カデナ vs スワーヴリチャード vs レイデオロという構図で固まったかなぁ。しかしカデナもディープ産駒の典型配合、マイスタイルは天才横山典弘騎手の「先行馬が揃っているなら自分が行ってスローに落としちゃう」という騎乗でしたがハーツクライの典型配合ではありました。
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金鯱賞はルージュバック・ステファノス・ヤマカツエースなどGIで好勝負してきた面々が集まりましたが注目しているのはナスノセイカン・アングライフェン・ヒストリカルの3頭。
ナスノセイカンはハーツクライ×ホワイトマズル×タイトスポット(His Majesty×Lyphard)でLyphard4×4・5、母母ナスノフローラはHis Majesty=Graustark2×3というディアウィンクばりのすごい配合でどこからどう見ても晩成。陣営は「末脚を活かす競馬でどこまでやれるか」とコメントしていますが、「末脚を活かす競馬」しかできていないということは本格化手前であり、前受けしてこの血統のスタミナを活かす競馬ができるようになれば目黒記念やアル共くらいは持っていってもおかしくない馬でしょう。
アングライフェンは母母シネマスコープ(トランセンドの母)がHyperionとSon-in-Law~Lady Jurorが豊富で、パントレセレブルを配された母レッドスレッドはNorthern Dancer3×5、ステイゴールドとの相性は悪くないだろうとずっと注目していました。母のパワーを受け継ぎピッチ走法ながら大箱東京2000のアメジストSを楽勝した時に本格化かと思いましたが昨年は重賞ではもうひとつの競馬が続きました。ところが前走でサトノクラウンから0.3秒差の5着と好走。5歳の春にいよいよ覚醒の時を迎えたかと想い今年大注目です(といってもステイゴールドの配合としては100店ではないので「ローカル重賞は獲れる」程度の期待)。
◎アングライフェンは、母母がトランセンドの母シネマスコープで。この牝系はHyperionを豊富に持つのでマイネルラクリマなど成長力がある。肩が立っているからタフな馬場は巧いはずだし、得意な馬場状態だったとはいえ、前走の勝ちっぷりは本格化を思わせた。開幕週の中京は昨年の当レースのように前残りになることが多いし、スロー必死のメンバー構成からも一気の重賞制覇に期待したい。
ヒストリカルは半兄カンパニーのようなサクラアンプルールのようなピッチ走法ですが大箱向きというタイプ。それでもノーザンテーストの成長力が昨年からみられますし今年はずっと注目しておきたいです。3歳春に重賞で好走していたのでもっと成長すると思ったんですが、ディープ×ブリリアントベリーはこの辺までなのでしょうかね。
ルージュバックは最内枠が懸念、プロディガルサンの前走は「超スローのマイル戦で中距離馬の斬れが活きた」という典型例で2000はOK、ヤマカツエースはKingmambo≒Ameriflora2×2という配合で「もうGIIならいつでも好走可能」という昨年のサトノノブレス的ポジションにはなっている予感。そのサトノノブレスも当然好勝負可能ですが。
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アネモネSは「現状は中山マイルがベスト」と陣営もコメントしているように、スズカゼのアネモネSというのはずっと言ってきましたので好走してほしいです。
中山6Rの3歳500万(芝1600m)、配合的に注目しているのはウィンドライジズとスカルバン。ただどちらも本質的に中山マイルには疑問符(流れや馬場状態次第ではありますが)
ウィンドライジズはボールライトニングと同じダイワメジャー×テンビーという成功配合ですがやはりボールと同じようにストライド、スカルバンもレッドスパーダらと同じCaerleon≒Storm CatですがNijinskyの影響下胴長ストライドなのでレッドスパーダ同様東京1400がベストに思えます。
中京5Rの未勝利(芝1600m)で初出走するマンディは好みの血統。母マンドゥラはマンデラ(ディープインパクトの傑作ワールドエースの母)の半妹なので、母母MandellichtのBe My GuestやAcropolisでBurghclereを増幅。マンデラのディープ×AcatenangoもニックスですがマンドゥラはDanehill Dancer産駒なのでデインヒルとBe My Guest経由のNorthern Dancer4×3というのも悪くないと思うんです。とはいえ、やはりこのような重厚な配合(しかもHaloのスピードを増幅していない)というのは日本では開花しにくい(特に牝馬だとなおさら)ですからね...
中京2R、ヒシマサルはもうダートですか。古馬になったらオープンには行けると思っています。
中山9R館山特別ではサトノキングダムが復帰。中山2000はどうかですが圧倒的な能力で突破してもらいたい。
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【参考】
『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)
望田潤氏のブログ 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog
栗山求氏の連載『血統SQUARE』http://www.miesque.com/motomu/works.html
『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)