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4歳上500万下

“血統表”と“現実”のすり合わせ、“競走馬の個性”の解釈

東 京 優 駿 前 々 夜 思 索

●うーん、ダンビュライトは内枠がプラスに出るイメージがあまりないですよね。隊列はクリンチャー、その後ろにマイスタイルとトラストという形で簡単に決まりそうな気がしますが、こういうすんなり想像がつく展開予想というのは外れることが多い(^^;)

●それでも、その予想通りに昨年のような緩い流れになれば、有力どころでは①スワーヴリチャードの“詰まり“事案が発生する可能性が高まる(内枠が巧い騎手ではあるが)、②アルアインペルシアンナイトの2000寄りの瞬発力が活きる(後者は折り合いが難題となるが、それについて鞍上は巧い)、③ピッチ走法レイデオロの瞬発力も活きる(が、前受けできないとトゥザワールド的脚の余し方の懸念アリ)、④アドミラブルには厳しい、ということは考えられる...

●サトノアーサーの右手前得意説とは反対に、ダンビュライトは中京の新馬でもサウジアラビアRCでも直線半ばで左手前に戻してからの伸びが素晴らしく、ドゥラメンテと同じ右手前<左手前ならば左回り<右回りではありますが、過去の左回りのレースでは早めに左手前に戻している...ということはドゥラメンテ的再加速で好走するかも?(ルーラーシップ×Rivermanなら東京がマイナスとなることはないだろうし)

クリンチャーディープスカイ×ブライアンズタイムのGraustark5×4、Danzig4×3で、母系の奥にも複数のHyperionとFair Trialがあり、ディープスカイのナスキロ的な斬れというよりもアグネスレディー的な、ダイワスカーレット的な粘着力を増幅した配合で、こういうタイプがダービーに出ること自体が感慨深い。

それでも懸念している事案が最も起こりにくそうなのはスワーヴリチャード→サトノアーサーとみてますけどね。

土曜は大して注目馬いません~

 

derby6-1.hatenablog.com

 

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【参考】

『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)

望田潤氏のブログ 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog

栗山求氏の連載『血統SQUARE』http://www.miesque.com/motomu/works.html

『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)

《論点》第78回東京優駿 ~ スワーヴリチャードとワンアンドオンリーの類似点 / カデナとマカヒキの相違点 / サトノアーサー唯一の懸念とその払拭可能性etc...

大前研一氏風タイトル(笑)

この混戦模様をみていると、どうしても2012年の安田記念を思い出します(1番人気サダムパテック)...

ダービーの論点が書いてあるのは以下のエントリーかな。

derby6-1.hatenablog.com

derby6-1.hatenablog.com

最有力とみているのがスワーヴリチャードで、手前の関係で明らかに右回り<左回りであることに加え、ハーツクライのダービー馬ワンアンドオンリーとの共通点が非常に多い。胴長体型で明らかに大箱向きであること、3歳のこの時期に先行できるほどパワーが発現していること(ワンアンドオンリーアイリッシュダンスのスタミナを活かすために天才を鞍上にダービーで初めて先行して栄冠をもぎ取ったが、既に共同通信杯でそれが出来ることを証明している)、皐月賞で無理をせず脚を余して敗れたこと、そしてワンアンドオンリー世代が、「 “晩成ハーツクライの牡馬が春2冠で好勝負可能” ということは “その世代の牡馬レベルが低い” ということ」でもあるのではないか、と訴えかけており、思えばあの年もハープスターがいて、今年も“牝馬のレベルが高い”ということは良く言われていたといました...

ここまで簡単に推理できてしまって良いのかと不安になります。スローの団子一団競馬だと内で“詰まる”という事象が発生しやすいですが、鞍上はオークスレッドディザイアなど、良くも悪くも枠なりの騎乗が巧い鞍上でもあります。

ただ、これは牝馬よりも牡馬にいえるのですが、晩成なハーツクライ産駒がクラシックを制するということは、逆にいえば世代レベルがそんなに高くないということではないかとも思うんですね。これはきっとワンアンドオンリー世代が訴えてきているんでしょうけど、さすがに昨年(マカヒキサトノダイヤモンドエアスピネルリオンディーズディーマジェスティ)や一昨年(ドゥラメンテ / キタサンブラック / サトノクラウン / リアルスティール / アンビシャス)に比べると、今年は牡<牝な感がありますし。

スワーヴリチャードは、右回りだと手前の替え方が下手だし、胴長だし、やはりダービーでこそだろうと思っていましたが、パドックを見ても誰がみてもわかる胴長体型。

皐月賞で脚を余して負けたハーツクライ産駒”といえば、ワンアンドオンリーが思い出されますが、ダービーで初めて先行したワンアンドオンリーとは違いこの馬の場合は共同通信杯でも皐月賞でもスタート後先行しています。皐月を終えた段階で最もダービー馬に近い位置にいるのはこの馬になったでしょう(こんなに簡単にいく気はしないけど)。

