4歳上500万下

〝血統表〟と〝現実〟のすり合わせ、サラブレッドの〝個性〟の〝解釈〟

‟斬れ”と‟粘り”と体質

フィエールマン菊花賞を制しました。

また名文を貼っておきます(笑)

Noir et Orを見たことがなくても、Noir et Orの産駒や孫を見たことがなくても、その血統表から描けるイメージだけでオナニーできてしまうのが血統予想の面白いところなのでね
Noir et Orはたぶんサッカーボーイみたいなやつなんですよと、だからきっと京都外回りを上手にくだることができますよと、そういうイメージを提供できるような血統予想をいつも書きたいなあ…とは思っています
今年の菊花賞は、Noir et Orとステイゴールドが上手にくだって叩き合ったレースでした
でもいくら血統派がNoir et Orでうなっても、やっぱりスローでディープか、やっぱりノーザンか、やっぱりルメールか、とばかり言われるのはあんまり面白くない(^ ^;)

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4戦目、そして7月以来のレースで勝ち切ってしまったことは偉業としか言いようがありませんが、今年の菊を観て想起したことはフランス血統の‟斬れ”

日本ではHighest Honorが代表的でしょうか、レーヴドスカーの産駒、そしてジュエラーなどフランス血統は斬れに斬れる。しかし、その分体質的な弱さがネック。

一方、その分キタサンブラックダイワメジャーに代表されるHyperion的な粘りは体質的な強さも兼ね揃えています。キタサンはまさに無事之名馬、ダイワメジャーも怪我を克服して活躍しました。

デニムアンドルビースマートレイアーもそうでしょう。デニムは怪我を克服した後も牡馬混合重賞で善戦、スマートレイアーも息の長い活躍を見せていて距離適性が伸びてきたのもHyperion的です。

レースで粘るためには、心肺機能的な特質ももちろんありますがそれ以上に精神的な強さも必要。そしてそれは怪我の克服とも無関係ではないと思うのです。

彼らの母系の血統表を凝視してみてください。 

 

秋天はレースの質によってマイラー(寄りの馬)が好走したり(リアルスティール。モーリスはちょっとモノが違ったかな)、ピッチ走法(カンパニー、スクリーンヒーロー)が好走したり、重厚ストライドスペシャルウィークメイショウサムソン)が好走したり、Hyperionの持続力が爆発したり(ダイワスカーレットジャスタウェイキタサンブラックダイワメジャー)します。

だから、もしトウケイヘイローが飛ばしたジャスタウェイ秋天がスローだったらピッチ走法のコディーノ(5着)がもっと善戦していたかもしれない(まぁそれで2着を死守するジェンティルドンナはやはり名馬なのですが)。

これは天皇賞だけでなく東京のレース全般に言えること(安田記念もスローだと小回り中山記念向きのロゴタイプが勝てる)で、今年の秋天は中山向きの馬が先行出し抜けするんじゃないかと思っています...

そういうレースになるとスワーヴリチャードが安田記念を使ったのはプラスに働きそうかなとも。

‟抜かせない力”がイイ

好きなレースの一つにハーツクライ有馬記念があります。もう何度も書いているので詳述しませんが、ハーツクライの本質はアイリッシュダンス――トニービン×Lyphardなのです。つまり、HyperionとFair Trialを通じたSon-in-Law(ハイインロー)のスタミナ。

JCまでは素質だけで追い込んでいたけど、体がパンとしてくると先行できるようになって本質である‟抜かせない力”を発揮できるようになった――。

ハイインローの抜かせない力は、同じルメールで言えばリトルアマポーラエリザベス女王杯(先行)がそうですし、今パッと浮かぶところではバブルガムフェロー秋天ワンアンドオンリーのダービー、神戸新聞杯

もちろん、キタサンブラックダイワスカーレットダイワメジャーの二枚腰も血統的本質は同じです。

さて、前置きが長くなりましたが菊花賞に出走するステイフーリッシュも同じような特徴を持っている馬です。指した共同通信杯でイマイチ、先行した神戸新聞杯の快勝は、ハーツクライのJC→有馬、ワンアンドオンリーの皐月→ダービーを想起させます。

同じステイゴールドでも、エタリオウやアフリカンゴールドやシャルドネゴールドはStorm CatGone Westを通じてナスキロ血脈が入るのでステイフーリッシュほどの男らしさは出ません。

まぁ、個人的に抜かせない力がある馬が好きなので、もし好走した時に公開しないように仕事の合間に書いてみただけの話です。

と、ここで思ったのですがステイフーリッシュの母はカウアイレーンでした。なにかと勘違いしているようです。ただこれまでのレースを見て、ハイインロー的な母を想起していました。相当ロベルトのスタミナが発現していると思うが、どうだろうか。

サウジアラビアRC短考

グランアレグリアは、母がNijinskyのクロスで胴長、そこへきてSir Gayload≒Secretariat6×6・6だからダラーンとした斬れ方で、こういう馬を2歳のマイル重賞で信用するのはどんなものか。サトノアラジンの2歳~3歳と同じようなイメージだ。

ドラウプニルは、ルーラーシップ産駒で母がアグネスタキオン×ウインドインハーヘアウインドインハーヘアは伝統的英国スタミナ(HyperionとLady juror)凝縮、でタキオンアグネスレディーが脈絡し、エアグルーヴトニービン×ノーザンテーストだから、またHyperionとLady juror。これがダイワスカーレットHyperion二枚腰に出るのか、エアグルーヴドゥラメンテ的ナスペリ斬れに出ているのかは分からないが、後者ならばコース替わりは◎

ハーツクライでもシュヴァルグランのようなタイプもいればマジックタイムやタイムフライヤーのような内回り捲りタイプもいるように、シャドウエンペラージャスタウェイでも後者タイプ。となると東京は?

