4歳上500万下

“血統表”と“現実”のすり合わせ、“競走馬の個性”の解釈

《走り出して半年》ここまでのタートルボウル

タートルボウル産駒が走り出して半年ほどたちました。悪くない結果と思いますが、相当に期待をしていたので残念といえば残念ではあります。

現代競馬に大きな影響を与えているMumtaz Mahalの子孫が豊富(Royal Cherger≒Nasrullah=Rivaz≒Pherozshah6・6×6・7・6・6)であることに着目し、このスピードは日本向きだと感じました。

1年前の以下の浅い考察は、このブログの中で最も読まれているようです...(汗)

derby6-1.hatenablog.com

 

ここまでの産駒をみる限り、どうやらNasrullah≒Royal Chergerのスピードは伝わっていることは確かなのでしょうが、ちょっと単調さを伴って伝わっているというか、サンデーサイレンスのように”メリハリの効いた”筋肉として伝わっていないのではないかと思うのです。

 

強いクロスを持つ繁殖牝馬との組み合わせ

また、自身が強いクロスを持たないので、強いクロスを持つ繁殖牝馬との相性が良いことは間違いないようです。

中央で勝利を挙げた馬たちは8頭いますが、アメイズミーは母アルーリングアクトがMr.Prospectpr3×3、ラバピエスは母サルスエラがマンハッタンカフェ×ハルーワソングでHalo≒Boldnesian≒Red God3・5×4・4、ルートディレクトは母がHail to Reason4×4、トリオンフは母がNorthern Dancer4×4、デフィは母がMrdaglia d'Oro×フェスティバルでNorthern Dancer4×4と、母が4×4以上のクロス、ニアリークロスを持っていました。

残る2頭のうちの1頭アンデスクイーンも、母はキングカメハメハ産駒ということもありNorthern Dancer5・5・7×4、母母はペルスポートにノーザンテーストサンデーサイレンスナスカですのでHalo≒Red God2×4という強いニアリークロスを持ちます(自身はNight Shift≒ノーザンテースト3×4)。

 

Habitat増幅とBull Dog(=Sir Gallahad) ~ シンボリクリスエス / ダンスインザダーク / スペシャルウィーク

また、以前から注目していたのは非常に遺伝力があるHabitatを増幅するということ。タートルボウルが欧州で輩出した2頭のGI馬はどちらもHabitatのクロスを持っていたという事実もあります(同時にヴェンチアのクロスも持っていた)。

Habitatは「”非常に柔らか体質なナスキロ血脈”Sir Gaylord×”スピードが魅力”Occupy←Bull Dog」という組み合わせで、名繁殖Plucky Liege(Bull Dog=Sir Gallahad、Admiral Drakeの母)5×4という牝馬クロスを持っています。

少し話が逸れるのですが、”底力”という点で、Teddyという血が相当重要な役割を果たしているのではないかと最近考えています。欧州でのBold ReasonNever Bendのニアリークロスで活躍馬が続出していること、そして先日引退したモーリスもTeddyの血量は相当なものがありました。

HabitatSir Gaylord×Occupy(←Bull Dog)のBull DogというのはTeddy×Plucky Liegeであり、米血の活躍馬にBull Dog=Sir Gallahadという全きょうだいクロスというのは良くみられます。

Habitatの構成血脈の中でもこの「Bull Dog(=Sir Gallahad)というのが重要な役割を果たす(タートルボウルに限った話ではないが)」のではないかと考えています。

 

Habitat、つまりSir Gaylord×Occupy←Bull Dog(=Sir Gallahad)を増幅する...と考えた時に頭に浮かんだのがシンボリクリスエスサンデーサイレンス×Nijinskyの代表的な活躍馬であるスペシャルウィークダンスインザダーク

シンボリクリスエスはKis S.≒キロフプロミエール2×2(Nasrullah≒Royal ChergerとPrincequilloとOccupyが共通)というニアリークロスで、エピファネイアという大物を出しました。

また、スペシャルウイーク(母父父)とダンスインザダーク(母父)に含まれるNijinskyは母父Bull Pageの父父がBull Dog

ダンスインザダークの母ダンシングキイはFlaming Page≒Tom Fool2×4なのでBull Dog5×6(フェデラリスト/カイザーバルの「エンパイアメーカー×ダンシングキイ」の相性の良さもBull Dogの影響が大)

スペシャルウィークの母父マルゼンスキーNijinsky×BuckpasserでFlaming Page≒Tom Fool3×4のBull Dog5×5

どちらもマルゼンスキーダンシングキイというNijinskyのBull Dogをクロスした母父と母を持ちます。

またスペシャル、ダンスどちらの母もPrincequilloも持ち、父はサンデーサイレンスですからRoyal Cherger(≒Nasrullah)、Princequillo、Bull Dogと一応Sir Gaylord×Occupy←Bull DogというHabitatの血脈はカバーできます。

 

母父シンボリクリスエスタートルボウル産駒3歳は4頭いて、3頭がデビュー、そのうちルートディレクトが勝利

母父ダンスインザダークタートルボウル産駒3歳は6頭いて全てデビュー、そのうちトリオンフが勝利。ディセントラフジマサスターダムも悪くない走りを見せており勝利できそう。

母父スペシャルウィークタートルボウル産駒3歳は5頭いて、4頭がデビュー、そのうちシェルブルックピンクスターは未勝利で2着があり、レッドラトナ新馬戦は1番人気に推されていました(4着)。

 

少し話を広げ過ぎましたが、もしタートルボウルから大物が出るならば、それはBull Dog=Sir Gallahadの血量は多い馬からなのではないかと思うのです(ちなみにアメイズミーはリアリーハッピーの牝系ですので、4代母がBull Dog3×2というクロスを持っている)。

 

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それでも芝のマイル~1800で斬れる馬を多く輩出することを期待していたのですが、さすがに上手くはいかないようです。

しかし未勝利で惜しい競馬を続けている馬たちが多いですし、未勝利戦も半年以上続きますから暖かく見守っていきたいところです。

 

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【参考】

『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)

望田潤氏のブログ

 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog

栗山求氏の連載『血統SQUARE』

http://www.miesque.com/motomu/works.html

『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)

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