今日は素質馬が揃って結果を残し、気力もあるのでかんたん回顧をば。NHKマイルは夜中か朝に。ああいうオッズをみると、2012年の安田記念を思い出しますな(1番人気サダムパテック6.6倍)。
●ダービートライアル
東のダイワキャグニーはキングカメハメハ×サンデーサイレンス、残りの1/4の母母トルプルワウがRoyal Cherger(≒Nasrullah)とPrincequilloのクロスでここが父のMill Reefに呼応。キンカメでもローズキングダムのような柔体質で大箱向きですね。ここは完成度が違った感。
贔屓しているニシノアップルパイも見せ場は作りましたでしょ。米血過多のリーチザクラウンに重厚な欧血をどっぷりつぎ込んだ(Aureole≒ビバドンナ6×4またはAureole≒Petingo6×5といえる)配合で、多分ノーザンテーストが強い体型なんですがどんな馬に完成するか興味深いです。
西のプラチナムバレットは名繁殖スノースタイルでマンハッタンカフェのAlanesian→Boldnesianを増幅した配合で(そもそもスノースタイルはAlanesian牝系)、馬体はBuckpasser(サトノダイヤモンド的)やLyphard(ハーツクライ的)の影響が感じられる胴長、これは神戸新聞杯ドンピシャという感じ。となると東京2400も悪くなくダービー賞金圏内では?菊でも当然注目ですがマンカフェだけに生涯で4回くらい京都大賞典に出走しそうなイメージ。
サトノクロニクルは母トゥーピーがBold ExampleとFresserのナスキロクロスなので緩いですが(ただでさえハーツは晩成)、この時期にここまでやれているのはBusanda≒Better Self6×7・7とBusandaを増幅できているからというのは間違いないでしょう。
●ナカヤマフェスタを追って
メトロポリタンSはヴォルシェーブが快勝。
悔しいのは3着ヴォルシェーブで、母ヴェイルオブアヴァロンはサンデー系ならばBurghclereのHyperion、Donatello、Fair Trialを増幅できるアグネスタキオンかネオユニヴァースが配合相手としてベストで、且つこういう重厚な血なので牡馬の方が大成する可能性が高い...という仮説通りにリルダヴァルと本馬の活躍も順当です。55キロなら勝ち切ってほしかったですし、せめて賞金加算出来れば有馬の穴として期待大だったのですが...
有馬出走はかないませんでしたが、5歳の春初戦を快勝。宝塚・有馬タイプですからナカヤマフェスタのように宝塚に出走すれば、楽しみです。かなりの好配合と思いますので。
●アドミラブル的、ディーマジェスティ的に
昨年はHaloクロスのディープ産駒が人気を集めたので順当かと思われましたが、この2頭をまとめてねじ伏せたのは母がブライアンズタイム×Sadler's Wellsというヴィクトリー配合で、Roberto的なパワー走法で走るディーマジェスティでした
中略
内回りのG1を勝つようなディープインパクト産駒は、母方のヌレサドやRobertoやRibotやLa Troienneのパワーが強く表現された掻き込みピッチで走るか、Haloクロスらしい無駄のない脚捌きで走るか、概ねこのどちらかと言っていいのではないかと
綺麗に東京や京都で差し切るGI馬を多く輩出する中で、ディーマジェスティやマリアライトというパワーで内回りのGIを捲り勝ってしまう馬まで輩出してしまうのがスーパーサイアーディープインパクト
ディーマジェスティやアドミラブルのようにディープ×Robertoのトップホースを輩出する可能性があると注目しているのがサムワントゥラブで、今日の京都9R、内回り2000mの鴨川特別ではその仔レトロロックが「らしい」ピッチ走法で連勝を飾りました。
ディープ×シンボリクリスエスというのはアドミラブルと同じ、ディープ×Roberto+Caerleonというのはディーマジェスティと同じ、そしてしっかりとBurghclere≒Aureoleも持ちます。
レトロロック→インウィスパーズと結果は残していますから、そろそろ今年2歳のアンチェインで化けてもいいんじゃないですかね。今年生まれた父ブラックタイドも興味深いが。
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【参考】
『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)
望田潤氏のブログ 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog
栗山求氏の連載『血統SQUARE』http://www.miesque.com/motomu/works.html
『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)