展望と回顧 ~ フェアリーS
明けましておめでとうございます。
今年は昨年にも増してマイペースでやっていきたいと思います。
有馬記念を振り返った時にすぐに頭に浮かぶのは2点
サクラアンプルールはノーザンテースト的なエアシェイディのようなピッチ走法でこの勝負服でノーザンテーストの影響が少なからずある馬が好走していれば非常に趣があったなあと思います。今年も期待の1頭
シャケトラは望田先生の回顧がやはり秀逸でした。
シャケトラはデビュー2戦目の上がりだけの競馬で取りこぼしたように、鋭敏な脚はないですからね
内回りなら残り800mを速-速-最速-遅みたいなラップで上がらないと
日経賞や宝塚記念のようなメリハリの効いた騎乗が必要なんでしょう。
フェアリーSは、全頭チェックして結論を出す、という気力はありませんが有力馬については少し書いておきたい。
プリモシーンはデインヒル経由(Burghclere≒Flower Bowlとなるのがポイント)のNorthern Dancer4・5×4のモシーンの仔で、Sir Ivor5×7・6もあり、剛(デインヒル)と柔(Sir Ivor)のバランスはダノンプレミアムと被るものがあります。
それ以上に未勝利の直線でみせたあの一瞬の脚、あれこそが3歳春に重賞で勝ち負けするのに必要なスピードというかパワーというか“早熟性”というもので、ピッチで走りますから中山マイルも対応できるディープで、このところは同じ“瞬発力を武器にするディープ産駒”でもStorm Catが入るマウレアとは異なる点です。
プリモシーンと未勝利で接戦を演じたテトラドラクマはルーラーシップ産駒でもNureyev≒Fairy King5×3が効いているのかリリーノーブルのようにピッチで走るタイプで中山も大丈夫。キングカメハメハは配合に素直でコディーノやアパパネやレッツゴードンキのような小脚で走るタイプも、ドゥラメンテやルーラーシップのようにストライドで走るタイプも出しましたがルーラーシップもそのようです。
トロワゼトワルは今年贔屓している1頭で、馬群に突っ込んで敗れたアルテミスSの敗戦は競走馬人生にとってもプラスとなるものでしょうが、この馬はロードカナロア、つまりMill ReefにStorm Cat、そこにCozzeneですから少なからずCozzeneらしいというかイスラボニータらしさを感じさせる体質走法で中山マイル替わりはプラスとは言えないでしょう。スイートピーSとかがすごく合っていそうなのです。
同じようなAlzao≒Storm Cat+CaroでもレッドベルローズはUnbridled(Dr.Fager≒Magic3×3)が入るのでそこまでナスキロらしさは感じませんが、それでもそれらしい緩さはあるかなぁ...
将来性が高いのはこれくらいでしょう。
【回顧】
プリモシーンは想像通りの走りで、やっぱりあのスムーズなコーナリングと短直線での加速は母のパワーをしっかりと受け継いでいる証。極端な例えをするならばアットザシーサイドくらいのイメージで、繰り返しになりますが同じディープならばダノンプレミアムやミッキーアイルと同じタイプ、逆にアユサン=マウレアやマルセリーナとは異なります。
トロワゼトワルは明らかに鋭利なコーナーで(望田先生が“ストライドロス”と呼ぶような)余計な負荷がかかっている競馬ぶり。そして母セコンドピアットもそうでしたが中距離馬な気がします。やはりスイートピー、フローラ、君子蘭賞あたりで注目。
超短考 ~ 有馬記念
何というかもう分かり切ったことではありますが、ヤマカツエース、トーセンビクトリー、シャケトラ、レインボーラインあたりが面白いところですが、トーセンビクトリーはこの血統でもさすがに格が足りないかという気もするし(しかし鞍上が天才)、レインボーラインは秋天で今秋の役目は終わった気も。
ヤマカツエースはKingmambo≒Ameriflora2×3なので爆発力というか想像以上の覚醒の可能性を秘めている馬という気がします。それが開花するのは来年の大阪杯あたりかなとも思うのですが。
シャケトラに関しては望田先生のコメントが興味深いです。
おそらくシャケトラは有馬ピークに持ってきたんでしょうね
ただどうなんでしょう、Woodmanが入って肉が多すぎるのがヴィクトワールピサとちょっと違うかなという気も
あと祐一が中山で捲る乗り役ではないのがね
好位ダラダラじゃなくハッキリ捲ってほしいんですよね
配合の完成形
有馬だからというわけではないが、マヤノトップガンを再評価している。私が生まれた年の菊花賞と有馬記念を制した。
トップガンは父ブライアンズタイム×母母Swiss(Vaguely Noble×My Host)だから、Flower Bowl≒Aureole≒My Host4×5・4か。このような配合の馬が(もちろん母父Blushing Groomの影響が大で)日本において大成した時代があったのだから面白いものだ。美しい、美しいフットワークをしていた。
配合の良し悪しというよりも、母の優秀さ(父が優秀であるのは言うまでもないのだが)を特筆したくなるディープインパクトも良いが、トップガンのように“配合の完成形”である馬の方に魅力を感じるのである。
キタサンブラックも配合というよりは、Burghcreleのスタミナの発現とサクラバクシンオー×ジャッジアンジェルーチのスピードの発現というイメージだ。
だからこそ、ラストタイクーン≒Toutch of Greatness2×3のサトノクラウンや、Burghcreleをキタサンブラック以上に増幅しているアンビシャスへの想いが強かったのだろう。
Blushing Groom
似ている?みんな栗毛でもあります。
最初の動画のコメント欄に、“Blooming Groom has such a beautiful stride”というのが何とも。
短考 ~ 阪神JF
ラッキーライラックとロックディスタウン、底力というか血統の深みという点では前者の方が上ですよね。どちらも米血過多の母ですが、ライラックスアンドレースは何といってもプリンセスオリビアというのがオルフェーヴルの配合のキー(ノーザンテーストとメジロマックイーン)と脈絡。
リリーノーブルはデウスウルト=バティスティーニで結果を出したKingmambo≒ビーバップ3×3、ルーラーシップでも小脚で走るタイプでしょうか。こういうタイプ、つまりスッと加速できるタイプは気性等の要因はさておき内枠や真ん中の枠でも気にならないです。むしろ、プラスにもなり得る。
対照的にストライドで走るマウレアの内枠というのは、赤松賞は内を割って勝利しているとはいえ不安。
ほかで気になるのは、ブラックタイド×Pivotal×デインヒルのマドモアゼルというのはBurghcrele≒Bustino≒Flower Bowl3×5・6でクロフネサプライズ的に大舞台で真価を発揮するかもしれないと淡い期待。
ノースヒルズのノヴェリスト、ナディアはNijinsky≒The Minstrel5×4・5
前走はめちゃくちゃ右にモタれながら2着。400キロちょっとの小柄な馬ですから将来どんな馬になるか。