日曜の注目馬 / シャケトラの配合をもう1度確認 ~ スウェプト×リボンストライプ(=ウイニングチケット)のCourtesy≒Hornbeam≒テスコボーイ
ヴィブロスはHaloウーマンで、それらし機動力≒器用さが武器ですが、走りからはHaloマンのサトノダイヤモンドのように体幹の強さを感じますよね。
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いやぁ、シャケトラが一気に重賞まで突き抜けましたか。正直、重賞でワンパンチ足りない競馬が続いて夏以降or来年に重賞&GI奪取とみてました。田辺騎手らしい大型馬の中山の捲りも非常に見応えがありました。
上記のエントリーで詳細に書いていますが、マンハッタンカフェは自身の“Halo≒Boldnesian2×4を増幅する”というのが最大の配合ポイントで、Blushing Groom→Rahyなど有効ですが、GI馬3頭(ヒルノダムール、レッドディザイア、ジョーカプチーノ)+獲得賞金トップ(エーシンモアオバー)を出しているのがNijinskyです。
Halo≒BoldnesianはNijinskyにどういう関係があるのかというと、まずHalo≒Boldnesianは、
(下3つはTom Foolの血統構成)
が共通であり、Alanesian(Boldnesianの母)とFlaming Page(Nijinskyの母)は、
- Menow(←Pharamond)
- Bull Dog
- Blue Larkspur
が共通です。
Blue Larkspurというのは、名ブルーメアサイアーでスタミナと底力供給します。米血が豊富なゼンノロブロイがTom Fool≒Flaming Pageでのトレイルブレイザー、サングレアル、マグニフィカを、Buckpasser(Tom Foolの代表産駒)のクロスでサンテミリオン、ルルーシュと、Blue Larkspurを増幅したことで2000m超の重賞を制する産駒を輩出したことでもそれは証明できます。
シャケトラの母サマーハは、Halo≒プレイメイト3×3、母母がTom Fool≒Flaming Page4×4で、自身はHalo≒Boldnesian3・5×4・4、さらに言えばAlanesian≒Buckpasser≒Flaming Page6×5・6で、それを、Far North(Flaming Page系)、Woodman(La Troienne~Striking系)、Singspiel(Soaring~Ballade系)という世界的名牝系でやっているというのが素晴らしいんです。
Haloらしい機動力が発現されていて、これは京都の下り坂も巧い(代表例:サトノダイヤモンド)ですから、(今書いてハッとしたが)春の天皇盾は“Buckpasserの影響なのか胴長だけれどもHaloらし機動力がある”という共通点があるサトノダイヤモンドとの対決でやっつけてほしいです。
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相手は弱かったと思いますがミモザ賞を同い年ユキトを背に楽勝したルヴォワール
母父Green TuneはGreen Dancer産駒のNijinsky≒Ocean's Answer2×2(Northern Dancer、Bull Page、Gallant Fox、Fair Playなどが共通)というなかなかの配合で95年の仏2000ギニーと翌年のイスパーン賞を制しました。
その代表産駒の1頭であるのがルヴォワールの母リュヌドールで、伊のリディアテシオ賞を制し英のヨークシャーオークスでも3着になりました。
その母Luth D'orはWild Risk~Carvin、Tourbillon~Luthierなど仏血で、ルヴォワールの胴長脚長で非常に柔軟な芝向きの体質、しなやかな走りというのはこの影響が強いとみてよいでしょう。
“仏血の影響が大きい”ハーツクライ産駒というとパッと浮かびませんが、“母方の影響でしなやかに斬れる”ハーツクライ産駒という点ではリスグラシュー(Mill Reefの影響)と同じですね。
リスグラシューと同じくBusandaを増幅してはいませんから、クラシックを勝ち“切る”というのは厳しいでしょうが古馬になってからはマジックタイムやシュンドルボン級にはなってくれるのではないでしょうか。
中山3Rの未勝利(芝1800m)を制したネームユアポイズンは、展望記事にも書きましたが、母のSadler's Wells≒Nureyev3×4でトニービンのNasrullahとHyperionを、プレイメイトでHaloを(Royal Cherger≒Nasrullah、Sir Gallahad=Bull Dog、Pharamond、Blue Larkspurが共通)、プレイメイトとDr.FagerでBusandaを増幅したハーツクライの好配合で、ハーツにしては完成が早い配合でもあるのでもしかすると菊戦線に乗ってくるかもです。
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高松宮記念は荒れないと思っています。
ただ、年齢を重ねて短距離寄りにシフトしてきたレッツゴードンキを狙いたくなる気持ちは分かりますが、ブリンカー着用トウショウピストの引っ張る昨年のような激流になれば、寄りピュアスプリンターらしいシュウジ、そしてメラグラーナの方に分があるのではないかとも考えます。1200mやマイルは、“Hペースで差し有利”みたいな単純な話ではありませんからね(スローのスプリンターズSでレッドファルクスやウキヨノカゼの追い込みが決まるように)。
穴目で気になるのはラインスピリット。「体重が減らなくなって、しっかりと調教できるように」(松永師)なり、千直連勝後、控えて好走した淀短距離SやシルクロードSで好走したのは成長の証。母リボンストライプはウイニングチケットの全妹でHornbeam≒テスコボーイ3×3のNasrullahとHyperionのクロスで、フォーティナイナー(ラインスピリット←スウェプトオーヴァーヴォード←エンドスウィープ←フォーティナイナー)の3代母CourtesyはNasrullah×Hyperionです完成形は“中京1400ベスト”になると思っているんですが...(どうしてNasrullahとHyperionを増幅した配合で中京ベストのダンスディレクターが今年もいないの)。
コマノインパルスと同じHaloクロスのバゴ産駒クリスマスは、陣営は中山<中京と言っていますし、バゴ産駒はとにかく“意外性”がありますからね。
Halo≒プレイメイト3×4・5・5で母がすんごい配合のナックビーナスもこの枠では厳しいと思うんですが「ソラを使うので厳しいレースの方が力を出せる。『このメンバーでもチャンスはある』」(田面木助手)とのことなので注目しておきます。
マーチSは、アスカノロマンが小回りの激流(にならないかもしれないが)はみやこSがそうだったように体質的に不向きであることと、ディアドムスがもう少し前で流れに乗ることができれば掲示板くらいは乗れるんじゃないか...とだけ言っておきますw
【参考】
『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)
望田潤氏のブログ 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog
栗山求氏の連載『血統SQUARE』http://www.miesque.com/motomu/works.html
『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)