4歳上500万下

血統好きが大学生のころ書いていたブログ(今でもたまに更新)

中山記念展望 ~ ドゥラメンテの左手前とアンビシャスの可能性

いやぁ~、いよいよドゥラメンテが復帰ですか。同厩舎のサトノクラウンが復活して、リアルスティールもアンビシャスもここに集結。この四天王は世界のどこにいっても勝負になりそうな馬で、本当に日本競馬は層が厚いなぁと思いますね。

土曜のアーリントンカップは、POG馬2頭出しなんです。アーバンキッドマディディです。この2頭はそこまで人気していた馬ではない(特にマディディ)ので嬉しいですね。アーバンキッドはかなり好勝負出来ると思うんだけどなぁ。

 

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ドゥラメンテは「Hornbeam≒パロクサイドの野太い斬れ」という望田先生の表現が秀逸すぎて、ダービーでは「祖母と同じく府中の直線で、本当に血統通りの走りをしてるぅぅ。すごいぃぃ!」と思いながら、スタンドで号泣してました(^^;)

derby6-1.hatenablog.com

 

ただこのドゥラメンテは、左回り<右回りだと思うんですよね。通常、左回りでは道中「左」手前、直線を「右」手前で走るはずです。右回りではその逆。

未勝利戦やセントポーリア賞では、残り1Fくらいまで「右」手前で走り、そこから「左」手前に手前を替えてさらに脚を伸ばしました。

皐月賞では、道中「右」手前で走るので、得意の左手前を温存することができます。だからこそ温存していた「左」手前で走る直線であのとんでもない爆発力ある末脚を使うことができたのではないでしょうか。

ダービーでは、少しサトノラーゼンに接触した2分4秒地点、残り375mあたりで左手前に替えたと思うんですよね(違うかも、でもそう見える...)。そこからドッカーンとまた突き放しました。

となると、ベストは左手前で持続力を活かせる「直線の長い右回り」で、だからこそ凱旋門賞の舞台(今年はシャティン)はベストパフォーマンスを出せる条件だと思うんです。

今回に限っていえば、「距離もやや短いし、直線はもっと長い方が良いけれど、「右回り」というだけで爆発力の違いで11頭をアッサリ差し切れるかどうか」というのが見どころなのではないでしょうか。

皐月賞で前有利な馬場状態で、リアルスティールやサトノクラウンを相手にしなかったのですから大丈夫だと思うんですが...

 

ドゥラメンテはとんでもない大物ですが、伸びしろを考慮すればアンビシャスもすんごい馬なはずです。

血統をみると、パワーとスタミナを伝える母父エルコンドルパサーに、母母カルニオラは1990年の凱旋門賞を制したSaumarezと3/4同血(父Rainbow Questと母母Fiesta Funが共通)で、欧州的な重厚な血統といえます。

それでいて、重々しさを感じさせない馬体、軽やかなフットワーク、前向きな気性の持ち主。本来であれば、ズブくて重々しいタイプに出ても良いはずなのですが、それは神のみぞ知る世界、ギャンブルに勝ったということで、この字面の血統から逸脱したものが発現しているというのは大物と共通していることです。

母はHyperion8・8・7・8・7×9・7・8・5、Nasrullah4×5だから、形としてはドゥラメンテと同じNasrullahHyperionの斬れになっているともいえるでしょうかね?

天皇賞は誰がみても強い競馬、気性的な面でむやみに短距離を使うのではなく、しっかりと2000m以上を使っていってほしいなと思います。内1800という条件は、ラジオNIKKEI賞を制しているとはいえ、あれはルメール騎手の神騎乗と能力差によるものが大きいので良くはないですよね。

derby6-1.hatenablog.com

 

リアルスティールは、走りをみても馬体を見てもパワータイプで、内1800という条件はベストに近いはずです。同世代が相手、そして福永騎手の好騎乗があったとはいえ、菊花賞2着というのはさすがだなと思いました。4歳3頭の中ならこの馬じゃないですかね?(ただドゥラメンテが化け物すぎるんだよなぁ...)

 

ロゴタイプはもちろんベストの舞台。同世代のライバルだったキズナエピファネイアがスタッドインしましたから1番頑張ってほしいのはこの馬です。

 

イスラボニータは世代No.1だと思うし、距離もベストですが、内1800という舞台でリアルスティルやロゴタイプに先着できるイメージはないですよねぇ。

 

ドゥラメンテ、アンビシャスの器を取るか、リアルスティールのコース適性を取るかという1戦な感じです。他の馬はやっぱり1枚落ちる気がします。いやぁ~でも今回は右回りのドゥラメンテが楽しみだなぁ、終わってみて「やっぱりあの馬とんでもない」ってなってほしいですね。

 

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【参考】

『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)

望田潤さんのブログ http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo

栗山求さんの連載「血統SQUARE」http://www.miesque.com/motomu/works.html

『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)