【外国産馬・持ち込み馬考察】Frankel産駒
Frankelは圧倒的なスピードで14戦無敗、古馬になってからは2000mも難なくこなしました。百年に1度レベルの、まさに「怪物」でした。2000ギニーは恐ろしいですよ、もうw
Galileo×デインヒルというニックス配合で、パワー満点の馬ですから、日本で走らせるとなるとやはり「柔らかさ」と「俊敏さ」を増幅させる必要がありそうです。
となると、必然的に重賞になるのはGalileoの母父Miswakiでしょう。父Mr.Prospectorに加え、母Hopespringseternalはナスキロ、Tom Fool、War Admiral、La Troiennneという重要な血を全て併せ持っています。
望田先生の分かりやすすぎるエントリー。
やっぱり「組み合わせのクロス」が全て。
Galileo直仔は日本で「走った」とまでは言えないのですが、最近では母父Galileoのヴァンキッシュランがダービーに出走しましたし、血統表の3代目にSadler's Wellsが置かれる、3代目J Soul Brothersならぬ「3代目Sadler's Wells」は、リオンディーズ、エピファネイア兄弟、トーセンラー=スピルバーグ兄弟、ディーマジェスティなど、活躍馬が続出しています。
Frankelの場合も「3代目Sadler's Wells」になりますので、その点からもGalileoよりは走ってくれるのではないかと思います。
日本でデビュー予定のFrankel産駒は9頭。
その中で注目馬を挙げていきます。
Indiaの2014【モズアスコット】
血統情報:5代血統表|_________|JBISサーチ(JBIS-Search)
単純にMiswaki4×3にもなるのですが、BMSがヘネシーなのでHopespringseternal≒Terlingua(ナスキロ+Tom Fool)5×4・4ともいえるかと。さらに、3代母父がNijinskyなので、Flaming PageでTom Foolの血(MenowとBull Dog)を増幅できているのも良いですね。
更に牝系はブライアンズタイムなどと同じGolden Trail、叔父には2012年のウッドワードSなどを制し種牡馬のTo Honor and Serveがいます。一流牝系というのも素晴らしい。
Rose of Summerの2014【ライズイーグル】
血統情報:5代血統表|ライズイーグル(IRE)|JBISサーチ(JBIS-Search)
マテラ○○でお馴染の大野さんと森厩舎のコンビ。
Sadler's WellsとナスキロとTom Foolという見方をすれば、Galileo≒El Prado2×2といえそうだし、母にはWar AdmiralとLa TroiennneというBusanda的な血はないにしても、Mr.Prospectorはあるので、Galileoの血をなかなか増幅させています。Sadler's Wellsでみれば3×3になっているのが少し怖いですが、なかなか興味深い配合です。
Eden's Causewayの2014【クーファディーヴァ】
血統情報:5代血統表|_________|JBISサーチ(JBIS-Search)
お馴染ゼンノサーベイヤーの半妹で、Theatrical、タイキブリザード兄弟やパラダイスクリークなどのツリーオブノレッジの牝系、2代母父NorthfieldsはHabitatの半弟です。
BMSはGiant's Caisewayなので、Hopespringseternal≒Terlingua5×4、RahyでNasrullah+Tom Foolも増幅できていますね。やはり兄同様軽いスピードが持ち味になりそうです。
イルーシヴウェーヴの2014【イルーシヴハピネス】
血統情報:5代血統表|_________|JBISサーチ(JBIS-Search)
母は2009年の仏1000ギニー馬、ノーザンファームの持ち込み馬で、2015,2016年産はもちろんディープインパクトです( ̄▽ ̄)
Miswakiと同じくMr.Prospector+ナスキロ+Tom Fool+War Admiral+La Troiennneを併せ持つElsive Qualityが母父父、つまりMiswaki≒Elsive Quality4×3というなかなかすごいニアリークロスができます。
が、Danzig4×5やRainbow Quest4×3もあり、全体的に相似配合のようです。
母は仏1000ギニー馬、「父母相似配合は競走能力を示した両親の配合が成功しやすい」という望田先生の言葉からもこれは期待してしまいますね。
グッドウッドマーチの2014【ファヴォーラ】
血統情報:5代血統表|_________|JBISサーチ(JBIS-Search)
セレクトセール2014当歳で9600万でした。こちらは三嶋牧場さんの持ち込み馬、2015,2016産はもちろんディープ。
Danzig4×3、Blushing Groom5×4など、イルーシヴウェーヴの仔と同じような相似配合で、Miswaki≒Lassie Dear4×3(ナスキロ+Tom Fool)が目立ちますし、母自身がTom Fool4×4でもあります。
ミスエーニョの2014【ミスエルテ】
血統情報:5代血統表|ミスエーニョ(USA)|JBISサーチ(JBIS-Search)
ノーザンファームの持ち込み馬。
母はNijinsky5×5でTom Fool増幅、Pulpit×ヘネシーなので自身はHopespringseternal≒Weekend Surprise≒Terlingua5×4・5、また、Miswaki≒Pulpit4×2(Mr.Prospector+ナスキロ+Tom Fool+War Admiral+La Troiennne)でもありますかね。
こちらは他の馬に比べて、Miswakiの血「だけ」を増幅した感があるので確実に走ってはくれそうです。
この中でも特にいいなと思うのは、Indiaの2014【モズアスコット】とミスエーニョの2014【ミスエルテ】、Rose of SummerやイルーシヴウェーヴやグッドウッドマーチはMiswaki以外のところも攻めていて、確実性を求めると少し怖いです。
今年はPOG本を買わずに、ただリストと血統しか見てないので、育成がどんな感じなのかとかはよう分かりません~
イルーシヴウェーヴの血統をみていて改めて思いましたが、Vettori→Rissini(Miswaki×Elsive Qualityの母)でMr.Prospector+ナスキロ+Tom Fool、Rossiniとラストタイクーンで、ナスキロ+Buckpasser(Tom Fool+War Admiral+La Troiennne)の組み合わせのクロスで、サンデーサイレンスを介さずに日本の中長距離のトップホースが作れるということを教えてくれたサトノクラウンはすごいし、GIを勝たなければならないし、種牡馬にならなければならない<`ヘ´>
ジョコンダⅡは、ディープの2014産よりもキンカメの2015年産の方がもちろん楽しみではあります。
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【参考】
『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)
望田潤さんのブログ http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo
栗山求さんの連載「血統SQUARE」http://www.miesque.com/motomu/works.html
『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)