4歳上500万下

血統好きが大学生のころ書いていたブログ(今でもたまに更新)

愛知杯回顧 & 明日の新馬戦

第53回愛知杯GIII)

◎⑯シュンドルボン

○④マキシマムドパリ

▲⑭レイヌドネージュ

△⑦アースライズ

△⑰タガノエトワール

中京芝は開幕週だが、差しも効いているし、半周以上に1週は差しが効きやすいイメージがある。

◎シュンドルボンはNasrullahHyperionを積み上げてきた配合で、ドゥラメンテのように持続力ある斬れが魅力だ。

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中京1週芝は開幕週から差しが効くイメージがありますから、正攻法で持続差しの馬でいこうということで落ち着きました。パワーの要る中京の馬場を考慮すれば、ゼンノロブロイ×リッチダンサー、馬体重も500キロ超えのバウンスシャッセですよね(^^;)内枠で辺に包まれるのが嫌だなぁと思ったんですが、田辺騎手はこういう無欲の差し的な競馬が抜群に巧いですね。

2着のリーサルウェポンはディープ×Gold Legendという組み合わせ。Gold Legend(父Seattle Slew)はナンソープSなどスプリントGIを3勝したDayjur(父Danzig)の弟という血統で、父がSeattle Slewですから、Round Table4×4を持ちます。Seattle SlewはやはりBold RulerPrincequilloと、母My Chermerのパワーどちらも取り入れることができるので合いますね。A.P.Indyになると微妙なイメージがありましたが、ハートレーも出現しましたし、本当にすごい種牡馬だなぁと思います。

距離を気にした人も多いと思いますが、血統表の1/4にあたる母母Jet Routeは、近年だとプレイアンドリアルの母母で、Alyder×Katiesという良血馬です。Katiesは愛1000ギニーを制し、ヒシアマゾン=ヒシピナクル、ヒシナイル、ケイティーズファスト(アドマイヤムーンの母母)、ホワイトケイティーディド(スリープレスナイトの母)の母という名牝。KatiesがPharos=Fairway4×4、母母Jet RouteがNearco5×4、一流の牝系にAlyderやMy Chermerなどでディープ産駒で必須であるパワー補強をした配合。短距離血統でさえマイラーに寄せてくるのがディープ産駒ですから、今思えば2000ならこなせる下地はありました。これでまたKatiesのブラックタイプに太字が増えますね。

3着アースライズは母が英オークス2着、母系にセントレジャー勝ち馬のBustinoなどが入り消耗戦に強いのは牝馬三冠を見ても分かる通り。良く考えればヌーヴォレコルトオークス3着馬バウンスシャッセと4着馬アースライズでもありますね。

5着に追い込んできたレイヌドネージュは好きな血統。母イルノネージュはトニービン×リアルシャダイ×ノーザンテースト×スコッチプリンセス牝系(デュランダル等を輩出)、Hyperionが濃いんですがやっぱりデュランダルもそうだし、姉トランドネージュ、弟ファドをみても分かるように前向きな気性を伝えますね。ただスタミナはあるので貯めが効けば距離は持つという馬が多いように思います。

4着マキシマムドパリは体重を減らしての入厩だったそうで、状態も完調ではなかったでしょう。8着シュンドルボンも今回は上手に競馬をし過ぎましたね。

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明日の京都新馬はすごい良血揃い。

マエストロはオータムメロディーの仔。オータムメロディーは名繁殖Fall Aspen×Sadler's Wellsの母にKingmambo配されて産まれました。Nureyev≒Sadler's Wells3×2+Fall Aspenです。Fall Aspenは血統見ればとんでもないことが赤ちゃんでも分かる!ティンバーカントリーの母ちゃん、Dubai Milleniumの祖母ちゃん。アドマイヤムーンにこういうパワーは好印象です。

エクスプレスレーンはクイーンS3着などがあるカウアイレーンの初仔。ディープ×キンカメというのはデニムアンドルビーが出ていますが、Alzao≒ラストタイクーンになります。本馬の場合は母系にPocahontasの仔Chieftainを持つので、Lady RebeccaAlzaoの母)≒Chieftain4×4になります(NasrullahとPocahontasが共通)。さてどんな馬かパドックが楽しみ。

フリーフォールKingmamboの全妹Monevassia(リアルスティールの母母)にデインヒルGalileoと配されたワイがお母さん。ワイの全きょうだいにはヨークシャーオークスTapestry英ダービー馬候補とも言われたJohn F Kennedyなど。文句なしの良血。GalileoMiswakiの影響か緩い晩成産駒が多いですが、欧州でデインヒルとの組み合わせで活躍馬を続出させているように、パワー補強があれば早期から走っている、欧州版ディープといったイメージ。母のSadler's Wells≒Nureyev2×4やDanzigが上手く作用すればジュエラーのような仔も出せるのが種牡馬ヴィクトワールピサ、果たしてどんな馬か。ただでさえ大きく出るピサにデインヒルというのはイメージ良くないけれども、そんなことどうでも良くなるくらい息が漏れる良血ですから...

ゴールデンバイオPOGなんですが、ディープ×クロフネでNureyev持ち、4代母がDahliaですからVaguely NobleにAlibhaiなどがあります。早期からはどうかも、将来長いところでやれてよい馬。

 

中山も面白い馬がちらほら。

ネオヴェルザンディはBallade牝系で叔父がフサイチセブン。父はDynaformer産駒ですからダートでも面白そう。

マイネルピオネロハービンジャー×Montijeuという一見軽さのかけらもない配合に見えますが、母はAbernant≒Court Martial3×3を持つHigh Top4×4で、父が違えど半弟コスモピーコックは短距離馬です。ここがハービンジャーBlushing Groomの持つTudor MinstrelLyphardらと脈絡すればもしかするともしかして...。ないかなぁ(笑)

セシルクラウンはトーセンアルニカの全妹。Sadler's Wells≒Nureyev3×5・4になります。ただ牝系はダイナカール、そしてサムソンですから二兎を追ってもいるんですね。アイムユアーズを見ているとやはりFairy King持ちの種牡馬ともう1度配合されて欲しい母ですが、そんな種牡馬いるかな...

明日の新馬戦は本当に楽しみ(^O^)

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これから紅梅Sを考えます。

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【参考】

日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究(笠雄二郎著)

血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog

栗山求 Official Website