4歳上500万下

血統好きが大学生のころ書いていたブログ(今でもたまに更新)

ガンコ ~ ディアウインクの仔が天皇賞(春)に出走する歓び

金曜の夜、銀座を回って飲み足りず自宅でジャックダニエルを飲みながら書いている。高校~大学時代のように土曜の青葉賞出走各馬をあれこれ考察して論ずる気力はなくなってしまった。ただ、仕事の疲労を紛らわすために競馬へ熱を注ぐ可能性を感じている日々ではある。

 

さて天皇賞だ。

いくら3200mの長距離戦とはいえ、スタミナ順に決しないのが春の京都3200m良馬場の面白いところである。内枠で巧く立ち回れた馬――フェノーメノのように――が有利だ、などということはもう誰でも言えるので本当に個人的な心情を軽筆する。

 

ガンゴはいい。ナカヤマフェスタは母ディアウイクがHis Majesty2×4、タイトスポットデインヒル1×2ともいえる強烈な配合で、この配合はステイゴールドの配合のポイントでもあるから生まれた名馬であるが(ワークフォースと重馬場ロンシャンで叩き合ったあの凱旋門賞は伝説的だ。競走馬はGIを多く勝つことよりも、1度でもいいから桁外れの能力を見せつけることに魅力を感じる――エピファネイアのJCのように…)、ようやくこの名馬からGIで勝負になる馬が出てきたと思うと感慨深い。当然だ!という気持ちと歓びが交錯している。

ナカヤマフェスタは重厚さを伝えるからTom Fool的軽快さを増幅している産駒が活躍している。ガンコもTom Foolを増幅しているのだがデインヒル≒Polishi Precedent 4×3とHalo4×4の調和が妙。

日曜新潟5R(芝1600m)の新馬戦は11番人気、ナカヤマフェスタ産駒のグリトニルが差し切りました。ナカヤマフェスタは母ディアウィンクが、その母父デインヒルの血統構成を極限に増幅したすごい配合馬で、それらしいパワーを武器に2010年の凱旋門賞では歴史的な不良馬場の中ワークフォースとの叩き合いを演じました。

産駒もやはりこのパワーを増幅した馬が走る(=だからダートでの勝利も多い)のかな、といったところ。面白いのは現3歳世代で母にヘクタープロテクターを持つ馬は3頭いて、全てが勝ち上がっているのです。グリトニルは母母父がWoodmanヘクタープロテクターの父)で、相性の良さを物語っていますね。しかし、母が馬群を嫌う気性を伝えるAureole5×6・5というクロスを持つので、これには注意したいところです。今回も大外に持ち出してから勢い良く伸びてきました。とはいえ、ステイゴールド系の新馬が荒々しい勝ち方をすると大物を期待してしまいますね~。

サトノキングダムやらドウディやら… - 4歳上500万下

Haloは軽やかなスピードで日本向き――とは良く言われることで、マンハッタンカフェなんかは欧州的重厚さをHaloで中和するというイメージがありますが、これも突き詰めればTom Fool増幅なのです。

derby6-1.hatenablog.com

ビートブラック的に中長距離戦線で唯一無二な存在になってくれたらと思っている。

 

シュヴァルグランの地力&鞍上とレインボーラインだと思っているがどうなることか。後者のこの成長ぶりについても当日までに簡単に述べなければならないなぁ。

エポカドーロ ~ 母父フォーティナイナーでもFair TrialとDonatelloをガッチリと増幅、その母父もあらゆる面でプラスになっていた。

エポカドーロ。母父フォーティナイナーがクラシックを制したというのが「うーん」という感じですが、母母サンルージュはFair TrialとDonatelloを3本、特に4代母Cairn RougeはFair Trial4×4、Donatello5×4

この増幅はステイゴールド×メジロマックーンが成功した理由でもあるわけですから、いくら母父がフォーティナイナーだとしても残りの部分はこれくらいしっかりしています。

そのフォーティナイナーも明確な1/4非Northern Dancerになっていますし、上述した重厚なスタミナを活かすためにフォーティナイナーの前向きな気性とスピードが活きているという見方もできます――ウインドインハーヘアLyphardのスタミナを活かすためにサクラバクシンオーが必要だったキタサンブラックのように...

