「素質」
サトノアラジンは毎日王冠で2着。素質は誰もが認めるところだが、その「素質」が、マイラーの土俵になった天皇賞(秋)でモーリスのように中距離馬たちをぶち抜くところまでゆける「素質」なのか、そういう天皇賞(秋)ならば中距離のGIでも好走できますよというレベルの「素質」なのか。これがが春興ステークスを制したあたりからのこの馬に対する興味である。新潟でのデビュー(わたしは高校3年生だった)から早4年、舞台は整う。
先述した“そういう土俵”になれば、所謂“牝馬の切れ”も活きるだろう。本来であればドバイターフを制した国際GI馬ヴィブロスは天皇賞(秋)に出走するべきだと私は思う。
ルヴァンスレーヴ
プラタナス賞も楽勝したルヴァンスレーヴは歴史あるファンシミン牝系。ファンシミンは猛烈なパワーを誇るAlibhai系で、シーホーク、ノーザンテーストと配されて(これはAlibhaiのクロスこそないものの、Alibhaiのパワーを増幅させる配合をしている)重賞5賞のダイナフェアリーがうまれた。そのダイナフェアリーにリアルシャダイが配されAlibhaiをクロス、さらにティンバーカントリー、ネオユニヴァースときて最後はシンボリクリスエスでRoberto3×4。育成方法にも因るのだろうけれど、こういうタイプはノーザン<社台だよなぁ。
血統的な本質
秋華賞はレース予想をするならば、飛びの大きく内回りで包まれることだけは避けたいアエロリットが前走同様内枠でどう乗るか、逆にファンディーナはこの枠から横綱勝負で全能力を出し切ってどうなるのか等、論点はあるが出馬表をみたときに湧いてきたのはヴゼットジョリーとタガノヴェローナへの感情である。
今日の阪神メーン、ポートアイランドSには好きなヴゼットジョリーが桜花賞振り復帰していた。以前から何度も何度も取り上げてきた馬だが、やはりマイルは短いのだと思う。その割にはマイルで先行するスピードも持ち合わせているのだが、やはりもっとこう母系のスタミナが呼び覚まされるようなレースを走ってほしいものだ。また繰り返しになるがだから“アースライズ的激流オークス4着”、“エリ女凡走急坂アリ愛知杯差し込み”タイプなのだろうから。
タガノトネールは非常に印象深い馬で、2015年のプロキオンS(7番人気4着)と最後のレースになってしまった武蔵野Sで◎にしました。
時計が出るダートなら59キロでもモーニンで仕方なしかなと思いますが、人気がないのならタガノトネールで遊んでみたいところ。
このブログでも何度も取り上げていますが母タガノレヴェントンはキングカメハメハ×トニービン×Nureyev、3代母もHyperion4・4×3・3という屈指のHyperionの塊で、年齢を重ねた今ならば1400<1600でHyperion的粘りが発揮されるでしょう。フェブラリーでも馬場が渋ったことを恨みますが0.5秒差6着と悪くない競馬でした。
Hyperionが完成されて迎える来年のフェブラリーSで期待していただけに本当に無念です。
半弟タガノエスプレッソは父がブラックタイドですから、さらに粘着型なはずで、キャンベルジュニアなど好メンバーが揃った豊明Sを逃げ切ったのは展開にも恵まれていましたが、この血統配合なら「逃げ切り」というのが当然ともいえます。今なら内回り1800-2000でみてみたく、まだまだこれからの馬です。
先日のダ1200のデビュー戦で2着だった半妹タガノヴェローナも、「クロフネ×Hyperion凝縮」という同じ配合系でカレンチャン、スリープレスナイト、ホエールキャプチャらが出ているように好配合なので将来は明るいでしょう。
《チャンピオンズC》サトノアレス / ホッコータルマエ / タガノトネール(タガノレヴェントン) / ロワジャルダン - 4歳上500万下
秋華賞は内回りだが、ハイペースになると決して内回り向きとはいえない馬同士の末脚比べ(ミッキークイーン→クイーンズリング、5着アースライズ等)になることもある。となると、彼女の、傍からみればアッと驚く好走、私からすれば真骨頂がみれるかもしれない。
タガノヴェローナはさすがに勝負にならないだろうが、1200mでデビューした馬が、“1700mを前受けして粘り勝つ競馬でGI出走切符を勝ち取った”ということが、彼女に対する血統的な本質である。
タガノヴェローナは時間が経つにつれて“血統が出てきた”のであり、期間は異なるがサトノアラジンの成長過程と同じ現象なのだ。