先週の競馬私感&宝塚記念週初展望
日曜は駒澤公園のオクトーバーフェストに行っていたんですが、昼から終電まで飲みっぱなし、月曜日は二日酔い&発熱で、本当に救急車を呼ぼうかと思いました。何とか復活しましたが、痛い目にあったので当分は飲み過ぎることはないでしょう(笑)
日曜東京5Rの新馬戦は人気に応えてディープ産駒のサトノクロノスが快勝。母父がCourtly Dee直仔のトワイニングで、母母がBold BidderとSir Gaylordを持ち、母自身はWar Amiral4×5、柔らかさとパワーのバランスでは及第点だろうということでPOGでも迷ったくらいです。
2着には、タートルボウルのファストソレルが粘り込んでくれました。母母ファストフレンドは帝王賞と東京大賞典を制した名馬で、Hyperion5×6・5、ファストフレンドの母ザラストワードはノーザンテースト産駒で、その母グロリアウエーブがPalestineとCourt Martialを通じるFair Trial4×5
グロリアウェーブ→ノーザンテーストでLady Juror+Hyperion、さらにそこに母父テスコボーイ(母父Hyperion)のアイネスフウジンを配されたのがファストフレンドですから、母系の配合ベースはHyperionとLady Juror、「ハイインロー」と推測できます。
タートルボウルはAbernant≒Court Martial6・7×6・6、Fair Trial8×8・7であるから、ハイインローベースの肌馬との仔でも結果を残せたといえるのではないでしょうか。
産駒のGI馬2頭はどちらもヴェンチアのクロスを持っているから、他ではRelic6×8となるのも無関係ではないかもしれません。
そういう点でみれば、土曜の阪神で勝利したシーハリケーンだって、母ホーカーハリケーンは、その父がHyperion7・5×4、Lady Juror7・8×6でSS産駒の中では粘着力に富むネオユニヴァースで、母系にはCourt Martialもあります。
シーハリケーン自身にすれば父のAbernant≒Court Martialを継続しているし、母母のSir Gaylord≒First Feather3×3のTurn-toとPrincequilloによるニアリークロスを呼び起こして、Sir Gaylord≒First Feather6×5・5としているのも良いのかもしれません。
ここまでタートルボウル産駒は1勝、2着1回となかなか優秀。個人的に好配合馬といえる馬はまだデビューしていないので本当に楽しみです。
東京6Rの新馬では、クロフネ産駒のアエリロットが我がコンデュイットのダイイチターミナルを抑えて快勝。母はネオユニヴァース×NureyevでHyperion凝縮の良血馬、長い目でみていきたいタイプです。
ダイイチターミナルは高精度のHopespringseternal≒Terlingua4×4、コンデュイットの歴史を変えてほしい。
ユニコーンSはゴールドドリーム
さすがに前走の兵庫チャンピオンシップは、勝ったケイティブレイブが深い砂と小回りグルグル適性が高すぎるだけに器用に逃げ切られましたが、Nureyev≒Number3×4、小回りで大きくパフォーマンスを落とすことはなさそうだし、これから古馬との戦いでは東京だと2、3着という競馬が多くなりそうなタイプだなとさえ感じました。
函館スプリントSはソルヴィグ
この日の函館芝は時計が速く圧倒的な前有利。Goodfed牝系で、Caerleonの影響か肩が立っていて立ち回りは巧く、Goofedにジャングルポケット(トニービン×Nureyev)の母アスドゥクールですから、突き詰めればダイワスカーレットと同じ、スカーレットブーケ+Lady Jurorともいえます。
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さて今週はいよいよ宝塚記念ですが、今週の天気を見ると道悪開催が濃厚。マリアライトあたりの人気がぐーんと上がってきそうですが、この強力牡馬たちをねじ伏せるまで走れるかというと疑問。
基本的には4歳勢は相当ハイレベルで、2200mであれば、リアルスティールとキタサンブラックをチェンジした「新・4歳4強」での決着が濃厚というスタンスでいきたい。
ドゥラメンテに関していえば、左手前が活きる右回りならば世界最強だと思っているし、トニービンというのはどちらかというと後駆で走るから道悪をそこまで苦にすることもない。
アンビシャスは配合的には明らかに、ジェンティルドンナやマカヒキのように、究極の瞬発力型ではないので馬場が渋った方がパフォーマンスが上がるタイプではある。それなのにも関わらず、上がり勝負だった天皇賞や大阪杯のパフォーマンスをみせられては、潜在能力的にはドゥラメンテに次ぐものがあると感じる。今回は馬場的にも上がりが掛かるだろうし、引き続き前受けする可能性が高い騎手であるから実に楽しみだ。
キタサンブラックは、こちらが思っている以上にBurgcreleのスタミナが発現されているのかもしれないけれども、あのフワッとしたスピードの乗りをみるとどうしてもステイヤーとは思えないし、それならば距離短縮自体はプラスなのかもしれないけれども、今年の牡馬クラシック路線もそうだったように、距離と求められるスタミナは比例しない。ただメンバーを見る限り極端な流れにはならなさそうなので、大崩れもないのだろう...。(あ、また田辺騎手の逃げはあるかも...?)
サトノクラウンは道悪適性は京都記念を見ての通りだが、体質の弱い馬で、京都記念→QE2の道悪2戦明けとなるとやはり体調面での不安は残る。ドゥラメンテ、アンビシャスと比べても成長力という面で見劣る配合でもあるか。
ラブリーデイの、道悪で、早めに先頭に立ち過ぎたQE2での4着は評価しなければならない相当強い内容だが、どうも旬の短いタイプに見えてしまうし、ドゥラメンテ世代が最も脂がのるであろうこの年に彼らよりも評価できるかというと厳しいものがある。
4歳馬という点では、シュヴァルグランにも触れないわけにはいかない。ハーツクライ×ハルーワスウィート、良血過ぎて、綺麗すぎて、欠点が少なすぎることが欠点という印象。何でもできるけど勝ち切れない、サトノダイヤモンドのようなイメージがある。
右回りのドゥラメンテを書き続けた身としては、きっちり勝って渡仏してもらいたいとも思うし、サトノクラウンの血統に、配合の奥深さを学んだ身としてはダービー、天皇賞に引き続いてサトノクラウンでいかなければとも思うし、アンビシャスも配合のギャンブルに勝った馬で、彼がGIを勝つときも◎を打っていたいという気持ちもある...。
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【参考】
『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)
望田潤さんのブログ http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo
栗山求さんの連載「血統SQUARE」http://www.miesque.com/motomu/works.html
『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)