先週の2歳戦 ~ やはり素質馬が集まった阪神2000の500万
メジャーエンブレムのNHKマイルCとサトノクラウンの香港ヴァーズ、個人的にはやっぱりこれがたまりません。
有馬当日の中山の新馬でデビュー戦を逃げ切ったデアレガーロは、シュプリームギフト=ベステゲシェンクらの3/4妹で母スーヴェニアギフトの8番仔。これで8頭中6頭目の中央勝ち上がりとなりました。
マンハッタンカフェを配されたのは本馬が初めてですが、Alleged4×3のクロスができます。短めの距離での活躍が目立つシュプリームギフトの仔でも2000mでデビューさせた(しかも牝馬)というのはこのスタミナが伝わっているからなのでしょう。肩の立ったピッチ走法でもあります。スーヴェニアギフトは父が短距離馬でNorthern Dancer4×4、早熟性もありオークス戦線で気に掛けておきたい存在です。
曜日は変わってしまいましたが、一応旧エリカ賞である、有馬記念の裏の阪神6Rで行われた2歳500万はルーラーシップ×アゲヒバリ(クロフネ×トゥザヴィクトリー)でセレクトセール6000万超のダノンディスタンスが逃げ切り。
クロフネが入るからか、アゲヒバリの仔はメドウラーク、ダノンアローダと少しズブ目の中長距離砲というイメージがありますが(まぁタニノギムレットとワークフォースだからというのもありますが)、上がり勝負だった新馬を後方から差し切って(2着ヒシマサルも相当な素質とみている)いるので「オッ」と思わせてはいました。今回の勝利は持続力を活かし切った和田騎手のクランモンタナの小倉記念を思い出させる名騎乗でしたが、これですみれSあたりは見えてきたのではないでしょうか。
でもHornbeam≒パロクサイド6×4・4のルーラーシップ産駒で自身はNureyev5×4なのでNasrullahとHyperionを継続しているので胴長体型は受け継いではいるんですよね。
2着ベストアプローチももちろん良い馬ですが、3着アルメリアブルームと4着サトノシャークもなかなか。
アルメリアブルームはドリームジャーニー産駒の410キロ台の小柄な牝馬。一言でいえばオーシャンブルー+オリエンタルアート+ポインテッドパスなのですが、母アルメーリヒはネオユニヴァース×プアプー(代表産駒:オーシャンブルー)という配合で、Sharpen Up4×4...
Sharpen UpはOwen TudorとHyperionを持ちますから、プアプーの母父ダンシングブレーヴから3代に渡ってHyperionとLady Jurorを継続されつ続けているということになります。
そして自身はサンデーサイレンス3×3、晩成ですが今から牡馬相手にこれだけやれているのは素晴らしいです。
サトノシャークは、アルゼンチンの名馬である母オジャグワが、Terlingua≒Secrettame3×4、Mr.Prospectpr4×4、母父Pure PrizeはStorm Bird≒Nijinsky2×4、First Rose≒Tom Fool≒Flaming Page5×5・5?という配合ですが、手脚が長くパワーも感じさせるフットワークというのは、Storm Bird≒Nijinsky2×3の名繁殖マジックストームの仔たち(ラキシス=サトノアラジン=フローレスマジック)と被るところがあります。
ホープフルSはレイデオロ以外のレベルは疑問ですが、内2000であれだけ反応できるというのは、スローの東京2400と接点があります。成長次第ですが、やはりカデナとレイデオロが2017年のダービー馬に最も近い存在という考えは変わりません。
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1年間サラブレッドの血統という1点だけで駄文を書き続けることができました。来年も気力が続く限り書いてゆきますので、よろしくお願いします。それでは、良いお年をお迎えください。
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【参考】
『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)
望田潤氏のブログ 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog
栗山求氏の連載『血統SQUARE』http://www.miesque.com/motomu/works.html
『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)