イソノスワローの3/4米、1/4欧
LINEの自分だけのグループを作成し、これをメモ帳として使っているんですが、見返していると同じようなことが書いてあるんです。それは、「もっと大局的≒配合史的な視点で個々の馬の配合を見れるようにならなければならない」ということ。「ディープ産駒とこの血は相性が良い」「この馬にとって、この母母父が邪魔だ」といったことも重要ですが、具体的にいうと、「緊張と緩和」とかそういうことです。
マイネララヴを付けてもトラストワンを、アドマイヤマックスを付けてもモンストールを、スウェプトオーヴァーヴォードを付けてもラーストチカを、ハーツクライを付けても先日2戦目で勝利を挙げたハートオブスワローを輩出する名繁殖イソノスワロー。
ナスキロのクロス、さらに父デヒアの母Sister Dotはナスキロ(Secretariat)とBull DogとSickleを持ち、母の血を増幅したような相似配合になっているのが良いのかなぁ~と思っていましたが、大局的な見方をすれば、別のことが見えてきます。
イソノスワローの母イソノルーブルは、ラシアンルーブルの代表産駒でオークスを逃げ切った名馬ですが、その配合について望田先生は以下のように書かれていました。
イソノルーブルは父の米血には全くノータッチで、母はNasrullah3×3でPharos=FairwayとBlandfordで塗り固めた配合をしていて、この馬とアイネスフウジンはテスコボーイのスピードで東京2400を逃げ切ったといえますが、これはこれでなかなかの名配合
父ラシアンルーブルは、Nijinsky×Buckpasser×Princequilloで、3代母Lady Be Goodも米血
母キテイテスコは、Nasrullah3×3を含むBlandford6・5×6・6・6・5、Pharos=Fairway5・5×5・5という欧血
緊張と緩和で生まれた名馬で、そこにデヒアを配されたイソノスワローは、母母キテイテスコを1/4とした、3/4米、1/4欧という配合系。
とすると、配される種牡馬は「3/4欧、1/4米」か、「1/2欧、1/2米」が望ましいということになります。
イスノスワローの産駒の父は、マイネルラヴ→アドマイヤマックス→スウェプトオーヴァーヴォード→ディープスカイ→ハーツクライ。ハーツクライは「1/2米、1/2欧」の形なのでこれまで配されてきた種牡馬の中では最も合っているのかもしれません。
もっと単純にみれば、サンデーサイレンス以外のアイリッシュダンス、デヒア、イソノルーブルを通じる1/4非Northern Dancer、3/4Northern Dancerの配合系、Northern Dancer+SecretariatもChief's Crownでヌーヴォレコルト、ベルラップと結果が出てますし、誰がみても悪くない配合ではあるんですが。
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【参考】
『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)
望田潤さんのブログ http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo
栗山求さんの連載「血統SQUARE」http://www.miesque.com/motomu/works.html
『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)