今日は鎌倉へ行ってきます。
先週の2歳戦、各馬の詳細については週末のエントリーに書きました。
京王杯2歳ステークス
函館2歳、小倉2歳の1着~3着馬がそろい踏み、例年よりもレベルは高かったと思いますが、やはり阪神1600で弾け切れるだろう馬は見当たりませんでした。
レーヌミノルはダイワメジャー×Caerleonの好相性、母ダイワエンジェルは2010年生まれのダイワストリームからレーヌミノルまで5年連続でダイワメジャーを配されていて、その全てが中央で勝利を挙げています。
問題は、マイルでメジャーエンブレムのような強靭な粘着力を発揮できるか否かです。ポイントとなるのは3代母ギフトプリンセスのSuncourtとHeliopolis
Suncourtは、Hyperion産駒で母InquisitionがGainsbrough、Cyllene、Desmondを持ちLady Angelaを増幅、HeliopolisもHyperion×Swynford
メジャーエンブレムと比較すると、母のWild Risk6×8によるPretty Pollyの増幅と、Northern Dancerクロスもありません。さらに単純に考えてタイキシャトル×ロイヤルスキーの母ではメジャエンのようにはなれないだろう...というのが現在の考えです。
他の馬で気になるのは週末に書いたようにジョーストリクトリくらいなんですよねぇ。
ファンタジーステークス
人気薄でもなかなか血統的に筋の通った馬が多かったんです。
モンローはニフティーハート
クールファンタジーは母がトニービン×ノーザンテースト×ヒッティングアウェー
メイショウカリンは3代母がBold Bikini
それでもこのメンバーなら、圧倒的人気のミスエルテの他に、内1400向きにみえるヤマカツグレースか、母父チーフベアハートのブラックオニキスのどちらかも3着は外さないだろうということで、この2頭からショーェウイ、アオアラシ、メイショウカリン、クールファンタジーにワイドをフォーメーションで流していたんです。しかし圧倒的最下位人気のショーウェイならばミスエルテからで良かった...
ミスエルテはもう何回も書いていますが、Sadler's Wellsやデインヒルには手を触れずにMiswakiだけを増幅。それでもFrankelはSadler's Wells×デインヒルという一流のパワーも一定は伝えるので、柔剛のバランスが良い、ゴムマリのような弾力性の高い体質に出たんですね。
その他注目2歳馬
社台系ディープPOG(10頭持ち)指名馬のクリアザトラックは、やはり少しパワー型でカミノタサハラは超えそうにないですがNHKマイルには出走できるかも...というのが1戦終えての感想
百日草特別のカデナは非社台系ディープPOG指名馬で、今回は思ったより中距離馬体型にみえました(毎回見え方が違うので本当に馬体をみる目はない)。これは毎日杯3着くらいはやれるかもです。
日曜東京新馬の社台系キンカメPOG指名馬のダイワキャグニーは、配合通り「まぁこれくらい走るよなぁ」という走りで大物感はありませんが確実に賞金は稼ぐでしょう。
同じレースに出ていた社台系ハーツPOG指名馬の中でも相当期待していたサトノグランは4着。ちょっとトモが小さく見ましたし、直線では左にヨレてから伸びてくれませんでした。しかし気品や大物感は感じましたのでクラシックは無理かもしれないけれど、ハーツらしい成長力で相当な素質は確認できました。
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デイリー杯2歳S
リナーテは、母のパワーとスピードが発現していて初戦は性能が違ったという勝ち方。少し背中の長い体型は兄に似ていてこれはBackpasserの影響でしょうか。ただ、ステゴに母の米血パワーを補ったという配合で重賞まで突き抜けるイメージは湧きません。
ジューヌエコールもききょうSはモノが違ったという勝ち方でしたが、ロッテンマイヤーのようにクロフネらしい硬さがみられ、こちらも重賞を突き抜けるとは考えにくい。
ディーパワンサも母のスピードで走っているので、2歳のこの時期ならマイル重賞を持っていっても不思議ではないですが、京都外マイルで、この馬でいいよねと言われると違う。
サングレーザーもSir Gaylordクロスの影響で細身で斬れますが、だからこそ2歳のマイル重賞を獲る馬ではないでしょう。
となると消去法的にタイセイスターリーかなと。母スターアイルはNorthern Dancer5・5×4、そこにNorthern Dancerを持たないマンハッタンカフェを持ってきたので母のパワーが如実に表れたような走り。距離延長と外回り替わりはそれほどプラスではないと思いますが、きっとこの時期のマイル重賞ならば1400型の方が良いはずですし、雨も残っているようならば。
