4歳上500万下

〝血統表〟と〝現実〟のすり合わせ、サラブレッドの〝個性〟の〝解釈〟

ナンヨーイザヨイ ~ エイシンフラッシュの日本適性を継承。Mr.Prospectorのスピードとは何か

ちょうど昨日、マンハッタンカフェエイシンフラッシュの独血の話を書きました。マンハッタンカフェでいえば、いかに「Halo≒Boldnesian的な血」を、エイシンフラッシュでいえば「Mr.ProspectorRed God≒Stay at Home的な血」を増幅して日本向きの軽やかなスピードを拾い上げるかが重要だ、ということでした。

そして、「Halo≒Boldnesian的な血」「Mr.ProspectorRed God≒Stay at Home的な血」とはなにかというと、Nasrullah(≒Royal Cherger、3/4同血)と、Sir Gallahad(=Bull Dog)と、Blue Larkspurと、Pharamond(=Sickle)である、と。

昨日書いたもの以外で代表的な「Halo≒Boldnesian的な血」「Mr.ProspectorRed God≒Stay at Home的な血」といえば、Flaming Page(Nijinskyの母!)です。そしてマンハッタンカフェNijinskyの相性の良さは、レッドディザイアヒルノダムールの血統表をみれば分かります。

血統表を載せるのは面倒なのでしませんが、Flaming PageはBull Dog=Sir Ghallahad、Blue Larkspur、Pharamondを持っていて、日本におけるNijinsky産駒の名馬マルゼンスキーのスピードはまさしくFlaming Page≒Buckpasser3×2で証明できます。

函館2歳に出走するナンヨーイザヨイは、母シャルルヴォアがスペシャルウィーク産駒のNijinsky≒Far North4×3(Northern DancerとFlaming Pageの3/4同血)、Flaming Page≒Buckpasser5・5×5という見方もできます。

エイシンフラッシュの日本適性――あの閃光の斬れ――の源である「Mr.ProspectorRed God≒Stay at Home的な血」を増幅させることに成功しているのです。もちろん、これがHalo(→サンデーサイレンススペシャルウィーク)とも脈絡してスピードが発現しているわけです。

 

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マンハッタンカフェから読み解く日本適性

マンハッタンカフェで重要なのは、いかに自身が持つHalo≒Boldnesian的(2×4)的な血を増幅するかです。では一体、「Halo≒Boldnesian的な血」とはなにかというと、Nasrullah(≒Royal Cherger、3/4同血)と、Sir Gallahad(=Bull Dog)と、Blue Larkspurと、Pharamond(=Sickle)です。

Nasrullahは説明不要、Sir Gallahad=Bull DogはTeddyの、Blue LarkspurはDominoの後継ラインで、父系としては途絶えてもなお影響力を発揮しているのは、さすがTeddy、さすがDominoと言ったところです。

TeddyやDominoの硬派なマッチョ米血と、Nasrullah=Royal Chergerの柔軟性が絶妙に中和したところに、日本適性――スピードの米でもなくスタミナの欧でもない、その中間点に位置する――が生まれているのでしょう。

独血を持つマンハッタンカフェエイシンフラッシュが日本で活躍したのも、これらの血を増幅させることに成功したからです。

マンハッタンカフェは先述の通りHalo≒Boldnesian

エイシンフラッシュは母がRed God≒Stay at Home4×6、そこにMr.Prospector(父キングズベストKingmamboMr.Prospector)が効いています。ちなみにMr.ProspectorはSickle、Nasrullah、Bull Dog、Blue Larkspurを持っています。こうして独血過多のムーンレディの中から僅かなスピードを拾い上げたのです。いや、むしろ僅かだからこそ絶品の斬れになったともいえる。

ラジオNIKKEI賞を制したメイショウテッコンもまさにマンハッタンカフェの教科書的配合。母がMr.Prospector3×4なのですから。さらに「Bold Ruler+Bull Dog+Pharamond」みたいな血もちらほら見られます。

しかし、これがディープインパクトとなると――もちろんヴィブロスシンハライトマカヒキなど、Haloクロスの馬も活躍するが――配合(母)を選ばずに重賞級の馬を輩出し続けてしまう。だからこそ〝スーパーサイアー〟なのです。

