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4歳上500万下

“血統表”と“現実”のすり合わせ、“競走馬の個性”の解釈

《展望》第61回大阪杯 ~ 未だアンビシャスのHyperionとLady Jurorは覚醒しない

レース考察2017

高松宮記念の回顧も書いていませんし、土曜も気になる3歳馬が勝利しましたが、ひとまず大阪杯は書いておかないと。

 

 

印を打つならば、

キタサンブラック

マカヒキ

ヤマカツエース

ディサイファ

★アングライフェン

贔屓している馬ながら敢えて厳しい視点でみる : サトノクラウン、アンビシャス

 

現4歳世代よりもハイレベルであろう現5歳のドゥラメンテ世代。ドゥラメンテの他に、キタサンブラックリアルスティールサトノクラウン、アンビシャスがいます。昨年、リアルスティールドバイターフで、サトノクラウン香港ヴァーズでGI馬の仲間入り。残るはアンビシャスだけです。

derby6-1.hatenablog.com

ドゥラメンテはとんでもない大物ですが、伸びしろを考慮すればアンビシャスもすんごい馬なはずです。

血統をみると、パワーとスタミナを伝える母父エルコンドルパサーに、母母カルニオラは1990年の凱旋門賞を制したSaumarezと3/4同血(父Rainbow Questと母母Fiesta Funが共通)で、欧州的な重厚な血統といえます。

それでいて、重々しさを感じさせない馬体、軽やかなフットワーク、前向きな気性の持ち主。本来であれば、ズブくて重々しいタイプに出ても良いはずなのですが、それは神のみぞ知る世界、ギャンブルに勝ったということで、この字面の血統から逸脱したものが発現しているというのは大物と共通していることです。

母はHyperion8・8・7・8・7×9・7・8・5、Nasrullah4×5だから、形としてはドゥラメンテと同じNasrullahHyperionの斬れになっているともいえるでしょうかね?

天皇賞は誰がみても強い競馬、気性的な面でむやみに短距離を使うのではなく、しっかりと2000m以上を使っていってほしいなと思います。

中山記念展望 ~ ドゥラメンテの左手前とアンビシャスの可能性 - 4歳上500万下

ドゥラメンテ世代は、この秋が4歳秋だ。

アンビシャスは、一般的には「ディープ産駒らしい斬れ味」が持ち味の馬だと解釈されているかもしれないが、何度も触れてきたように、母がエルコンドルパサー(Special=Lisadell4×4・3+Flower Bowl)×カルニオラ(Tudor Minstrel5×5やCourt Martial+Hyperion8×6×7×5)と、キタサンブラックダイワメジャーダイワスカーレットメジャーエンブレムの粘着力の根源と同じハイインロー(HyperionとSon-in-Law)が大量で、本来であれば前出した馬たちのような粘着力を武器とするタイプや、ズブい中長距離馬(全兄インターンシップはそう)に出るのにも関わらずこれだけの斬れ味を持っているというところがミソである。

だから斬れ味比べでも十分通用するけれど、本来は粘着力≒持続力が活きる流れこそがベストパフォーマンス発揮の場だろうし、実際重賞を制したラジオNIKKEI賞大阪杯も先行していた。

今回は何といっても、彼をその大阪杯で先行させ、カンパニーを先行させて大成させ、ミツバで逃げ切った横山典弘騎手が鞍上である。勝負服的にも私が初めてリアルタイムで見た09年の天皇賞がフラッシュバックされる。

大阪杯では内から離れた外目2番手ですんなりと折り合ったように、周りに馬がいる方が掛かりやすいタイプである可能性があるから、外に馬がいないところで競馬がしたいはずだ。今回はフルゲートではないし、これはヒカリがやや後続を離した後ろの2~4番手集団で巧く折り合うというイメージも、少なくともフルゲート時よりはイメージできる。

繰り返しになるが、もしロゴタイプクラレントやモーリスやリアルスティールエイシンフラッシュのが勝った2012年にシルポートから遠く離れた2.3番手を形成したカレンブラックヒルダイワファルコンのように離れた2番手以下で「別の競馬=ヨーイドン」をしたとしても、そうなったらなったらでヒカリの後ろの単独2番手が取れるし、もういっそのことアンビシャスはヒカリに付いていっても良い。

ヒカリの11秒台後半を刻み続ける逃げならば、レースの上がりは35秒前後、勝ち馬が先行集団から生まれるのならば、勝ち馬の上がりは34秒5前後。東京2000、天皇賞(秋)ということを考慮すれば、このイメージに最も合致するのはアンビシャスだ。ジャスタウェイだって、道中12秒台がないトウケイヘイローの逃げで覚醒したのだから。

《天皇賞(秋)》名手が隠れた持続力を引き出す - 4歳上500万下

母父エルコンドルパサーに、母母カルニオラはWelsh Pageantを通じるTudor Minstrel5×5、Lady Juror~Specialらしい前向きな気性も伝わっていますが、上がりの掛かる競馬、スタミナが要求される流れで最大パフォーマンスを発揮する馬だと思っていますし、そういう血統である以上、GIを勝ち「切る」ならば、そういう流れであるか、「前受け」したときではないかと思っています(「ほぼGI」である昨年の大阪杯も天才・横山典弘騎手騎乗で先行していた)。逆に追い込み一辺倒の競馬を続けていては、勝ち切れないということでもあります。

