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4歳上500万下

“血統表”と“現実”のすり合わせ、“競走馬の個性”の解釈

第151回天皇賞(春) ~ 3200でそんな長い脚使えるんか。

第151回天皇賞(春)

◎ ⑩ラブリーデイ

○ ⑥ホッコーブレーヴ

▲ ⑭フェイムゲーム

△ ⑨クリールカイザー

△ ⑯ウインバリアシオン

 

昨年の天皇賞と比較して変わった点は強い4歳馬が2頭出現した以外特にない。しかし、「天皇賞を最高に面白くさせる枠順は?」と聞かれたらこれだ!というような枠順になった。ゴールドシップ最内、サウンズオブアース、アドマイヤデウス8枠。このおかげで予想が楽しかったし、一段とワクワクできる天皇賞となった。

 

1番人気のキズナは、武豊が「戦法は変えない」と言っている以上今年も勝利はもちろん、3着以内でさえ外す可能性が高いとみている。目先の勝利や、乗り替わりを気にせず自身の末脚を最大限に活かす自分の型があることは良いことだ。ただそれは京都3200でハマるものではない。ディー産駒らしからぬムチムチの肉体は天皇賞を制する馬とはどうもイメージが異なる。最も能力を発揮できるのは2000M前後だろう。能力の高さは認めるが、今回は重い印を打てない。

 

ゴールドシップ天皇賞を制すにはとにかく早め早めの競馬で無尽蔵のスタミナを活かすしかないが、その競馬が最もやりにくい最内枠を引いてしまった。1周目の4角までにどの程度の位置が取れるのか。前、外と馬に囲まれていては、ホームストレッチや向こう正面で進出しにくくなり「何もできずに終わる」ということまで考えれる。ただでさえ京都は苦手というわけではないだろうが、ベストではないわけで完璧に乗っても勝ち切ることは難しいはずだ。

 

重賞連勝のアドマイヤデウスは、母母がステイヤーS3着のアドマイヤラピスだが元を辿ればバレークイーン一族と同じSunnyValley系であり、小回りをマクることに長けた血統。中山2500をマクって勝利した前走はこの馬のベストの形だった。京都で勝利を挙げているもののこの馬にとって京都はスピードと瞬発力の比重が高すぎる。コーナーが緩く急坂の無い京都外は適性が高いとは言えない。

 

サウンズオブアースは上記3頭の中より懸念材料は少ないが、この枠だとどう乗れば勝ち切れるのか分からない。外からキズナウインバリアシオンがマクるわけで、マクりが終了した後からスパートを開始しても届かないし、一緒に動いたとしても勝ち切るほどの力はないであろうし...。はたまた先行しても同じで...。内枠なら間違いなかったのだが...。

 

それならばウインバリアシオンだ。前走は内で脚を貯める競馬を試し、2着と好走したものの走りが窮屈になってしまい今まで通り外から惰性を付けていく競馬がベストという発見があった。この舞台の適性の高さは誰もが認めるところで、乗れているリーディングジョッキー福永であれば過去の天皇賞よりもやや前からの競馬をするのではないかとみている。衰えを指摘する声もあるが、昨秋は脚元を考慮しての調整が行われており、馬自身も脚を気にして走っていたようであり完全な参考外。普通に乗れば普通に来る。

 

大穴は初めての京都外が合うような気がしてならないクリールカイザー。ダンシングブレーヴ=リファールとBMSサッカーボーイの血を持っているのはホッコーブレーヴと同じだ。4角を後続と差がある形で迎えることが出来れば粘り込みの可能性はある。

 

フェイムゲームは無尽蔵のスタミナを持つが、ゴールドシップ同様に脚が遅いタイプだ。昨年のようにキズナウインバリアシオンと同じ競馬をしていてはスピード、瞬発力で劣る。であるならば、ゴールドシップの欄で指摘したように積極策を取るしかない。昨年の宝塚記念でも前目の競馬をし、北村宏も「強気の競馬を」とコメントしている通り前付けが予想される。テンがそれほど速くないので外目の枠もプラスに出るかもしれない。アルゼンチン共和国杯ダイヤモンドSの勝ちっぷりが異常で、ここ1年での上昇度はメンバー随一。イメージはマイネルキッツだ。

 

ホッコーブレーヴは母系がダンシングブレーヴ×サクラショウリ×ファバージパーソロンで平坦向き、かつ下り坂適性が高い。条件戦で東京のスローを大外一気していた馬で、「横山典弘がポツンして内を突いて3着」というイメージが当てはまる馬だ。舞台適正の高さとG1通用の力は昨年証明済みで、同じ枠番。同じ競馬が出来るとは限らないが、同じ競馬が出来る条件は揃ったわけで上位に評価しない手はない。

 

「お前京都3200でそんな長い脚使えるのか」と、驚かされるのが近年の天皇賞ヒルノダムールフェノーメノのように、それには内で脚を貯められること、2000Mの時計的実績が必要であるのは周知の通り。ラブリーデイはキンカメではあるものの母系がダンスインザダーク×トニービン×リアルシャダイで、分かりやすく言えばドゥラメンテというよりレーヴミストラルのような長い脚を持続することに長けた血統。それに加えて、父の産駒らしいレースセンスを受け継いでいる。そしてラキシスで神騎乗を見せキズナを破った名手ルメール。欲を言えば東京2500を勝ち切れる、ルルーシュくらいのスタミナが欲しかった。そのためラストはさすがに甘くなるだろうが3着で十分だ。

 

同じ発想だと、カレンミロティックやラストインパクトでもアリだが前者は差して来るイメージが湧かず瞬発力という点で劣りすぎている。さすがにもう少し切れがほしい。後者は前の馬を抜かない気性で、そのために早めの競馬をするのであればスタミナ不安が残り重い印は打てなかった。

 

レースは生き物であり何が起こるかは分からないが、それを可能な限り自分の脳内で考えてレースを観ることでより面白くなる。天皇賞(春)は最もそれが楽しめるレースだ。今年も堪能しようではないか。

 

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