4歳上500万下

血統好きが大学生のころ書いていたブログ(今でもたまに更新)

《萩S/アルテミスS/スワンS 》サマーバード産駒とアルテミスのハーツ産駒を中心に

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derby6-1.hatenablog.com

 

 

今年の天皇賞の穴はアルバートドックだと思ってたんですが、ジャスタウェイHyperionが覚醒したのも5歳秋だったのでもう1年待つことにしましょう。ひょっとすると来春の安田辺りで覚醒するかもです。

 

今日は重賞より萩Sの方に注目。

ヴァナヘイムの配合は説明するまでもないとはおもいますが、父キングカメハメハ×母母エアグルーヴルーラーシップであり、Hornbeam≒パロクサイド。ドゥラメンテと異なるのは間に入るのがサンデーサイレンスからディープインパクトになったということで、こうなるとラストタイクーン≒Alzao3×4、道悪は大丈夫でしょうし、むしろ平坦の京都なら稍重くらいでちょっとタフな競馬になった方が良いかもしれません。

 

個人的にそれ以上に注目しているのが、気難しい〇グリトニルに戸崎騎手が騎乗すること。

デインヒル増幅のディアウィンクから生まれた非日本的な名馬ナカヤマフェスタを、ノーザンテースト5×4、Lyphard5×5、Flower Bowl≒Aureole6×6・6、Buckpasser7×5などで増幅させた配合で、こういうタイプが新潟マイルの新馬を33秒4の大外一気で勝ったという事実は重く...」(10/15)

まだ緩さの残る今ならば外回りの方が良さそうで、前走は物足りないと言えば物足りないですが、上がりの勝負になりましたし、控えた方が良いタイプでしょう。オープンでも通用すると思うんだけどなぁ。

 

さて、サマーバード産駒が2頭出走という点でも注目でしょう。

まだサンプルは少ないですが、やはりサマーバード自信を持つStorm BirdNijinskyを継続すること、そしてLassie Dear→Weekend Supriseという牝馬クロスも結果を残しているというのが面白いですね。ちなみに、今回出走する2頭はどちらも母がNijinsky持ちの1/4非Northern Dancerという配合系。これは偶然か、それとも必然か。

京都1800の新馬を大外一気で制した△エーティーラッセンは母がアグネスタキオン×NijinskyStorm Bird≒Nijinsky4・4・5×3と継続。これは母父タキオンが1/4非Northern Dancerとなる配合系でもあります。Nijinskyらしい胴長で、かといって完歩は大きくなくメイショウマンボ的走法に映りましたが...。再度の京都1800と雨が残る馬場はプラスでしょう。まぁ3着臭いけどなぁ。

夏の小倉で勝ち上がったサマーサプライズは、母がマンハッタンカフェ×Caerleonでこれだけでマンカフェの好配合で自身はStorm Bird≒Nijinsky4・4・5×4、マンカフェも非Northern Dancerですから、エーティーと同じように3/4Northern Dancer、1/4非Northern Dancerという配合形になっているんですね。こちらはちょっと足りない気がしますが。

 

ワンダープチュックは母のSecretariat≒Bold Bidder3×3らしい柔らか体質で、米血パワーも兼備ですから怠慢にはうつりません。内2000よりは外1800のタイプでしょう。でもヌーヴォレコルトになるにはもっともっとパンッとしないと。ハーツ×Secretariatは良いですが、Bold Bidderで増幅するとやっぱり3歳春には完成できない気がしますね。

 

ジェードグリーンはまるで父のようなピッチ走法。スズカフロンティアマカヒキショウナンパンドラと同じディープ×フレンチなんですが母母アンフォイルド(ホッコータルマエの母母でもある)のパワーが強く京都1800でバーンと弾けるタイプにはみえません。

 

アルテミスSも簡単に。

改めて書くまでもありませんが、ハーツクライ産駒というのは晩成で、2歳時に「これは!」というパフォーマンスを見せて、少し壁に当たってから古馬になって大成というジャスタウェイマジックタイム的な馬が多いです。

リスグラシュー(母リリサイドがなかなかの名繁殖の可能性アリ)は、自身がLyphard4×5・5、母がMill Reef5×3、5代母もHyperion3×3で桜花賞オークスタイプではあるでしょう。走らせるとやっぱりMill Reefの斬れというのも感じるんですよね。そしてやっぱりまだ非力な感は否めません。とはいえ、この相手なら走ってくるでしょう。

もう1頭の人気のハーツ産駒トーホウアイレスは、母母がブライアンズタイム×Junction(by Never Bend)ということで、ちょっと掻き込む走法含めそして母がタイムウェルテル(ブライアンズタイム×Sadler's Wells)のマジックタイムを想起させます。まぁやっぱり東京マイルで狙いたいタイプではないですね。

もう2頭のハーツ、ヒストリアとハートオブスワローもこの人気なら大注目。

ヒストリアGone WestらしさSecretariatらしさを感じさせる初戦でしたし東京替わりは歓迎のクチでしょう。母母Extraterrestral(ジャッジアンジェルーチの半妹)のChop Chop4×3のパワーも良いですね。

ハートオブスワローPOG馬ですが、母イソノスワローはオークスイソノルーブルの娘で、アドマイヤマックスでモンストールを、マイネルラヴでトラストワンを輩出した名繁殖。Northern Dancer+SecretariatのChief's Crown×ハーツクライではヌーヴォレコルトベルラップが出ていますし、サイデーサイレンスを1/4非Northern Dancerとする配合系。Secretariatらしいストライドで走るので中山マイルよりは圧倒的に東京マイルで、この鞍上ですし外差し馬場にでもなれば十分通用でしょう。

 

フローレスマジックサトノアリシアに加えて、2歳戦らしいスローなあばピッチのシグルーンアピールバイも上位は狙えそうです。

 

スワンSは、「大型馬の休み明けでまだ体ができていない」とはいえ、完成されたサトノアラジンの馬体はすごすぎて◎でいいし、名血のディープのお嫁さんになるアルビアーノも◎でいいんですが、◎エイシンブルズアイの京都外1400というのが最高に合う気がしてなりません。ダンスディレクターも1400ベストですが、Nasrullah×Hyperionの斬れなので直線に坂が欲しく、高松宮記念に来年こそは出よう☆当然Alzaoダンシングブレーヴサトノルパンも昨年は敗れましたが京都外1400なら警戒。

 

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【参考】

日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)

望田潤氏のブログ 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog

栗山求氏の連載『血統SQUARE』http://www.miesque.com/motomu/works.html

覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)