また、岡田牧雄さんは筋肉量面でもプラスなんてことを言っていたとか。

後ろはスローでしたからオウケンムーンあたりも悲観することはないと思うのですが、距離適性的にもダービーではキタノコマンドールが人気になりそうですね(^^;)

皐月賞短考

大学を卒業し、競馬とは関係ないが文章を書く仕事に就いた。ちょうど締め切り間際で忙しいが、休憩がてら皐月賞を考えてみたので簡単に記しておく。

 

ワグネリアンマカヒキ的、早熟の2000ベストで春二冠で好走できるタイプだろう。

ステルヴィオは大箱1800がベストだろうから小回り2000の外枠でどうか。

オウケンムーンジャングルポケットにエリシオだから、ジャングルポケットがNureyevでトニービンの斬れの源であるHornbeamを増幅したのを、エリシオ(父Fairy King=Sadler's Wells≒Nureyev)でやっている。これまでの競馬振りからも重厚斬れなので、中山よりは東京だ。

ちょっとここで頭に浮かんだのはゴールドシップだ。彼は持続力の王様で、走法的には大箱向きだが、皐月賞有馬記念も究極の持続戦になった(強引に持続戦に持ち込んだとも言える)から勝利した。しかし、能力の違いで明け3歳冬には、不向きなはずの東京1800スローの共同通信杯も勝っている。

オウケンムーンがゴールドシップ級とは言わないが、今年の相手ならそういうことがあってもおかしくないのではないかとも思う。逆にダービーがスローになったらゴールドシップディーマジェスティ的アドミラブル的遅刻(=エンジン点火が遅く脚を余して負ける)もあるんだろう。

ジャンダルムマイラーらしい小脚を活かしてコディーノ的3着が限界か。

グレイルは3歳春の東京1800(共同通信杯)で凡走するのは当たり前で、そこを悲観する必要は無い。Hornbeamを増幅してトニービンシュヴァルグラン的斬れとデインヒル+Roberto的ディーマジェスティ的小回り向きパワーも感じさせる馬。問題は昨秋からの成長力だ。スワーヴリチャード級なら本格化前も勝負になるのだがそこまでの馬かどうか。※まぁでもどちらかといえばデインヒル+Roberto的パワーが強いか。ならば舞台は合うはずだが。

同じハーツクライでもHornbeamを増幅しておらずRoberto的パワーで走るのがタイムフライヤーだ。まさに皐月賞タイプで、巻き返しは必至に思えるが。

それとダブルシャープは道悪もプラスだろうし人気以上には走る気がする。

今週の3歳戦短感

久しぶりに少し時間を掛けて競馬を考えていた。

あすなろ賞を逃げ切ったオルフェーヴル産駒エポカドーロは好きな配合だ。戦法を見てもフォーティナイナーの前向きさが出ているし、走法を見ても明らかにTom Rolfeの影響で肩が立ったピッチ走法である。しかしこの馬の妙は母母サンルージュがBold Lad(IRE)を持ち(Bold Ladの母母Fair AlyciaはAlycidon×Fair Trialというすごい配合!)、さらに母母Cairn Rougeがピットカーン産駒でFair Trial4×4、Donatello5×4であるということだ。ステイゴールド×メジロマックイーン×ノーザンテーストを更に増幅した唸れる配合である。こういう馬がクラシック戦線に居てくれると面白いものだ。

 

共同通信杯オウケンムーンジャングルポケットにエリシオ、つまりNasrullahHyperionを増幅してトニービンを再現している。それらしく後躯で走るから直線が長く急坂があるのが良い。

サトノソルタスは、Burghclere≒Tropicana3×5のディープで、母のNorthern Dancerクロスはないが母父がLa Troienneパワー豊富だからPOGのころから注目していた。体質の弱い血統なので不安だが、賞金加算はさすがだ。

グレイルシュヴァルグランNasrullahHyperion斬れというよりはRobertoが入るのでタイムフライヤー的なパワー寄りのハーツクライにみえるが、この時期に先行できる力が付いていないということが分かった。タイプは異なるが昨年のスワーヴリチャードと比較してみればよい。

それはそうと、今まではジャスタウェイヌーヴォレコルトワンアンドオンリーやスワーヴリチャードのような配合で走っていたのに、同じ配合型とはいえないRoberto持ちのタイムフライヤーに続いてグレイルまでトップホースになってしまったら一流種牡馬を超えてディープのようなスーパーサイアーということになってしまう。これまでをみるとハーツクライは素晴らしい種牡馬だがスーパーサイアーではないので、そういう大局的視点からみてもグレイルは大物ではない、つまり古馬になってもジャスタウェイシュヴァルグラン的覚醒はしないのではないか、とみている。

 

と、もうここらで集中力が切れてしまう。もうすっかり競馬脳ではなくなったのだなぁ。クイーンCも考えていることはあるが気力が続かないので回顧を書きたくなったら書くことにする。

ハッピーグリン

セントポーリア賞を美しく差し切ったハッピーグリン(こういう良い意味で簡易な馬名は好きだ)はローエングリン×アグネスタキオン

 

ローエングリンはMill Reef5×3であって、Mill ReefとはNasrullahHyperionPrincequilloとCount Fleetであって、NasrullahHyperionという点ではアグネスフローラと呼応し、NasrullahPrincequillo(ナスキロ)という点では4代母Gold Beautyと強く呼応する

いずれにせよ、ローエングリンMill Reef的な要素が発現しているのは確かで、いかにも東京の中距離は合っていたなぁという走りをしていた。最近の馬でいえばまるでサトノクラウンのようであった。