レーヴドスカー×ディープインパクト
レーヴドスカーのことを書こうと思ったのはレーヴミストラルが日経新春杯を制したからじゃなくて、レーヴァテインが新馬戦を楽勝したからです。
今では、血統や配合が好みの馬=好きな馬になっていますが、競馬を始めたころは特に理由なく馬を好きになっていました。自分を競馬の世界に導いてくれたのはブエナビスタですが、1番最初に好きになった馬は間違いなくレーヴドリアンです。そしたら、菊花賞の後に腸捻転で無くなってしまって...。人生で初めて競馬で泣きました。それでも無念を晴らすように1つ下のレーヴディソールが無敗で朝日杯を制して、中学生の自分は「競馬ってドラマがあるなぁ」、「血統ってすごいなぁ」と思いましたね。
レーヴドスカーは仏産で、現役時代はサンタラリ賞(GI、芝10F)を制し、仏牝馬三款ではオペラ賞(GI、芝10F)、ヴェルメイユ賞(GI、芝12F)ともに2着、02年のジャパンカップにも来日しテイエムオペラオーの7着。
父Highest Honorはイスパーン賞(GI、芝9.25F)を勝ち、仏2000ギニー(GI、芝8F)やフォレ賞(GI、芝7F)で2着などがあり、Nasrullah5・5×4・4で、母はRiverman×Sir Gaylord×Nasrullah、レーヴドスカー自身はSir Gaylord4×4、レーヴ一族の斬れはこの血の影響が強いんでしょう。
しかし、レーヴドスカーが日本で優れた産駒を輩出できるのは、優れたスピードを持っているからでしょう。父Highest Honorも母父バイアモンも9F以下のGI勝ちがあります。
Highest Honorの母父Riverman(Never Bend×Prince John)は日本向きで知られていますが、Never Bendの母LalunはTeddyを3本クロスして、「Black Toney(Peterpan×母父Ben Brush←Lexington4×5)×La Troienne」のBimelechを母父に持ち、母はBlack Toneyのクロス。
先述Highest Honorの母のRiverman×Sir Gaylord×Nasrullahの奥にあたるHighest Honorの4代母Bonnie Berylは父父がSir Gallahadで、Celt≒Ultimus3×3、Ben Brushも持ちます。
レーヴドスカーの母父バイアモンの母母Locust Timeは母父がMahmoudですが、父Spy SongがPeter Pan3×3(Black Toney持ち)で、自身はMan o' War4×3
レーヴドスカーの2代母父Green Dancerの母母Sly PolaはPeter Pan4・4×6で、Black Toney3×5でもあり、別にUltimus(Domino2×2)も持ち、Man o' War4×4・4です。
種牡馬ディープインパクトは、ゴリゴリのスプリンター牝馬との配合でもマイラーに、ステイヤー牝馬との配合でも中距離馬に寄せてくるスーパーサイアーで、そのの中で米血パワーがある血といえば、Admiral Drake≒Sir Gallahad3×3、母がMan o' War3×4のHail to Reasonに、Alzaoの母Lady Rebeccaが内包する、Sir GallahadとMan o' WarとUltimusを持つAtticaと、Sir GallahadとUltimusを持つRomanでしょうか。
ディープインパクトとの配合だと、お互いが内包するパワー優先の血
・Domino→CommandラインのPeter Pan→Black Toneyや、Ultimus
・Man o' War
・Sir Gallahad(≒Admiral Drake)
が脈絡し、柔らかく、かつ強く動ける馬が誕生する(既にした)のでは?
米血と欧血の割合が程よい塩梅になっているようにも思います。
レーヴドリアン(父スペシャルウィーク)やレーヴミストラル(父キングカメハメハ)だとNijinskyのクロスになるし、レーヴデトワール(父ゼンノロブロイ)やアプレザンレーヴ(父シンボリクリスエス)だと少し米血が強かったのかもしれません。
ちなみに、Nasrullah、Royal Charger、Mahmoudが多いですが、Mumtaz Mahalの本数は11本(たぶん)
レーヴァテインはSir Gaylord6×5・5にもなるんですが、それを打ち消す程よいパワーが発現されているように新馬戦をみると(好きな血統だからひいき目だろうけど)思えたんですね。
これはひょっとするとひょっとするかも...?とにかく種牡馬ディープインパクトもすごいけれども、ディープインパクト×レーヴドスカーも素晴らしい配合なんじゃないかと思ったんです。
まーた青葉賞勝つんですかね~
【参考】
日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究(笠雄二郎著)