4歳上500万下

“血統表”と“現実”のすり合わせ、“競走馬の個性”の解釈

《東スポ杯ミニ回顧 / 2歳戦 / マイルCS》Mikki Wine

東京スポーツ杯2歳ステークス [GIII]

 ◎5.トラスト

〇6.ブレスジャーニー

▲1.ムーヴザワールド

△9.スワーヴリチャード

★7.ジュンヴァリアス

 

人気馬は、A群:ムーヴザワールド・スワーヴィリチャード/B群:トラスト・ブレスジャーニーに大別できる。
A群は父がサンデー系の中長距離馬で、母父が中距離馬という配合系で、ポテンシャルではB群を上回るが完成度では劣る。B群はその逆である。
▲ムーヴザワールドの新馬戦は、ラップ的には2着エアウィンザー有利で、瞬時の反応ではエアに劣っていたがそれでも勝ち切ってしまったあたりに大物の相がある。ただ新馬重賞連勝できるかというと疑問符が付く。
△スワーヴリチャードもピラミマの仔らしい柔らか体質だが素人目からみてもトモに緩さが残る。ジャスタウェイシュヴァルグランマジックタイムのようなハーツクライ産駒らしい成長曲線を描いて大成する馬だと思うが、やはり2歳重賞となると疑問である。右にもたれるので左回り&長直線替わりはプラスだ。
◎トラストはマイラーである可能性が高いと思うが、3歳春までの1800重賞はマイラーが、2000重賞は「長めマイラー(1800ベスト)が、2400重賞は2000ベストの馬が好走しやすいし、レベルの低い年はマイラーor長めマイラーがダービーでも好走することが良くある(Ex:スマイルジャックイスラボニータ)から、少なくともここは好評価したい。
〇ブレスジャーニーは、母父タニノギムレットの母タニノクリスタルと、母系に入るガーサントにより父の持つLe Fabuleuxという仏血を増幅させた配合で、仏血らしい切れ味がある。2000となると未知数だが1800なら問題ないだろう。
◎〇、どちらを上位にとるか迷ったが、現状トラストはマイラー、ブレスジャーニーは1800ベストという解釈なので、「東スポ杯=1800のスロー=マイラーの土俵」という理屈で前者を上位とした。

 

ブレスジャーニーは、タニノクリスタル(タニノギムレットの母)が持つRialto(Sicambreの母父)、ガーサントの持つLa Farina、Pretty Polly(=Sind)が、父バトルプランが持つLe Fabuleuxと脈絡します。このフランス血脈特有の斬れというイメージで、1800がベストの長めマイラーという解釈でいます。

低レベルの年であれば、ペースが向けばイスラボニータが2着できるのがダービーですのでノーチャンストはいえないですね。

父サンデー系中長距離馬×母父中長距離馬のムーヴザワールドスワーヴリチャードは2歳の秋にこれだけ走れれば将来は明るいです。あとは3歳春に成長するか、夏を越えて成長するか。しかしあまりレベルが高いとは感じない今年の2歳世代なので、クラシックも勝負になるかもしれません。

トラストは距離は1800で良いんだけれど、1800なら内回りの方が合っているタイプですね。札幌2歳は強行軍で勝利したことは評価しますが、流れもかなり向いていましたし、レベルも高いとは思えません(これは今年の2歳牡馬戦全てに言えることだが)。

うーん、でもやっぱりスワーヴリチャードも「ムーヴザワールドもタンタアレグリア的ダービー掲示板争い」程度で夏を越えて爆発...というの方が想像し易いですね。

 

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土曜京都4Rの未勝利を制したアドマイヤプリヴは、モンローブロンド(アドマイヤベガ×ソニンク)にルーラーシップなのでトニービン3×4(Hornbeam≒パロクサイド7・5・5×6)、Mr.Prospectpr4×4、Nureyev5×4という相似配合

モンローブロンドはHalo≒Moonscape3・4×4ですが、やはりトニービンとパロクサイドとNureyevが絡んでいるからか、あまりコーナリングの巧さ、瞬時の反応というものは感じませんませんでした。