カデナディープインパクト×フレンチデピュティAureole持ちというところまでマカヒキと同じ。Haloクロスがあったマカヒキはダービーでそれまでの追込一辺倒の競馬から脱却し中団からレースを進めることができましたが、果たしてカデナはそれができるかどうか。不器用さが“6月の良馬場の東京”、ダービーというレースではマイナスに出る可能性が高いのではないかと思います。個人的に福永騎手にダービージョッキーになってもらいたいという気持ちは強いのですが。

1番人気もありえるアドミラブルは、バレークイーントニービンシンボリクリスエス×ディープインパクトを配された馬で、ディーマジェスティと同じディープ×Roberto+Sadler's Wellsで、Burghclere≒Petingo3×6も持つというのがなかなか。カデナやアルアインとはタイプの違う中長距離型パワーディープで、良の東京の2400m、ダービーというレースがベストかといわれれば違うでしょう。ですからペルーサ的敗戦(彼もスタートを決めていればどうなっていたか分からないのだが)が頭をよぎります。しかし青葉賞の内容がちょっとこれまでにないもので、世代レベルが高くないのであればこういうタイプが勝ち切るという結末もなくはないのかなと。それでも懐疑的ですが。

アルアインは、私には“母のスプリント的パワーをディープが問答無用で伝えてくる柔軟性で中和してBurghclere≒Flower Bowlもあるよ”くらいしか分からない配合で、皐月の時計勝負からのパフォーマンスアップはないだろう、そして抜けた存在でもないのであれば2冠はないだろう...と考えていますがよく分からないです。

もしかしたらアドミラブルとともに“非皐月賞組”の1・2番人気を形成する可能性すらあるサトノアーサーは、ディープの好配合ですがSir Gaylordだけが気になっていました。しかしほかの部分が完璧なので2勝はするだろうなといった見立てでした。新馬戦では、“すごい馬だな”と思ったのと同時に、4角での加速の悪さがどうしても気になり、その一瞬の反応の良し悪しがSir Gaylordの影響であり、それが瞬発力勝負になり易いダービー敗戦の僅かな差に繋がるのではないかという懸念があります

しかし、デビューから4戦全てで右回りを使われ、直線半ば以降で右手前に戻してからのエンジン再点火に目がいきます。左回りでは直線に入って最初から右手前ですから、もし仮に右手前が大得意なのであれば、先述の一瞬の反応の良し悪しを抹殺するほどの爆発力がある可能性も考えられます。いずれにせよディープ産駒の中では好走する可能性がかなり高い1頭と思います。

ペルシアンナイトはモズカッチャンと同じハービンジャー×NureyevというNasrullahHyperion(=ナスペリオン)斬れで、1800くらいがベストのクチでしょうから2400ならばスロー歓迎(折り合いは難しくなるが)。かなり能力を買っているので、勝ち切りもあるんじゃないかと思う反面、ローテ等の雰囲気的には掲示板どまりだよなぁという思いもあります。

レイデオロSeattle Slewシンボリクリスエスの影響で胴長ですがBuckpasserのクロスなのでピッチ走法で走るので大箱の瞬発力勝負は歓迎でしょう。ダービーで好走するイメージは湧きます。ただ“前受け”という工夫は必要で、それができる馬なのかどうか。藤沢クラシックになってほしい気持ちも強いんですが。

ちなみにカデナとレイデオロは誰でも分かるような好配合でPOGでも指名しており、福永騎手と藤沢先生というダービーを獲ってほしいホースマンが手掛ける馬で“勝ってほしい”欲が強いです。

あんまり印を打つのは好きじゃありませんがダービーだからということで打つならば◎スワーヴリチャード○サトノアーサー▲レイデオロ、こんなところですか。

 

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【参考】

『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)

望田潤氏のブログ 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog

栗山求氏の連載『血統SQUARE』http://www.miesque.com/motomu/works.html

『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)

《回顧》第78回優駿牝馬 ~ 日本的なレースを制したのは

オークスは特段緊張することも興奮することもなくスマホ観戦、結果も何ら驚くこともありませんでした。

 

オークス桜花賞に出ていたマイラーも出走することから激流となり差しが決まりやすいレースですが、昨年と今年は流れ自体は緩め(ヴゼットジョリーも厳しかったでしょう...)。

そうなれば視界さえ開ければソウルスターリングであり、モズカッチャンフローラSの再現でしたが、こちらが思っていたよりも少し力があったよう。

アドマイヤミヤビリスグラシューのハーツ勢はもっとスタミナが要求される流れが良かったですが、前者はジャスタウェイワンアンドオンリーのように「“中距離で先行できる” = “アイリッシュダンスのスタミナを活かし切れる”」域まで完成していなかったということだし、後者はハーツながらアイリッシュダンスのスタミナというよりもMill Reefの斬れが武器になっている以上善戦ウーマンではないかという見立てのまま。