アマーティセグリオスエリオルは、父云々というより、手堅くスピードを伝える牝系ですから、こういうタイプを2歳重賞で抑えるというのはアリ。スピードならサムシングジャストも。

 

ナンヨーイザヨイ ~ エイシンフラッシュの日本適性を継承。Mr.Prospectorのスピードとは何か

ちょうど昨日、マンハッタンカフェエイシンフラッシュの独血の話を書きました。マンハッタンカフェでいえば、いかに「Halo≒Boldnesian的な血」を、エイシンフラッシュでいえば「Mr.ProspectorRed God≒Stay at Home的な血」を増幅して日本向きの軽やかなスピードを拾い上げるかが重要だ、ということでした。

そして、「Halo≒Boldnesian的な血」「Mr.ProspectorRed God≒Stay at Home的な血」とはなにかというと、Nasrullah(≒Royal Cherger、3/4同血)と、Sir Gallahad(=Bull Dog)と、Blue Larkspurと、Pharamond(=Sickle)である、と。

昨日書いたもの以外で代表的な「Halo≒Boldnesian的な血」「Mr.ProspectorRed God≒Stay at Home的な血」といえば、Flaming Page(Nijinskyの母!)です。そしてマンハッタンカフェNijinskyの相性の良さは、レッドディザイアヒルノダムールの血統表をみれば分かります。

血統表を載せるのは面倒なのでしませんが、Flaming PageはBull Dog=Sir Ghallahad、Blue Larkspur、Pharamondを持っていて、日本におけるNijinsky産駒の名馬マルゼンスキーのスピードはまさしくFlaming Page≒Buckpasser3×2で証明できます。

函館2歳に出走するナンヨーイザヨイは、母シャルルヴォアがスペシャルウィーク産駒のNijinsky≒Far North4×3(Northern DancerとFlaming Pageの3/4同血)、Flaming Page≒Buckpasser5・5×5という見方もできます。

エイシンフラッシュの日本適性――あの閃光の斬れ――の源である「Mr.ProspectorRed God≒Stay at Home的な血」を増幅させることに成功しているのです。もちろん、これがHalo(→サンデーサイレンススペシャルウィーク)とも脈絡してスピードが発現しているわけです。

 

derby6-1.hatenablog.com

マンハッタンカフェから読み解く日本適性

マンハッタンカフェで重要なのは、いかに自身が持つHalo≒Boldnesian的(2×4)的な血を増幅するかです。では一体、「Halo≒Boldnesian的な血」とはなにかというと、Nasrullah(≒Royal Cherger、3/4同血)と、Sir Gallahad(=Bull Dog)と、Blue Larkspurと、Pharamond(=Sickle)です。

Nasrullahは説明不要、Sir Gallahad=Bull DogはTeddyの、Blue LarkspurはDominoの後継ラインで、父系としては途絶えてもなお影響力を発揮しているのは、さすがTeddy、さすがDominoと言ったところです。

TeddyやDominoの硬派なマッチョ米血と、Nasrullah=Royal Chergerの柔軟性が絶妙に中和したところに、日本適性――スピードの米でもなくスタミナの欧でもない、その中間点に位置する――が生まれているのでしょう。

独血を持つマンハッタンカフェエイシンフラッシュが日本で活躍したのも、これらの血を増幅させることに成功したからです。

マンハッタンカフェは先述の通りHalo≒Boldnesian

エイシンフラッシュは母がRed God≒Stay at Home4×6、そこにMr.Prospector(父キングズベストKingmamboMr.Prospector)が効いています。ちなみにMr.ProspectorはSickle、Nasrullah、Bull Dog、Blue Larkspurを持っています。こうして独血過多のムーンレディの中から僅かなスピードを拾い上げたのです。いや、むしろ僅かだからこそ絶品の斬れになったともいえる。

ラジオNIKKEI賞を制したメイショウテッコンもまさにマンハッタンカフェの教科書的配合。母がMr.Prospector3×4なのですから。さらに「Bold Ruler+Bull Dog+Pharamond」みたいな血もちらほら見られます。

しかし、これがディープインパクトとなると――もちろんヴィブロスシンハライトマカヒキなど、Haloクロスの馬も活躍するが――配合(母)を選ばずに重賞級の馬を輩出し続けてしまう。だからこそ〝スーパーサイアー〟なのです。