ダイワメジャー産駒の2頭、ボンセルヴィーソの方は非社台系ダイワメジャーPOGの指名馬
ベルカプリは、マテンロウハピネスと同じダイワメジャー×Montjewで、あからさまなパワーパワーではなくMontjewの仏斬れも感じさせますし、Lady Jurorの影響か大のHigh Top(メジャーエンブレムが持つ)、Abernantも持ち、Lady Angela増幅に繋がるWild Risk、Aureoleを持っているのも妙。なかなか走る馬かもしれません。
東京4R 2歳未勝利
マイネルラプティスはブライアンズタイムでマイネグレヴィルを、バトルプランでマイネルシュバリエを産んだマルゼンスキー3×2の名繁殖マイネポリーヌの仔で、父はコンデュイットです( ̄ー ̄)
オメガドラクロワは、母がStorm Bird≒Vice Regent3×2、パワーに富んだ米血が豊富でHeliopolisも持つのでステイゴールドの好配合、450キロはありますし化けておかしくありません。3代母がナスキロのクロス、4代母がCount Fleetのクロスというのも面白い。
東京5R 2歳新馬
サトノヴィクトリー、ジョコンダⅡはステイゴールド(シャレードスマイル)もディープインパクトもベストではないでしょう。同世代でも既にSir Gaylordをクロスしたサトノアーサーが新馬戦は勝ったものの、ちょっと緩いかなという感じがしました...
京都3R 2歳未勝利
サンライズソウマは非社台系ダイワメジャーPOG指名馬で、母シースナイプはオープン馬で、マーメイドS4着、愛知杯5着などがあり、グラスワンダー×スペシャルウィーク(何てロマンチック)なので自身はダイワメジャー×グラスワンダーでサンデーサイレンス2×4
サンデーサイレンスのクロスは、ナカヤマフェスタ×タニノギムレットのサンデーサイレンス3×4であるヴォージュが活躍しているように、パワー×パワーの父と母父でこそ活きるのではないかと考えていて、まさに本馬はそれ。
京都5R 2歳新馬
マリノカーニバルはナカヤマフェスタ×マヤノトップガンなのでFlower Bowl≒Aureole5×6・7、Ribotもクロスしていてもう少し距離を伸ばしたダートで1勝くらいはしてもおかしくない。
コパノピーエルも非社台系ダイワメジャーPOGで指名していて、こちらは説明不要、コパノリチャードの全弟です。
京都12R 3歳上1000万下
いよいよジークカイザーが復帰を迎えますね~。
POGでも人気になっていましたが母ヒルダズパッションはNureyev≒Sadler's Wells4×3、Secrettame≒Lady Capulet3×3、Seattle SlewとFull Outはナスキロラトロが共通、Full OutはNashwanとCount Fleetを持つのでGold Diggerを増幅してもいる...となかなかすごい配合
パワーも感じさせる走りですが、新馬→若竹賞(特にコーナリング)を観るとSir Gaylord≒Secretariatクロスの緩さがあるなぁといった感じで、そんな中でも中山1800を完勝するのですから素質は相当
京都外回りは合っていますしここはモノの違いで決めてほしいです。
武蔵野ステークス
時計が出るダートなら59キロでもモーニンで仕方なしかなと思いますが、人気がないのならタガノトネールで遊んでみたいところ。
このブログでも何度も取り上げていますが母タガノレヴェントンはキングカメハメハ×トニービン×Nureyev、3代母もHyperion4・4×3・3という屈指のHyperionの塊で、年齢を重ねた今ならば1400<1600でHyperion的粘りが発揮されるでしょう。フェブラリーでも馬場が渋ったことを恨みますが0.5秒差6着と悪くない競馬でした。
馬場を考慮すれば相手はキングズガードやソルティコメントあたりなのかなぁ~
デイリー杯と武蔵野Sは、「うまぐりちゃん」にも予想を投稿するので良かったらご覧ください。
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【参考】
『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)
望田潤さんのブログ http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo
栗山求さんの連載「血統SQUARE」http://www.miesque.com/motomu/works.html
『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)