4歳上500万下

血統好きが大学生のころ書いていたブログ(今でもたまに更新)

先週の重賞回顧

ご無沙汰です。停滞していると、何かずっと同じことをやり続けていると、そのことが一時的に好きじゃなくなる。だけれども、他のことをやり出すとやっぱりそれが好きだったと気付く、「海外に行って日本の良さが分かりました」現象の競馬版が年に2回くらい起こるんですよね。3月に入ってからはそれで、なかなか書く気になれませんで...。

 

ひとまず簡単に先週の重賞を振り返ります。

 

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中日新聞杯

◎⑥アングライフェン

〇⑤サトノノブレス

▲⑱クルーガー

△⑧ブライトエンブレム

★⑯ヤマニンボワラクテ

◎アングライフェンは、母母がトランセンドの母シネマスコープで。この牝系はHyperionを豊富に持つのでマイネルラクリマなど成長力がある。肩が立っているからタフな馬場は巧いはずだし、得意な馬場状態だったとはいえ、前走の勝ちっぷりは本格化を思わせた。開幕週の中京は昨年の当レースのように前残りになることが多いし、スロー必死のメンバー構成からも一気の重賞制覇に期待したい。
人気の▲クルーガーは枠の分割り引いたが、将来的にはG1でも好走する馬だろう。

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16着サトノアポロまで0.5秒差でのゴール。ハンデ戦らしい1戦となりました。

開幕週の中京は開幕週らしく前残りになりやすいですが、このレースはペースを考えてもやはりイン前有利。差し馬でも4角で外々を回った馬には厳しいという、碇石通りのレースとなりました。2着ファントムライトはパロクサイド牝系×ノーザンテーストで「ナスペリオン」な母で、先行させた戸崎騎手の好判断。3着レコンダイトも母がMill Reel3×3にハーツクライなので「ナスペリオン」、道中巧く内に入れたことも好走の要因ですね。

 

サトノノブレスはいわゆる「斬れない」ディープ産駒で、それは母系のトニービンと、Alibhai→Traffic Judgeのラインの影響だと思います。望田先生のいう「力馬感」があり、川田騎手はこういうタイプが1番合っているんでしょう。タイプ的に一雨降った宝塚や有馬での好走なんかもあるかもしれません。

 

クルーガーはNureyev≒Sadler's Wells4×4の影響かパワー型で、外回りを追い込む競馬は向いておらず、差のない6着なら好走といって良い部類。将来的には宝塚や有馬で勝負になるほどの馬だと思っています。鳴尾記念なんかは合うでしょうね。

ん?結局サトノノブレスが1番人気だったんですね。やはり日本のファンはすごいです。

 

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中山牝馬ステークス

◎⑨ハピネスダンサー

〇⑮ルージュバック

▲④アースライズ

△②レイヌドネージュ

★⑥メイショウスザンナ

〇ルージュバック、▲アースライズが力上位だが、このメンバー構成で前残りになった場合、特に前者は8枠だし一抹の不安は残る。
◎ハピネスダンサーはフサイチエアデールフサイチリシャールライラプスなどを輩出したラスティックベル牝系で、この牝系はRaise a Native2×3らしいパワーを伝える。だからベストは内回りを2.3番手から押し切ることで、今回はそういった競馬ができそうなコースとメンバー構成。前走はスムーズさを欠きながら牡馬相手に0.2秒差。ここなら。
△★など内枠伏兵陣のイン差しにも注意が必要だ。

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今思えば、ルージュバックは内1800が向くタイプではないし、ここでは力上位ですから8枠は歓迎というべきでしたね。今回は落鉄していたようだし、復帰初戦としては悪くない内容でしょう。エンジンが乗るまで時間が掛かるタイプなので、広いコースで、ある程度距離が合って、底力が求められる流れがベストではあるものの、ジャパンカップだと今の日本競馬を考えると相手が強すぎますから、やはりエリ女止まりという馬なのかなぁ...

