4歳上500万下

血統好きが大学生のころ書いていたブログ(今でもたまに更新)

阪神JF 見解①ステイゴールド産駒

先週の万両賞を制したアンシエルワープが出走するとなれば18頭はほぼ確定、そうでなければ既に17頭が出走確定しているのでとりあえず17頭の血統だけチェックしました。

 

種牡馬別で見てみると、ステイゴールド5頭ダイワメジャー4頭ディープインパクト3頭、その他は1頭ずつとなっています。ステイゴールド産駒が多いのは、現2歳世代がビッグレッドファームで繋養されていた時の産駒で、早期育成のビッグレッドグループの産駒数が多いからでしょう。(ウインファビラス、ウインミレーユ、ペルソナリテ)

 

ウインファビラスペルソナリテはどちらも「ステイゴールド×アドマイヤコジーン」という組み合わせでノーザンテースト4×4というクロスを持ちます。非力なステイゴールドに望田さんのいうところの「頑強さ」は必要不可欠ですのでこのクロスは大きいでしょう(オルフェーヴル=ドリームジャニー兄弟など)。どちらも俊敏に動くことができますが、桜花賞コースを柔らかくしなやかに差し切るようなタイプには見えないし、かといって先行して粘り込むクロフネサプライズトニービン)やオウケンサクラNashwan)のような重厚なスタミナがあるというわけでもありません。

 

ウインミレーユ天皇賞ビートブラックの妹。マイル戦で先行できる軽快なスピードがHalo≒Red God由来のものなのかは分かりませんが、この馬の5代母JenniferはHyperion×Blandfordという組み合わせで種牡馬プリメロの全妹にあたります。他にもHerbager、Flower BowlとHyperion系やSon-in-Law系のスタミナ豊富な血がありますので先行して粘り込んで馬券になるならこの馬かもしれません。Wild Risk6×6というクロスも持っていますね。

 

札幌2歳SアルテミスSをともに3着、前走出世レースの赤松賞を制したクロコスミアもなかなかの良血です。4代母はSea the Stersなどを産んだ種牡馬Cape Crossの母、ジュライC2着のIffraaj、安田記念2着のディクタットの母母などとして有名なPark Appealで、母母ショウエイミズキはディクタットの半妹にあたります。

マイル以下で活躍するPark Appealですが、母母は母父はTudor Minstrel系、母母はシーホーク×Fail Trialと、スピードの持続力に秀でた血統といえます。

母母のショウエイミズキはそのPark AppealにSadler's Wells、NashwanHyperionとFail Trialを強く伝える種牡馬を配されてきました。

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そこにボストンハーバーを配されて生まれた母デヴェロッペは中山1600mの菜の花賞(OP)を勝ち紫苑Sで2着になるなど活躍しました。

ボストンハーバーはどちらかというと、スピードやパワーを伝える種牡馬ですので、母母のスタミナがそのスピードによって活きたといえるのではないでしょうか。ノーザンテーストボストンハーバーの母父であるVice Regentはニアリーの関係になる(ショウナンパンドラの母キューティゴールドがこれ)のでパワー補強も出来ていると思います。

また、Nasrullahの濃いCapote、Nashwanと脈絡してWild Risk6×6(・9)となり斬れ味を注入している点にも好感が持てます。いつものジュベナイルフィリーズならもっとしなやかさがほしいところですが、抜けた馬が見当たらない今年のメンバーならばチャンスはありそうです。成長力も母系から保障されるでしょう。

 

夏の新馬戦でシルバーステートを破り、白菊賞を制したアドマイヤリード牝馬の鬼、松田博資厩舎ラストジュベナイルフィリーズに出走を果たせそうです。

母ベルアリュールⅡはフランスのGIIIヴァントー賞(9F)などを制した馬で、その父NumerousはMr.Prospector×Numberですからジェイドロバリーと全きょうだいの関係にあります。

母母Mare Aux FeesがPrince Bio4×5、Nasrullah5・5×5を持ち、ゼダーン→Kalamoun→Kenmare(Highest Honorの父)と続く父系に母父Irish Riverですから斬れるフランス牝系といえるでしょう。

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このようなタイプの牝馬の管理は松田調教師大得意の分野です。ただ母父Numerousのスピードもあるとはいえ、ステイゴールド産駒ならばもう少しパワー補強がほしいところです。実際に400キロ前後の小柄な馬です。

しかしこういった次のような見方もできます。中京の新馬戦ではパワーで突進するタイプのシルバーステートに比べるとかなりエンジンの掛かりが遅かった。スローペースでピッチ走法のワントゥワンなどが猛追してきたファンタジーSではエンジンが掛かっても時すでに遅しで敗れ、内回りだった白菊賞でもコーナーで上がっていけずに内を突いた...。フランス牝系の母に、フランス牝系のステイゴールド、血統的には斬れる要素は多いですから今回の出走メンバーの中で桜花賞コースに最も合うのはこの馬なのかもしれません。もちろん、パワー不足は否めませんが。

 

今年はディープ産駒はどちらかというと1400ベストというタイプが多いように思えるし、ステゴ産駒もやはり小柄な馬が多く桜花賞コースを差し切れるかは微妙、となると馬格があって自在なメジャーエンブレムか、デンコウアンジュの重厚斬れか、超スローの時のアットシーサイドのピッチ抜け出しか、なんて今のところは考えています。