毎年言ってるかもしれませんが、今年の牡馬クラシックはとんでもないですよ。リオンディーズ、サトノダイヤモンドに加えて今週のハートレー、さらに弥生賞でマカヒキでしょう?レーヴァテインやショパンといった超良血もダービーに出てきたらどうするんですか。2010年のダービーを思い出しますね。この時もエアグルーヴとレーヴドスカーの仔は出走していました。
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ハートレーはSir Gaylord≒Secretariat6×5・6・5、Promised Land5×7で、緩さが目立ってもおかしくないクロスを持っているのですが、それはまり感じさせず、力強ささえ感じさせるパワーを伴ったフットワークで走ります。
母父Congratsは10FのサンタアニアHやハリウッドゴールドCなどのGIで好走した中距離馬で、A.P.Indy×Mr.Prospector×Nothern Dancerと超一流種牡馬がズラリと並んだ配合をしています。4代母AdmiringがHail to Reason×Searching(父War Admiral×母Big Hurry←父Black Toney×母La Troienne!)で、TeddyやMan o'WarやDominoの米血パワーが非常に豊富な血脈です。A.P.Indyの父Seattle Slewの母My ChermerはStriking=Busher3×3なので、CongratsはStriking=Busher≒Searching6・6×5ともいえますね。キングカメハメハ産駒の兄キングリオがダート馬ですから、やはりこのパワーが優先して伝わっているようです。
母ウィキッドリーパーフェクトはCongratsの代表産駒の1頭で2歳牝馬GIのアルシバイアディーズS(ダ8・5)を制しました。Nearctic≒Heliopolis5×6・8・5・5と、ディープインパクトの母母BurghclereのHyperionやDonatelloに繋がるCanterbury Pilgrim血脈も多くクロスしてある点も底力強化という点で素晴らしいのではないでしょうか。
ホープフルSのパドックを見てもやはりパワーを感じさせるのが良いですね。パワーを伴った大きなフットワークという意味ではキズナを想起させるものがあります。こんなフットワークはなかなか見れるものではないだろうし、手塚先生が「今の時点ではこーしとか相手関係を気にするレベルではない」とコメントされているのも納得ができます。
スマートオーディンの母レディアップステージはGII時代のプリティポリーSを制し、GIオペラ賞では3着。父Alzao、Busted、Petition(父Fair Trial)とウインドインハーヘアと血統の共通項が多いです。
ウインドインハーヘアはLyphard産駒のAlzaoに母BurghclereがFair Trial5×5・5で、Fair Trial方面に特化してるイメージがありますが、レディアップステージはAlzaoにPetitionもあるのにHabitatも持つ(つまりSir Gaylordをクロスしている)ことが二兎を追っている感じで良くないのかな、という気はします。
東スポ杯は生で実馬を見てきましたが、レースでは明らかに外回り向きの走法で追い込んできているものの、マツクニ先生らしいガチッとした馬体で、ただマイラーとしてはしなやかな走りすぎるので、1800mベストのイスラボニータのようなイメージで良いのではないでしょうか。中間マツクニ先生は「体は全体に大きくなり、完成してきたなという感じ」というコメントを出しているんですよね。
リスペクトアースは4代母がFall Aspenらを産んだChange Waterで、3代母がそこにAllegedだからWar AdmiralやHyperionのクロス、自身はHaloクロスのマンハッタンカフェで、Allegedもクロスしています。Allegedのクロスですから力馬感がありますが胴が長いので広いコースで先行するのがベストでしょう。今の馬場状態を考えても今回は面白そう。
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【参考】
『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)
望田潤さんのブログ http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo
栗山求さんの連載「血統SQUARE」http://www.miesque.com/motomu/works.html
『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)