そんな中、内回りマイルを制したことは評価できます。ちょっと注目。

 

京都6Rの新馬戦では、先週息子が武蔵野Sを制したキングカメハメハ×Nureyevで3代母もHyperion4・4×3・3という屈指のHyperion塊名繁殖牝馬タガノレヴェントンの仔、タガノヴェローナがデビュー。クロフネHyperionは非常に相性が良いので期待していましたがしっかり2着。晩成の血統ですのでいつかダートは重賞を盛り上げてもらいたい。

Hyperionといえば京都最終で3着だったスマートカルロスの母シュガーキャンディもトニービン×ノーザンテーストという「正統派Hyperion塊」で筋が通った牝系。今ならもうマイルでも良いかもしれません。オープンまで出世するでしょう。

福島8Rを勝ったタガノガジュマルの母タガノシャルマンはトニービン×Danzig、母系の奥にTudor Minstrelなので、HyperionとFair Trial(←Lady Juror←Son-in-Law)を増幅しているという点は、トニービン×Nureyevとおなじようなことをやっていますよね。

シュガーキャンディもタガノシャルマンも重賞馬を出しておかしくない繁殖牝馬だと思います。

 

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今日は2歳戦でも特別な注目馬も少なく...

東京3Rのオーシャンティは、好メンバーが揃ったオンリートゥモローの新馬戦の3着馬で、ダノンシャンティ×リングレッド(=エアグルーヴ)ですな。

東京5Rの新馬戦のミッキーワインは非社台系ダイワメジャーPOG(10頭持ち)指名馬

母ウエスタンダンサーは08年の京阪杯など通算6勝の活躍馬、デヒア産駒なので、その母Siter Dotを通じてナスキロ+Tom Fool的な血を取り込むことができます。昨年はボールライトニングが結果を残しました。また、オペラハウスが入るのはメジャーエンブレムと同じパターンで、その母父High Topを通じて、Wild RiskやCourt Martialを通じてLady Angelaの増幅にもなっています。ウエスタンダンサー自身はNorthern Dancer4×4、Bold Ruler4×5、ある程度早熟さもありそうで走ってほしい。

赤松賞は桜まで突き抜ける可能性があるのはオンリートゥモローですが、Sir Catのクロスだからやっぱりちょっと緩さがあるようで、いってもラベンダーヴァレイくらいだろうというのが新馬をみての感想。昨日もメローブリーズが勝ちましたし、この時期ならドゥモワゼルくらいスピードがあるタイプの方が良いのかもしれません。

 

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マイルCSは、ディサイファサトノアラジンロードクエストヤングマンパワーイスラボニータネオリアリズムガリバルディも、本質的には1800ベストの長めマイラーなのですが、近年のマイルGIは58-34.5くらいのレースのなるため、本質的なマイルとは違う中距離馬の斬れがモノをいうレースになっています。ミッキーアイルがいて57.5-35質になるのかどうか。

ただサトノアラジンだけは、馬場が乾いて内伸びは嫌なのは確かですが、母のStorm Bird≒Nijinsky3×2のパワーが発現してきた感が強く、段々と長めマイラーの中でもマイラー寄りの部類に入るのではないかとも思うようになりました(追い込みの時点で生粋のマイラーではないが)。

「その距離を得意とする馬」という、「マイラーやスプリンターの定義」が変わってきているわけではなく、マイルとスプリントのレース質が変わったということ。それでも今年のヴィクトリアマイルNHKマイルのようなレースもあるのでどうなるかは分かりませんが。

人気薄だとテイエムタイホーウインプリメーラクラレントあたりの前残りと、Alzaoダンシングブレーヴサトノルパンのもう1発は考えられます。

が、この秋は出たとこ◎で行こうと思っていた名血も悪くない条件が揃ったようなのでそれでいきます。

 

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【参考】

『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)

望田潤さんのブログ http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo

栗山求さんの連載「血統SQUARE」http://www.miesque.com/motomu/works.html

『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)

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