。

昨年の菊花賞は圧倒的内有利レコードバイアス、JCは通ってきたコースを見れば好走の部類、有馬は追えず、ドバイは好走、宝塚は内回りであれだけ閉じ込められると厳しく状態も一息、京都大賞典はあの上がりを後ろから差すのは1番苦手な競馬と敗因はハッキリとしています。天皇賞だけがいくら不向きな流れでももうひと踏ん張りしてほしかった感はありますが、ようやく久しぶりに自分のベストパフォーマンスを発揮できる舞台が整ったのです。

前受けして勝ったダービー、ハイペースを早めに動いて凌ぎ切った神戸新聞杯こそがこの馬の本質です。ただアドマイヤラピスやFall Aspenとヴァーチュの血統表を見比べてみると、ヴァーチュもここまでか...という想いがしないわけではありません。

ペルーサ 前走のパフォーマンスを見せられると、いよいよ本当にこの時が来たかといったところ。

 ルメール騎手騎乗である程度の位置に付ければ好走する確率は高いのではないでしょうか。

 

ラブリーデイとショウナンパンドラには、「血統的には長いところもOKだけど、馬体や走法には”血統的に長いところもOK”らしい部分が出ていない」という共通点があります。ただ今のラブリーデイはよほどの持続戦にならない限り、馬券圏内を外すとも思えません。1番原点材料が少ないミッキークイーンとラブリーデイで決まってしまうのではないか、というのが金曜時点での結論です。

 

他に注目したい点は2点あります。1点目は4歳牡馬。中でもサウンズオブアースとアドマイヤデウスというクラシックでは一歩足りなかった中長距離馬が、血統通りの成長力でここまで駆け登ってきたという点。やはり血統好きとしてはこういう馬に2400のGIは買ってもらいたいという気持ちがあります。鞍上もミルコ騎手に岩田騎手と魅力です。

 

2点目は騎手。今回の1番人気と2番人気はラブリーデイとミッキークイーンでしょうが、それぞれ川田騎手と浜中騎手が騎乗します。失礼ですが数年前まで、少しGIだと足りなかった騎手が今年は本格化しました。この2頭のワンツーになったら、いよいよ騎手の世代交代なんてことが言われるようになるかもしれませんね。

 

外国馬で最上位人気が予想されるイラプトはDubawi産駒。今年のフランスの3歳牡馬はパリ大賞典を制した本馬の他に、ジョッキークラブ賞(仏ダービー)とニエル賞などを制したNew Bayが引っ張りましたがどちらもDubawi産駒です。イラプトは母がCaerleon産駒で、Bold BidderやSir Ivorを持ち日本向きの血が多く見られます。しかし走りをみるとSeeking the GoldDubai Millenniumの泥臭い走法をしていて東京2400向きとはいえません。望田潤さんも書かれていましたが、まるでDubai Millenniumを母父に持つディサイファのようです。凱旋門賞の5着は超スローペースで、位置取りが好走の要因だったと思います。

 

トリップトゥパリスはNijinsky5×4、Blushing Groom5×4、Graustark=His Majesty4×6(Ribot5・5×7・5)などなかなか面白いクロスが多くあります。Buckpasser5×5も引き締めの面で小さくない影響を与えていると思います。父Champs Elyseesはデインヒルの全弟。母系にRahyやラストタイクーンなど日本向きの血が多くありますが、ズブく東京で34秒台前半で上がって来いという競馬はどうでしょうか。

 

イトウは昨年のアイヴァンホウと同じ名門シュレンダーバン牧場の生産馬で、父Adlerflugはキングズベストなどを輩出したAllegrettaなどと同じAラインで2007年のドイチェスダービー勝ち馬。母Itoaは2005年の独オークス勝ち馬という実に夢のある血統です。3歳の8月にデビューしたものの2戦目はなんと今年の3月。4月に準重賞、6月にGIIを勝ち力を付けて行くと、8月のベルリン大賞で2着、オイロパ賞で4着した後、前走のベルリン大賞を逃げ切ってGI初制覇を成し遂げました。父がBold Reason≒Never Bend4・5×5でそのパワーを受け継いだのか肩が立っていてパワーはありそうです。映像を見て体質はMill Reef4×4の父と、母の独異系の柔らかさが出ているかな、と思っていたのですが望田潤さんは「体型も体質も胴長にしたデインヒル」と書かれていました。この成長曲線はアイヴァンホウやノヴェリストに似ていて、陣営は5,6番手でもという話をしていますし、脚質的にも昨年のアイヴァンホウ以上にやれるのではないかという希望的推測を持っています。

 

ナイトフラワーはNightflowerという馬名があらわす通り、近年ではノヴェリストが出現したNラインに属しています。母母Night TeenyはBirkhahn4×4を持つドイツ色強い血統です。血統表のこの1/4がドイツ色が非常に濃くなっています。母父パントレセレブルはジョッキークラブ賞と凱旋門賞を制した名馬で、Nureyev×Alydar×Habitatという組み合わせで、NureyevもAlyderもHabitatも更に3代母もNasrullah(≒Royal Cherger)を持ちます。父Dylan ThomasもBold Bidder、Francis.SとNasrullah(≒Royal Cherger)の血を持ちます。ここらの血、特に母の血が強く出ているので広いコース向きの差し馬に出ましたし、ディアヌ賞の走りから(折り合いを欠いて敗れた)時計勝負も対応可能とみています。イトウ以下をなで斬ったオイロパ賞のパフォーマンスは強烈なもので、1/4が独血なのも好きです。速い時計で追い切ってませんし、大外枠で不安もありますが全てをプラスに受け止めますw

 

今年でいえばGolden Horn、Treveくらい、近年ではコンデュイットやデインドリーム級でないとJCで外国馬が勝ち負けするのは厳しいと思っています。しかし、ガッツリ独血統の馬か、3歳牝馬であれば世界トップクラスの実績が無くても可能性はあるのではないかとも思っています。

 

アドマイヤデウスとナイトフラワーに期待したい第35回ジャパンカップ

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