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4歳上500万下

“血統表”と“現実”のすり合わせ、“競走馬の個性”の解釈

大阪杯私感、桜花賞を少し考える。

一流馬たちは、競馬について考察する奥深さを教えてくるが、大阪杯に出走していた一流馬も僕に多くのことを教えてくれている。

 

キタサンブラックの、あのフワッとした4角での加速はジャッジアンジェルーチの影響だろうし、同じくジャッジアンジェルーチを持つフラアンジェリコによく似ている。530キロを越えようかという大型馬だが器用さを併せ持っている。体質が柔らかいのはサクラバクシンオーの父、サクラユタカオーの影響もあるだろうか。Princely Gift系でNasrullah3×4で軟質なスピードを武器とする馬で、東京で美しい勝ち方をするタイプだ。同じく母父サクラバクシンオーディープインパクト産駒のアデイインザライフも、体質は柔らかい(大型に出たのは母母父デインヒルの影響が大だと思うが)。

種牡馬になるような優秀な競走馬、優秀な血脈というのは、体質の硬さと柔らかさなど、相反する要素のバランスが絶妙だからこそ優秀なのであり、短距離馬が長距離馬を、長距離馬が短距離馬を輩出しても何ら驚くことはないのだ。このことはモーリスやエアロヴェロシティの血統を見ても明らかであろう。

 

アンビシャスも衝撃的な馬だが、ショウナンパンドラは多くのファンの想像を超えた成長を遂げているだろう。母母はサッカーボーイの全妹で名馬ステイゴールドらを輩出した言わずと知れた名繁殖ゴールデンサッッシュだ。その母ダイナサッシュは硬質な父ノーザンテースト×軟質な母父Princely Giftという組み合わせだが、この相反する性質のバランスが絶妙であるということは、望田先生が幾多と主張されている。イメージとしては、Princely Giftが柔らかく怠慢になりそうなところを、ノーザンテーストが補強してくれている、といったところだろうか。ゴールデンサッシュの父ディクタスは、フランス的な斬れと、ハイレベルな持続力とスタミナを伝える名血で、この血が無ければ距離も持っていなかっただろうし、東京2400で牡馬をナデ斬る末脚にはならなかっただろう。母父フレンチデピュティは、アメリカ的なパワーとRoyal Cherger、Princequilloを同時に取り込めるからディープインパクトとの相性が良いことは周知の通りである。

私がショウナンパンドラから何を最も学んだかというと、やはりゴールデンサッシュの優秀さだ。ディクタス直仔を見ていないから(気性が荒いが、スタミナは豊富といった程度しか知らない)、ジャパンカップでも疑ってかかっていたが、見事にしてやられた。ディクタスの血とノーザンテーストの成長力、つまりはゴールデンサッシュの優秀さを知らしめられたジャパンカップだったのである。

このスローペースを終始外々を回りながら強力牡馬に先着したパフォーマンスは相当にハイレベルだ。次走はヴィクトリアマイルとのことだが、明らかに距離は短い。とはいえ、マイル戦でスローになり、中距離馬の差しが決まりやすいのが日本のマイルGIであるから、力でねじ伏せる可能性も十分になるのだが、さすがに3200mは長い可能性もあるも、天皇賞に向かってほしかった。とはいえ、この馬はファンの想像の上をいっている。名牝といって良い。

 

アンビシャスについてはもう多くを語らないが、こんなに柔らかな体質に出たのはHalo≒Sir IvorRed Godという軟質な血が発現したからだろうか。また、気性はFair Trial5×5・5の父母母Burghclereに、母父エルコンドルパサーに、Tudor Minstrel5×5の母母カルニオラだからLady Jurorが濃い。ここの影響だろうか。しかし掘り下げてみるとすごい血統だ。距離はどうかだとか、気性面でどうかだとかいう議論が空虚に思えるほど奥が深い血統だ。個人的にはこのままのコンビで行ってほしいが...。

 

ラブリーデイは今回においていえば物理的に厳しいレースだったが、血統的な奥深さは1,3着馬に比べるとないし、旬が短いタイプなのかもしれない。

イスラボニータは自分の分は走っている。しかしいつ見てもすごいフットワークだ。安田記念は良いだろう。

 

馬券はこういう買い方が出来るようになるまで買わない。

きゃめろっとさんの競馬予想|産経大阪杯 G2 - 2016年4月3日阪神11R|競馬予想のウマニティ - サンスポ&ニッポン放送公認SNS

 

derby6-1.hatenablog.com

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さて今週は桜花賞

ダイワスカーレットが母スカーレットブーケノーザンテーストHyperionやAlibhaiのパワー、そしてアグネスレディーのLady Jurorで走った馬ならば、メジャーエンブレムスカーレットブーケに、母父オペラハウスは父Sadler's Wells、母父High TopともにLady Juror→Fair Trialの流れをくむし、母系にもDanzigが入るから、やっていることは同じといえよう。さらにこの馬の場合は、望田先生が書かれていたが、Halo≒Red God≒Past Exampleを持つので、ダイワスカーレット以上に軟質なスピードや斬れが発現されているのが良いのだろう。

 

ジュエラーの母は異系だが、Fair Trial7・7×6を持つから、父ファルブラヴでスプリンターのワンカラットが出たのは当然ともいえよう。しかしDjebel7・7×6なんていうクロスも持っているから異系だ。だからというべきか、体質は非常に柔らかくみえる。しかし前脚の可動域は狭い。これはブエナビスタとよく似ている。

 

シンハライトの母シンハリーズはFolri6×4だ。自身はHalo≒Sir Ivor3・5×4で、母母父Efisioの母父はHigh TopだからCourt Martialのクロスも薄くできる。本質的には内回り向きなのだろうが、3歳春はどうにでもなる。イメージとしてはやはりジェンティルドンナに近いか。

 

外回り適性でいえば、ナスキロに一考ある配合をしているデンコウアンジュラベンダーヴァレイがともにパワー不足は感じさせるものの、面白そうだ。

 

derby6-1.hatenablog.com

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【参考】

『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)

望田潤さんのブログ http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo

栗山求さんの連載「血統SQUARE」http://www.miesque.com/motomu/works.html

『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)

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