4歳上500万下

競馬の愉しみ―それは「血統表」と「現実」のすり合わせ、競走馬の「個性」の「解釈」

第80回菊花賞 雑感

▼ヴェロックスHyperionが豊富で激流である程度前に付けて持続力を活かした競馬が合っている。ハーツクライ系はこのHyperionが発現するまでに時間が掛かり、シュヴァルグラン(JC)やリスグラシュー(宝塚)やヌーヴォレコルトオークス)やワンアンドオンリー(ダービー)、そして本馬の父ジャスタウェイ秋天)のように、いつしか先行抜け出してHyperionの持続力を活かし切るレースができたときGIで勝ち負けする。この馬の場合、新馬戦から緩さがなく先行抜け出して持ち味を発揮できていた。若駒S若葉Sこの馬の真骨頂というレースだが、持ち味を引き出してくれた鞍上が素晴らしい。それでもかかる馬なのでダービーでは中団から。結果的に末脚を伸ばしていたが、あれば「伸ばした」というより、ジワジワ脚を「使い続けた」というイメージだ。超Hペースの秋天Hyperionマンのトーセンジョーダンが差し切ったように―。

一言で言えば、ダイワスカーレットのような馬だ。だからベストは中距離での果敢な先行。直線に急坂があればなお良い。が、菊花賞は京都だ。菊花賞では、ヴェロックスと同じくHyperion的な持続力を武器とするワンアンドオンリーが「アレ、伸びない」という負けっぷりだった。思えば彼も若い頃は掛かっていたので、中団からレースをしていた。ヴェロックスも3000で先行できるか? フツーの差しに回ったら斬れる馬にやられてしまうぞ。斬れるサトノダイヤモンドとか、掛からないキタサンブラックとは違う。

▼ニシノデイジールメール替わりで内枠、うまく折り合って末脚爆発だ―と誰もが考える。僕もその可能性はあると思う。ただこの馬の場合、「中山のコーナリングが上手い」ことが京都外回りで気がかりなのだ。つまり、フィエールマンのようにストライドを伸ばす末脚ではないということ。もちろん東京でも東スポ杯を勝っているしダービーでも5着だがそれは地力の高さが成せる業で、今回も「そこまで」な気がしなくもない。まぁそれでも好走確率が最も高いのはこの馬だと思う。馬場が少し悪いのも、他馬と相対的に見ればプラスだろう。

▼馬場で言えばヒシゲッコウも同じだし、素質があって鞍上が神。フィエールマンイメージはこっちか。これは外回り向きの重厚な斬れだ。

▼だが今回いちばん注目しているのはユニコーンライオンだ。ライオンRHだし、馬名もなんか微妙?だし、血統もようわからんし、勝つときも着差つけないし...掴みどころがないのでいつも過剰“不”人気である。印象的なのは、いつも矢作師や担当の助手さんが「能力は高いが」「真面目に走らない」「気を抜く」「幼さが抜けない」というコメントを出していたこと。そこに気を抜かせない岩田騎手がマッチした。

助手さんは「スタミナはある」ともコメントしているが、血統をみるとナスキロだらけ。ナスキロだらけでダラダラ走り続ける長距離ランナーというとサトノクラウンがいる。しかもクラウンが京都記念を連覇したように、3角からダラーンと坂を下る京都も合う。神戸新聞杯も一番嫌いなヨーイドンのわりにはよく走っていると思う。枠も最高、騎手も最高、荒れてきた馬場もイイ。

▼ほか気になる部分を書き殴ると、サトノルークスは姉タッチングスピーチのように夏を越して成長してきたし長丁場もいいと思うが鞍上がもっとガシガシ系が良かった。

▼メイショウテンゲンは母メイショウベルーガが京都鬼だったことだけ気になる。

▼レッドジェニアルも京都は合いますな。神戸新聞杯もかかったわりに踏ん張っていた。ただ内枠がほしかった。

▼ホウオウサーベルは鞍上も魅力だが、スタミナに寄り過ぎている気がする。菊花賞はスタミナ順に決まるレースではない。