4歳上500万下

“血統表”と“現実”のすり合わせ、“競走馬の個性”の解釈

【マイルCS、東スポ杯回顧】速い脚がほしい。

マイルCSはもう2日も経ってしまったので簡単に。レッツゴードンキにとっては好騎乗で見事にスローに落としたため6着に粘ったのは好走といえる部類。レースの上がり(33秒8)が33秒台になったことは過去10年で1度もないから、いくら下り坂で惰性を付けれる京都外と言えども後方組はチャンスなし。

 

少しだけ思っていたことを、望田潤さんが完璧にまとめられていたので引用します。

サトノアラジンは4角では1~2着馬の直後、しかしそこから追い出して直線半ばまでの反応で見劣って少し離され、最後はジワジワ詰めてきたのでよく追い込んだように見えますが、あそこで1~2着馬ほどビュンと反応できないのは頑強マイラーではなくしなやか1800型だからで、それはしなやかな歩様でパドックを周回していたイスラボニータにもいえること

 

けっきょくモーリスのほうがフィエロより少し頑強で、フィエロのほうがイスラボニータとサトノアラジンより少し頑強で、頑強なぶんだけトップスピードに乗るのが速いのだという直線の攻防で、それはモーリスだけはサンデーサイレンスの血量が半分(12.5%)なのと、フィエロの母父デインヒルの強大なパワーがモノを言ったといえるのではないかと

 より頑強、パワー体質なのが短距離馬で、勝ち切るのであればそういう馬だろうというのは展望記事(短距離馬らしさとは。 - 4歳上500万下)でも書いていました。しかし、それをサンデーサイレンスの血量と結びつけるという望田さんの着眼点はもう凄すぎて言葉がありません。それでもサトノアラジンやイスラボニータがいわゆる「長めマイラー」で、マイルでればモーリスやアルビアーノの方を上に取ろうという予想に行きつけたのは勉強の成果なのかな~と少し自己満足(^^;)

 

もうひとつ印象的だった文章がこちらです。

 タイキシャトルエアジハードアグネスデジタルといった非サンデーサイレンスの頑強マイル王が君臨していた時代は、今より明らかに遅い馬場にもかかわらずマイルCSは1000m57秒前半が当たり前、それでも極端な前崩れにはならず、タイキシャトルは3-3で、エアジハードは7-5で好位で唸りながら勝ってました

もう1度こういう本当のマイルGIらしいレースを本当のマイラーが勝つところを見たいですね。非サンデーサイレンスからロードカナロア、1/8サンデーサイレンスからモーリスという大物も出現したし、芝ではどの分野においても世界の頂点といえる馬が出せる土壌が整ったのかもしれません。

 

東スポ杯は前半4F49秒3のドスロー。パドックは生で観てましたが、スマートオーディンはこのメンバーの中では明らかにガチッとしたマイラー寄りの体型をしていて加速力(速い脚)がモノをいった。父のHalo3×3を継続する形でHalo≒Sir Ivor4・4×4、Royal Chergerの柔らかさをパワーでギュッと締めたイメージ?母レディアップステージはSir Gaylord4×5で父Alzao、母父父Bustedだからウインドインハーヘアと5/8以上は同血。血統通り広いコース向きの雄大なフットワークで、抜け出してからヨレたのは望田さんのいうHabitat特有のトモの甘さというものか。社台を離れてすぐにスマートオーディンを出し、韓国に輸出された母レディアップステージでした。

 ただいえるのは、エアスピネルのような頑強なピッチ走法の加速力でドスローの一戦を制したというわけではなく、いくら体型が少々マイラー寄りでも、外回り向きのしなやかフットワークで32秒9を制したということは意味がある気がします。でも東京2400のGIを勝ち切るほど柔らかくしなやかかというと、どうでしょう。

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プロディガルサンは兄リアルスティールと異なり広いコース向きのフットワークをしていて、距離は伸びても良さそうだがそれは心肺機能的なスタミナというより柔らかいから距離が持つというイメージで、頂点はとれなさそうなイメージを持っている。

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ロスカボスキングカメハメハ×マンハッタンセレブ(=マンハッタンカフェ)だからやはりレースの上がりが33秒7のようなレースには対応できなかったとみるべきか。3歳春のクラシックを狙うならばやはりそういう速い脚がほしいところ。距離は伸びた方が良いだろう。

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アグレアーブルは母母がSecretariat≒Bold Bidder3×4、母もMr.Prospector2×5だからいくら母父がSeeking the Goldといっても非常に怠慢で、やはり3歳春のクラシックで勝ち負けするならもう少しガチッとしてほしい。兄アンタラジー同様、POG向きの母なのではないのだろう。

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スマートオーディンを除くと、例年よりは低レベルな1戦だったのではないかなというのが率直な感想。スマートオーディン皐月賞→ダービーを狙うのであれば、ドスローの東スポ杯を上がり32秒9で制したことは強調材料には成り得るとは限らない。といってもダービーがドスローになったら、トレーナー含めてあのエイシンフラッシュのダービーにダノンシャンティが出走できていれば…に繋がる。

 

【写真提供】

あ や か(@_____ayk_k)さん | Twitter

 

【参考】

血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog

栗山求の血統BLOG

栗山求 Official Website

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