 

シュンドルボンHyperionが豊富な父母で、エリ女の内容からも重賞制覇できる器に成長したことは明白、ルージュバックにアクシデントがあって力でねじ伏せるならこの馬でした。僕は枠と鞍上の分割り引いてしまいましたが。

 

予想文章にも書いたように、穴なら上手く脚を貯められた軽量場ということで、メイショウスザンナの猛追がありました。4着アルマディヴァンも立ち肩だから、立ち回りの巧さを活かせる内1800は悪くなくスローで逃げればチャンスありだろうといった横山典騎手らしい騎乗。

 

ハピネスダンサーは外3あたりを取りたかったところで、クルーガーと同じようにこういうタイプが差しに回ると重賞レベルでは結果が出ませんよね。古馬になって馬が完成してきているならなおのことです。

 

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フィリーズレビュー

◎⑨アットザシーサイド

〇⑰カトルラポール

▲⑤ボーダレス

△②ソルヴェイグ

★③ダイアナヘイロー

◎アットザシーサイドは、キングカメハメハ産駒でもラブリーデイのように肩が立ったピッチ走法だから、器用な立ち回りを活かせる内回り1400mは巧いだろう。昨年のパフォーマンスからこのメンバーでは力は抜けているだろうし、復帰後の福永騎手の腕次第だ。
〇カトルラポールサンデーサイレンスを持たずDanzig3×2という強いクロスを持つ。マイル以下を先行して粘り切るスピードは抜群だ。

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キャンディバローズの逃げで、折り合いに苦労する馬が多く見られました。

 

ソルヴェイグはそんな流れの中インの3番手という絶好のポジション、肩が立っていて立ち回りも巧いですし、中日新聞杯のところでも書いたように川田騎手はこういう競馬が本当に巧い。血統的にいうと、Lyphardの母であり、トーセンラースピルバーグや、シーキングザパールやコメートらと同じ牝祖Goofedで、この牝系はCourt Martialのスピードを伝えているのかマイラーが多い印象です。母父ジャングルポケットでFair Trial的な血を増幅させていて、そこに父ダイワメジャー。やっていることはダイワスカーレットやメジャーエンブレムと同じような感じですね。大きく言うとHyperion+Lady Jurorといったところでしょうか。

 

ダイアナヘイローはやはり強いですね。別のところから引用します。

 ●コース替わりは微妙?
エルフィンSレッドアヴァンセの2着に好走したダイアナヘイローは、ステイゴールドショウナンパンドラサッカーボーイらを輩出するお馴染ロイヤルサッシュ牝系で、父がキングヘイローですので、キングヘイロー×サッカーボーイクリールカイザーに近い血統構成で、この血統は下り坂を下るのが巧いタイプに出ることが多く、前走の好走は下り坂のある京都外回りが向いていたという可能性もあります。能力のある馬だとは思いますが、ここは少し疑って抑えまで。

マーガレットSあたりからNHKマイル出走も狙えるのではないでしょうか?

 

 

金曜にウマニティさんのコラムを入稿して、土曜の夜にもう1度血統をよく見てみたらソルヴェイグ来るじゃんと思って、うまぐりちゃんの予想では△にしたんですが、コラムに書かなかったのは本当に痛恨のミスでした。

【報知杯フィリーズレビュー】血統考察 byうまカレ|競馬コラム|競馬予想のウマニティ - サンスポ&ニッポン放送公認SNS

 

しかし、ロンギングダンサーが逃げてファントムライトが先行したり、キャンディバローズが逃げてダイアナヘイローが行けなかったりするのが競馬。

まぁでもそういう勝ち負けを超越した何かが好きだから、日々競馬について考えているんだろし、自分はその「勝ち負け」の優先順位が他の競馬ファンよりも著しく低いのだなと思うこの頃。

 

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【参考】

『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)

望田潤さんのブログ http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo

栗山求さんの連載「血統SQUARE」http://www.miesque.com/motomu/works.html

『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)