 アドマイヤミヤビは(いや、ミヤビに限らず多くの上級ハーツ産駒に共通することなのだが)、ハーツクライのコピーのようなイメージで、ハーツクライサンデーサイレンス産駒ながら父の斬れではなく、好配合の母アイリッシュダンスのスタミナを活かす競馬でGIを勝ち切ったように、やや前受け or 激流でこそ持ち味が活きるでしょう。そして今回はそれができる鞍上、そういう流れになり易いレースではあります。当然、阪神マイル<東京2400

そして晩成の父ながら、この時期に一線級でやれるというのは、レディスキッパーのクロフネ×デインヒルのパワーが、“ダート向き”だとか“スピード不足”という方向ではなく、“芝向きの筋肉の補完”、“体質強化”という良い方向に発現したということで。また、クロフネ×デインヒルでも、ライクザウインド(Alzao(Sir Ivor))でなければ、ズブいステイヤーかダート馬で終わっていたと思うんですよね。やはり最も日本向きなHaloと血統構成が似た血(Sir Ivor)を1つでも合わせることは重要だと感じます。

ソウルスターリングは中距離馬ではありますが、マイル向きのスピードも発現しているといった感じで、東京2400は問題ないでしょう。良馬場でこの好枠からレッドディザイア的な抜け出しが出来れば馬券圏内は外さない気がします。

リスグラシューは望田先生の“女ローズキングダム”という表現が秀逸で、アイリッシュダンスのスタミナを活かすというよりはMill Reefらしい斬れが武器ですよね。ハーツクライの特長が特長になっていないタイプなので善戦ウーマンというのも納得がいきます。だからこそこの鞍上によるもうひと押しがほしいんですよね。

紫部分は少し見誤っていたかな(-_-;)

逆にアドマイヤミヤビも前受けできているわけではありませんが、ハーツ産駒が“3歳早春のマイル重賞を勝ち切った”という事実が、本格化というか、既にGIで勝負できるということと等しいでしょう。

ディアドラは岩田騎手も期待通りの好騎乗で、まさにペプチドサプル2017になりました。こういう馬がアネモネを走っているんですから馬の個性を見抜くのは難しいです。

現実的に最も伏兵として可能性がありそうなのはディアドラではないでしょうか。ハーツにNureyevを合わせたNasrullahHyperion配合で、1400やマイルで勝ち切れず位置取りも後方からになっていた...ということはつまるところ中距離馬なのでしょう。(昨年の矢車賞勝ち馬でオークス4着のペプチドサプルと被ります。彼女も窮屈そうにアネモネSを走っていたなぁ...)。もちろんローテは気になりますがこの鞍上で好枠を活かすことができれば楽しみです。

フローレスマジックはそういう流れを自ら作って、この走りは好走の部類に入ると思います。パワーが付き切るのを待ちましょう。

フローレスマジックは、ただでさえ晩成の配合(とはいえ完成の早さは牡<牝なのでアラジンよりは完成が早いと思う)で、さすがに2400よりは1800-2000がベターなタイプなので、オークスにしては緩い流れだった昨年(シンハライト)や2004年(シーザリオ)のような流れになってどうか。

アドマイヤミヤビホウオウパフュームビッシュ的に乗れないのはまだ本格化ではないということでしょう。先述したようにディアドラは完璧でした。

 展望記事を総合すると、アドマイヤミヤビ×ミルコ騎手(先行?) /ディアドラ×岩田康成騎手(ヌーヴォレコルト的に内をしつこく) / ヤマカツグレース×横山典弘騎手(どこかで内に入れてスタミナ温存) / ホウオウパフューム×松岡正海騎手(ビッシュ的に) の走り、騎乗に注目ですね。

こちらも先述しましたが「タフな流れにならずハーツ勢の真骨頂がみられなかったなぁ」というのは事実なのですが、これも何度も書いていますが、“好位置を取り、残り600m400mをいかに早く走るか”という日本競馬の特徴は、日本の“血統が淘汰される基準”なのであり、そのことにより血統レベルは向上していくのです。だから単に「スローだスローだ」というところで思考が止まっていてはいけない。

(しかしその日本らしいレースを制したのはFrankel×スタセリタでした...)

緩い流れになればソウルスターリングだと思うんですがね~

逆にタフな流れでのアドマイヤミヤビやホウオウパフュームの真骨頂もみたいですよ。

 

 

derby6-1.hatenablog.com

derby6-1.hatenablog.com

 

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【参考】

『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)

望田潤氏のブログ 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog

栗山求氏の連載『血統SQUARE』http://www.miesque.com/motomu/works.html

『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)