独血統、マンハッタンカフェとエイシンフラッシュに共通する二面性

テイエムオペラオーの引退レースの有馬記念を制したのは3歳のマンハッタンカフェでした。トゥザヴィクトリーのつくる緩い流れの中でマンカフェのHalo≒Boldnesian的なフワッとした機動力、瞬発力が活きたのです。

しかしマンカッタンカフェは菊花賞天皇賞(春)を制しているように、RibotAllegedのスタミナも兼ね揃えていました。

8年前のダービーを究極の切れで制したのはエイシンフラッシュ。その切れの源は母ムーンレディのRed God≒Stay at Home(=Boldnesian)4×5、そしてムーンレディにキングズベストが配されてできたMr.ProspectorRed God≒Stay at Home3×5・6です。もちろんダービーや毎日王冠の切れも見事ですが、3歳オルフェーヴルのスロー有馬2着や、3歳ゴールドシップ有馬で内から一瞬抜け出した脚(当日三浦皇成騎手に乗り替わり)は、じつに〝らしい〟もの。

しかしタフな馬場だった天皇賞(春)でも2着に好走しているように、代々重ねられてきたHyperionとSon-in-Lawの正当な英国的スタミナも垣間見えました。

 

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derby6-1.hatenablog.com

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僕が何を求めて競馬を観ているかって、エイシンフラッシュの【ゴールドシップが焼死した有馬記念】での一瞬の脚を見て「らしいな~」と思うためです(笑)。

これ、競馬だから「ん?」と思うだけで、ほかのスポーツなら当然のことです。ワールドカップでエムバペの「らしい」スピードを見て唸りたいから観ているんでしょう?

ブログタイトルの下にも書いてあるように、こんな感じで血統表と現実を擦り合わせて、競走馬の個性を解釈するのが私の醍醐味です。

 

そんなわけで今年もダービー・デイ

考察を書く気力が湧いてくるかどうか微妙な前夜です(^^;)

 

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〝垂れない〟〝切れない〟走りはやっぱりHyperionが強かったのか

本当はヴィクトリアマイル前夜に書こうと思っていたのだが、仕事が立て込んでいて今日になった。

京王杯SCで着眼したのはラインスピリットの4着。母リボンストライプはウイニングチケットの全妹でHornbeam≒テスコボーイ3×3のNasrullahHyperionのクロスで、父スウェプトオーヴァーボードが内包するフォーティナイナーも三代母CourtesyがNasrullah× Hyperionの組み合わせ。やっぱりこれだけNasrullahHyperionが増幅されていると、いくら短距離の先行馬だろうと、中京1400とか東京1400とか、急坂+長直線での好走を考えてしまう。だから高松宮記念でも毎年注目していたのだが、今回は生涯ベストといってもいい走りだったのではないか。年齢を重ねてHyperionが成熟してきたともみてとれる。自分の注目していた馬が、自分の考えた通りの走りを見せる――これでもう満足している自分がいる。つまり、これが自分の競馬観だと思うこの頃である。

 

NasrullahHyperionという観点でいうと、アエロリットは大跳びだからてっきりNureyev的――ジャングルポケット的斬れだと思っていたが、中山記念の〝垂れない〟走りやヴィクトリアマイルのイマイチ〝切れない〟走りを見ると、やっぱりHyperionネオユニヴァース×Nureyev、もっと言えばポインテッドパス+Nureyevなのだなぁと思った。だから案外、男馬がいてタフな流れの安田記念の方が向いているのではないか。それでも胴長大跳というのはNasrullahの影響なのだろう。

 

さて、オークス。キレッキレのアーモンドアイと競馬上手なラッキーライラックブエナビスタレッドディザイアを想起させます。最近だとハープスターヌーヴォレコルトもそんな感じだった。オールドファンはどちらも〝最近〟なんでしょうけどね。

忙しい毎日ですが、オークス・ダービーくらいはじっくりと思索を巡らしてみますよ。

忘れられない馬、忘れられないレース

追記しますが一先ず。

 

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大器は遅く成るの理にて。

忘れられない馬、レインボーライン

忘れられないレース、第157回天皇賞(春)