《回顧》朝日杯FS ~ こういうマイラーが出現する度に分かる、ジェンティルドンナの凄さ。
朝日杯フューチュリティステークス [GI]
◎8.ダンビュライト
〇13.ミスエルテ
▲15.レッドアンシェル
△18.トラスト
★10.モンドキャンノ
〇ミスエルテはFrankelの持つMiswakiだけを増幅させた、先週のソウルスターリングとは違うタイプでマイル以下で斬れる。しかし気性的な難しさがあり 3戦目/距離延長ローテ はプラスとは言えないし、ファンタジーSのレベルも疑問で付け入る隙は十分にありそうだ。
外回りのマイル戦で、中距離馬の斬れを重視するならば◎ダンビュライトとなる。
Rivermanを持つルーラーシップ産駒で、クリソプレーズ(マリアライト/リアファルの母)と同じキャサリーンパーの牝系なのでパワーが豊富。サウジアラビアRCは左にヨレた際にブレスジャーニーの一瞬の斬れに屈したもので、この部分は継続騎乗となるルメール騎手が巧くやってくれるだろう。中京と東京、左回りの直線半ばで右手前に戻した時の爆発力はドゥラメンテを彷彿とさせるものがあり、彼と同じく右回りが大得意な可能性もある。
▲レッドアンシェルと△トラストは内枠が欲しかったが、レベルが高いとは思えない今年のメンバーならば好勝負可能、★モンドキャンノはスプリンターなのでごまかしの効かない外回りのマイル戦では先週のレーヌミノルのように3着までが精一杯とみる。
いくら「団栗の背比べ」と揶揄したって、やはりクラシックへ繋がる2歳牡馬GI、思うことは多いです。
サトノアレスはスターアイルを想起させる、デインヒル×米血の塊というサトノアマゾネスの仔で、ミッキーアイル(やケントオー)に似た手先の強さを感じます。ダノンプラチナやリオンディーズほどのしなやかさは感じさせませんが、やはり今年のメンバーであれば好勝負してもおかしくありませんし、枠なりに乗る四位騎手なので内枠なら要注目でしょう。社台F×藤沢和雄師という点ではソウルスターリングと同じ。
内枠が良いというのは、猛烈なピッチ走法だから瞬時に馬群を割れる反応の速さがあるだろう...ということで、8枠から、しかも枠なりに騎乗することが多い四位騎手で勝ち切る(=大外一気)のは厳しいだろうと考えていました。
距離は持って2000までだと思いますが、NHKマイルは春の東京ですので内枠天国になることが多く、この馬が内から抜け出し―ンは容易に想像できます。
望田先生がいうように、ディープインパクトという大種牡馬は、ムキムキ筋肉ゴリゴリマッチョ牝馬との配合でミッキーアイルやサトノアレスのような芝マイラーに、スタミナ&パワーうわぁ、なんかズブそう2600でも走りそう牝馬との配合でマリアライトやディーマジェスティのようにクラシックディスタンスの本格派に寄せてくる...
だからPOGで馬を選ぶときには、未勝利はないであろう馬を選ぶけれど、そうするとディーマジェスティなんかは選べないです。
そして、ミッキーアイルやサトノアレスが好走するたびに、本当は彼らのような馬になるはずだったのに、神の配剤でディープ譲りの柔軟な体質に加え雄大な馬格に恵まれ、クラシックディスタンスも余裕だったジェンティルドンナは、顕彰馬になるべくしてなったのだなぁと今なら分かる。
モンドキャンノもマイルであれば、加速力を活かしたいから末に賭ける競馬の方が好走しやすく、バルザローナ騎手はそれを分かっていたのか、ただ前走そういう競馬で好走していたからそうしたのか、スタートしてしっかりと意図的に抑えていました。昨年のリオンディーズと同じように直線に入ってすぐ右手前に戻していたので、左回りの方が得意そう...となるとファルコンSでの好走は間違いなし?
ボンセルヴィーソは非社台系ダイワメジャーPOG(10頭指名)の指名馬で、望田先生のブログを読んでいれば指名できてしまうんですが、面白いと思っていたのはHaloの増幅の仕方。
母バイモユリはRed God≒Up Spirits4×4という兄弟クロスを持っているのです。
そしてやはりダイワメジャー×サクラローレル×トニービンなら「京都スロー<阪神GIの流れ」でしょう。この好走を読めなかったのは母がトニービン×ノーザンテーストだったクロフネサプライズの時のように悔しい。
Frankelに関しては、馬のタイプ的にミスエルテが阪神JF、ソウルスターリングが朝日杯という感じでした。
クロウキャニオンは、ずっとカミノタサハラがダービーを勝っていたと思っていましたが、今思うと彼ははダービーを勝つにはちょっと本格派すぎる、軽さやスピードが足りないという感じなのかもしれません。
そういう点ではクリアザトラックはダービーはともかく、皐月賞くらいならチャンスはあるかもしれないと思うようになりました。1800のスローならリアルスティールのようにピッチで強いでしょう。
望田先生もベタ褒め。
ダンビュライトは、思いのほかルメール騎手が出していって馬群で揉まれてしまいました。良い負け方だったと思います。ちょっと中距離馬にしてはパワーがありすぎて前向き過ぎるところが難しそうです。もうマイルは使わないでほしいですが...
社台ファーム×藤沢和雄師の2週連続GI制覇、ミツバ(横山典弘騎手)といいサトノアレス(ムーア騎手)といい騎手で馬は変わるのかなぁ...と人を考えさせられた今週の競馬でした。
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【参考】
『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)
望田潤さんのブログ http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo
栗山求さんの連載「血統SQUARE」http://www.miesque.com/motomu/works.html
『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)