Blushing Groomの影響か、小回り向きの器用さも兼備している万能型ですが、大箱より小回り・内回りの方が上がりが掛かりやすいのが競馬ですから、やはりGI制覇最大のチャンスは大阪杯でしょうか(宝塚記念は馬場が不安)。本当は秋天トウケイヘイロー的なHペースでジャスタウェイ的なHyperion覚醒をみたいところですが...(昨年の秋天エイシンヒカリトウケイヘイローを被せていたが、思いもよらぬスロー。まして出遅れて伸びないうちに突っ込んでの4着は2着くらいの価値はあるだろう(だけどやはり追い込んでいては勝ち「切れ」ない。))

やっぱり私はこの馬の持ち味は「斬れ味」ではないと思うんですよね。もちろん「斬れ味」も一級品ですが、配合的にはキャプテントゥーレダイワスカーレットのようなHyperionとSon-in-Law→Lady Jurorの持続力≒スタミナが魅力で、昨年の大阪杯だって上がり33秒4の斬れで勝ったじゃないか!という意見もあるでしょうが“最速上がりが必要とされない位置”にいました。この舞台も悪くはないのですが、より持続力が求められる流れになり易い秋天(近年はそうとも限らないが)か、2400のJCでエピファネイア的先行がみたいんです(そもそも出走する可能性が低そう)。GIを獲るならそこであってほしい、そこだろうという願望と推測。

 

サトノクラウンはスタミナが豊富(Princequilloの影響か)なので、大箱の長い距離でゆったり走らせるのが良かった、という落としどころになりました。ですから内回り2000mはそれほど良い条件ではないのですが、そんなことは陣営だって分かっているはずですし、「動きもメンタルも今までで1番の状態。以前はレース後に大きな反動が出ていたが、今は体力がついて連続して使えるようになった」とのことですから、頑張ってもらいたい。私は春天でみたいんですがね~

 

ディサイファは、この名牝系名血のパワーが発現してきたならば、グラスワンダーと同じように毎日王冠有馬記念を勝っちゃうかもしれないから◎を打ち続けるべきだ、などとデカい口を叩きましたが、本当にそういうパワーでGIを勝ち切るタイプであるならば、ディープ×Dubai Millenniumで発生するSir Gaylordのクロスは不要なのではないかと思うし、パドックをみてもそういう部分を感じないわけでもなかったです。有馬記念では▲くらいにとどめておこうかな(出てくる可能性低そう...)

《天皇賞/JCへ向けて》毎日王冠/京都大賞典 回顧 - 4歳上500万下

 

ディサイファは“種牡馬入り確定”といってもよい超良血馬ですが、上記で書いたように、また、京都マイルで好パフォーマンス(不利を受けて後退してしまったが)をみせているというのはSir Gaylordの影響なのかなと思ってしまうし、100点の配合でない限り中距離のGIを勝ち「切る」ことはできずに終わってしまうか...と少し寂しい気持ちになっています。ただ、“重めの芝の内回り2000m”というのはどちらかといえばディサイファ向きの条件ですから頑張ってほしいんですよね。

 

 アングライフェンは母母シネマスコープ(トランセンドの母)がHyperionとSon-in-Law~Lady Jurorが豊富で、パントレセレブルを配された母レッドスレッドはNorthern Dancer3×5、ステイゴールドとの相性は悪くないだろうとずっと注目していました。母のパワーを受け継ぎピッチ走法ながら大箱東京2000のアメジストSを楽勝した時に本格化かと思いましたが昨年は重賞ではもうひとつの競馬が続きました。ところが前走でサトノクラウンから0.3秒差の5着と好走。5歳の春にいよいよ覚醒の時を迎えたかと想い今年大注目です(といってもステイゴールドの配合としては100店ではないので「ローカル重賞は獲れる」程度の期待)。

土曜の注目馬 ~ それぞれの " 素質が開花するとき " - 4歳上500万下

 アングライフェンはこのように昔から注目していましたが、ピッチ走法の割には器用さをそこまで感じません。ただ、サラブレッドも人間と同じように強い相手に揉まれることで力を付けていくと思うので名手とのコンビでこの出走は注目に値。

 

ヤマカツエースKingmambo≒Ameriflora2×3という配合で、同条件だった昨年の鳴尾記念は、開幕週ながら8枠で終始内から5頭目あたりを回されてしまいました。今回も8枠ですが、本質的に条件は合っているはずで、どこまでやれるか。

 

マカヒキは内回りを苦にしない器用さもあり、大型馬の叩2走目でもあり、年齢を重ねれば距離もこれくらいがベストになってくるだろうとも思うし、マイナス要素が思い当たりません。

 

キタサンブラックはこちらの想像以上にBurghclereが発現している馬で、こういう男性的な馬は好きなので、もう応援というか、ただ見守り続けるだけです。

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【参考】

『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)

望田潤氏のブログ 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog

栗山求氏の連載『血統SQUARE』http://www.miesque.com/motomu/works.html

『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)

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