4歳上500万下

“血統表”と“現実”のすり合わせ、“競走馬の個性”の解釈

第82回日本ダービー回顧

去年も同じことを思っていたんだろうけど、やっぱりダービーにかなうレースは無いな、というのが率直な感想です。ドゥラメンテに特別な思い入れがあるわけではないのですが、1レース前の拍手や本馬場入場でもうるうるしてしまい、ゴール後はもう富嶽賞くらいまでずーっと涙が止まりませんでした。配合通り、血統通りの走りをドゥラメンテが見せてくれて、「何百年積み重ねてきたものが今目の前で体現されている!」と思うだけで、競馬ってすごいな、出会えて良かったなと思いました。やっぱりこの瞬間のために1年生きていると言っても過言ではなくて、そこに競馬の、大げさに言えば自分の全てがある、という感じでした。前々日も2時間前睡眠で、前日はオールだったため帰宅後は14時間睡眠を達成。ともにオールで観戦した、仲間たちもお疲れ様でした。

 

ドゥラメンテは前から「トニービンの再現性が高い」と思ってきました。トニービンらしさとはハイペリオンナスルーラによる柔らかいけれど重厚な斬れで、それは母父ホーンビーム(ハイペリオン×ナスルーラ)によるものが大きく、エアグルーヴの3代母パロクサイドもハイペリオンナスルーラを持ちホーンビームに近い血統構成。ドウラメンテのトニービンの再現性の血の主導は明らかにホーンビーム6×5によるもので、間にサンデーを挟み反応の良さもアップしたといえます。広い東京の中距離で重厚な斬れを見せつけてくるのだろうと思っていました。

 

もう1点ドゥラメンテで言えることは、左手前の方が得意かもしれないということです。過去の東京戦では直線、右手前で走っていて残り1Fから左手前にチェンジし、またグンと一伸びしました。右回りは直線では左手前になるので、皐月賞であれほどの爆発力を生むことができ、直線右手前で走る東京では右回りほどの末脚の威力は発揮できない可能性があり、ドゥラメンテを負かすとすれば左手前に替わる前に抜け出しておくしかない、と思っていました。しかし、4角の後で少し右手前で走っていたものの直線では終始左手前で勝ち切りました。同じく終始左手前でオークスを圧勝したジェンティルドンナを思い出します。

 

皐月賞でもそうだったように、コーナリングでの手前の替え方がスムーズでないことだけが難点で、それさえ上手く出来るようになればむしろ左手前だけでゴールするという点においては「直線の短い右回り」は良い条件かもしれません。いずれにせよ、凱旋門賞は非常に楽しみですね。ニエル賞だと中2週になるし、札幌記念で1回短縮するのも少し怖いし...とまだ凱旋門賞と決まったわけではありませんが。

 

サトノラーゼンは内枠を最大限に活かしました。ディープ×ロベルト系の初めての重賞勝ち馬です。インティカブはスノーフェアリーを輩出しているように、高速決着にも強く、それはインティカブの4分の3がアメリカ血統であることが影響しているかもしれません。とは言っても母母父がカーリアンで結構ストライドは伸びる。けれどもロベルトだから小回りもこなす。それが逆に勝ち切れない要因になっているとは思いますね。

 

本命のサトノクラウンは3着。よくやってくれました。出負けしましたがそれは仕方ないです。サーアイヴァーとラストタイクーンの柔らかな斬れは明らかに東京向きで、ドゥラメンテを負かすには好位差しに転じた場合のクラウンしかない!と競馬場でみんなに話していました。が、ここまで速い流れだとどうやっても勝てなかったでしょうね。当然秋天が楽しみです。

 

リアルスティールはある程度速い流れが予想される東京2400では厳しいと思っていて、それは①Mahmoudさんご指摘の「前に馬がいないと進んでいき、いないと少しズブくなる」というこの馬の本質がある中で、距離延長の外枠であること、②母系のマイラーさが出ていて、反応力が高い=東京の2400は本質的に長く、2400ならばスローでないと厳しいという2点からでした。仕上げも100%ではなく100.0000001%だったんでしょうか。掛かっていたのもそうですが、今日の流れでは先行していても厳しかったはずで、むしろこの流れで差して4着なので、やっぱりかなり強いなと思っています。2000ならば展開不問で、2400だとスローが良いというジェンティルドンナ的な馬なのでしょうか。

 

超疲れていたこともあったんでしょうが、あそこまで我を忘れてというか、無になれる瞬間というのはなかなかないですね。本当にあの「特別な感じ」はダービー独特のものです。やっぱりダービーだけは特別でした。また新たな1年が始まります。

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