4歳上500万下

血統好きが大学生のころ書いていたブログ(今でもたまに更新)

【天皇賞(秋)回顧】見えるパワーと見えないスタミナ、ギャンブルに勝ったアンビシャスの可能性

天皇賞は花火大会ぶりに東京競馬場へ。安田記念以上ダービー、JC未満という天皇賞らしい込み具合だったかなぁ。生で走るサラブレッドを見たのは(予想大会で中山に行った時はガラス越しでした)、おそらくユニコーンS振り。やっぱりサラブレッドは美しいし、あのピチッとした勝負服(名前忘れた)はかっこいいですな。特にユタカさんやルメールさんは良く似合う。

 

さてレース。スローになれば池江師曰く「筋肉量が増えて、トモが父と同じ鋼のような四角い形に変わってきた」というムキムキピッチ走法のラブリーデイが強い。外回り<内回りは明らかだし、距離も2000がベストだろう、そしてJCの頃には「天皇賞はスローが向いて、距離もベストで...」と懸念材料が並べられるはずだ。しかし母系にトニービンを持ちHornbeam6×5、ノーザンテーストも持ちHyperion的な心肺機能を併せ持っていることも確か。JCでも大崩れはないだろうし、極端な持続戦にならない限り3着は外さないだろう。(ジェンティル以上に持続戦になっても問題ない血統をしているけど走法だけが不安)。血統的にもキンカメとトニービン、キンカメとダンスというよりはキンカメのTom FoolとNujinskyの母Flaming Page、などなど相性の良さげな血はたくさんありますね。

 

4着ショウナンパンドラの解釈が少し難しいので後にするとして、2着ステファノス、3着イスラボニータはスローペースが好走の要因だろう。どちらもマイル寄りに適性があり、2000mだと使える脚が短い=トップスピードに乗るのが早いということで説明がつく。ステファノスは確かにディープ産駒の中ではダート的な母系から受け継いだパワーで道悪もこなすが、芝の外回り向きに出たのはディープの体質とSir Gaylord≒Secretariat6×6の影響が大きいだろう。パワーがあるから加速力があるわけで、2000の持続戦で浮上できる血統ではないことは確か。

 

さてショウナンパンドラ。ディープ産駒でお馴染のロイヤルサッシュダイナサッシュゴールデンサッシュの牝系ライン。パンドラの母母ゴールデンサッシュは「Princely Gift×Prince Rose系のロイヤルサッシュ」×ノーザンテースト×ディクタスだから、本質的には欧州の重厚な血脈の積み重ねで、持続戦に強く、また牝馬より牡馬の方が大成しやすい血統のはずだ。走りをみても前脚が良く伸びている。しかしパンドラは母父フレンチデピュティのパワーを受け継ぎ、パドック名人の方に「力強さが売りになっている」と言わせるまでになった。そこまでパワーが前面に出ているのであればスローが好走に要因に挙げられるが、やはりこの牝系であれば持続戦でこそだろうと自分は思ってしまう。ただ走法を見ると小回り向きではないと思う。小さいコースでも中山2200のような外回りコースが良いだろう。この血統にパワーも付いたら無敵だろうに( ̄▽ ̄)

 

「強い」といえば5着のアンビシャス。3代母Carnival Spiritが1990年の凱旋門賞を制したSaumarez(父Rainbow Quest)の半姉で、アンビシャスの母母カルニオラは父がRainbow QuestだからSaumarezと3/4同血の関係となる。そんなエルコンドルバサー×≒Saumarezのカーニバルソングから、軽さのあるしなやかなストライドで走るアンビシャスという馬が出たのはMr.ProspectorBlushing Groomの影響があるのだろうが、インターンシップと比較するとギャンブルに勝ったといえるのではないか。しかしやはり本質はスタミナが豊富で重厚な牝系、これは中長距離の持続戦を得意とするとんでもない馬になるはずだ。全兄弟の兄インターンシップが斬れない馬で、これはブラックタイドとディープンパクトの関係に似ている。気性が課題だが、だからこそ決して(特にまだ3歳だし)短縮はしてほしくない。

 

他ではアンカツさんもtweetされていたようにアドマイヤデウス。岩田さんも「JCで格好を付けたい」と話していて、有馬記念では3番人気くらいになってるでしょうかね(^^;)

 

サトノクラウンはデキなんでしょうかね。

 それとサトノクラウンはトモの仙腸関節のズレという体質の弱さがありますからね。無理はしないでほしいです。おそらくジャパンカップに出てきても◎なんですが(^^;)

 

予想の方はスロー想定でしたし、ヒカリが逃げないスローも予測していたのですが、それでもステファノスは能力的に足りない、4歳にマイラーらしさがさらに出てきたイスラボニータも足りない、パンドラはこの血統ならやはり消耗戦で、と思っていたので完敗でした。

 

ただ、ネクタイを締めてあのピリッとした雰囲気漂う天皇賞パドックを、本馬場入場の時のあの高揚感を、そしてゴールの瞬間を間近で観れただけで満足の1日でした。

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