日曜小倉1Rでエンパイアメーカー×フジキセキのエテルナミノルが勝ったので調べてたんですけど、同配合のエイジアンウインズの2014はいいなぁ。
キンカメ×タキオンで、母母がA.P.Indy×Caerleonになるヒカルアマランサスの2014も良い。
それにタートルボウルの血統を掘り下げてみて衝撃が走りましたので、これは1本記事書きます。Mumtaz Mahal的な血も、Lady Juror的な血も豊富で、Mumtaz Mahal的な血の中でもスピードに特化しているHabitatを持っていて、Red Godもある。これはちょっとすごい種牡馬になりそうな気がするのですが...
---------
フェブラリーSでノンコノユメに◎を打った僕は、昨年のマイルチャンピオンシップの時に感じた、「マイルGIではマイラーに◎を打ちたい」ということを忘れてしまっていました。
というのも、僕が望田先生のブログをしっかりと読み始めて1年経つか経たないかですが、何故ここまで熱心な読者になったかというと簡単なことで、圧倒的に正論だと思うからです。その中でも特に感服したのが、マイラーについての考察です。
近年のマイルGIは、トーセンラーやヴィルシーナなど「中距離馬」と分類されてもおかしくない馬が格の違いで制することが多くありました。
望田先生はマイラーについて、ラインクラフトvsシーザリオの桜花賞を用いて、
(内回りコースだった桜花賞でシーザリオは)スタートそのものはよかったものの、2角までのダッシュでマイラーのラインクラフトやデアリングハートに少し見劣ったために、外からデアリングハートに斜めに寄ってこられたときにズルッと後退
「ミルコ!ミルコ!ミルコ~!と叫んだけど前に入ってきやがった…」
福永祐一の代打で手綱をとった吉田稔が悔やんでも悔やみきれない2角の入り、あそこが明暗を分けたレースで、そこからはラインクラフトの後を追うように完ぺきに捌いて、内回りの短い直線を猛然と差してきましたがクビ差届かなかったところがゴールでした
今にして思えば、あのトリッキーなおむすびコースのマイル戦における数完歩のダッシュの違い、これこそがマイラーと中距離馬の違いというべきで、ラインクラフトは勝つべくして勝ったし、シーザリオは負けるべくして負けたというべきかもしれない
過去のマイル王を用いた説明も非常に分かりやすいです。
タイキシャトル、エアジハード、アグネスデジタルといった非サンデーサイレンスの頑強マイル王が君臨していた時代は、今より明らかに遅い馬場にもかかわらずマイルCSは1000m57秒前半が当たり前、それでも極端な前崩れにはならず、タイキシャトルは3-3で、エアジハードは7-5で好位で唸りながら勝ってました
また、血統的視点から考察すると
1600mのHペースを好位で唸りながら抜け出す真のマイル王を出すには、サンデーサイレンスの血は少ししなやかで柔らかすぎて、オルフェーヴルやディープインパクトやハーツクライやナカヤマフェスタやブエナビスタなど2400mの国際級のチャンピオンを出すには最高の血なのですが、その代償として香港勢にコテンパンにやられつづけるような短距離~マイル路線の長い低迷があるのではないか、ということは折に触れて書いてきました(唯一香港勢をコテンパンにしたロードカナロアは非サンデーサイレンス)
つまり、真のマイラーとはサンデーサイレンスの特徴とは対極に位置する、パワーや突進力、加速力を持った馬のことで、2歳のマイルGIや桜花賞やNHKマイルCならばクラシックを、オークスを、ダービーを目指す中距離馬が格の違いで勝利しても良いけれども、古馬のマイルGIとなれば真のマイラーに勝利してほしいし、そういう馬に◎を打ちたいなと昨秋思ったんです。
しかもスピードが重視された今年のフェブラリーSならばなおのことでした。
マイルGIに中距離馬が、イスラボニータがマイルCSに、ショウナンマイティが安田記念に出てきて、スプリントGIに、高松宮記念にミッキーアイルが出てきて食いつきたい気持ちも分かるけれども、彼らは真のマイラー、スプリンターではないでしょう。
馬券の軸ならそういう馬で良いのかもしれないけれど、勝ち切るとなるとちょっと違う気がします。そういう視点を持ってマイルのレースは見ていきたいです。
----------
【参考】
『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)
望田潤さんのブログ http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo
栗山求さんの連載「血統SQUARE」http://www.miesque.com/motomu/works.html
『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)