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4歳上500万下

“血統表”と“現実”のすり合わせ、“競走馬の個性”の解釈

菊花賞と2016牡馬クラシック回顧

競馬を観初めて7年、高校生の頃まではファンファーレの時はめちゃくちゃ鼓動が速くなり、手に汗を握って観ていましたが、並みのGIではそれほど緊張しなくなりました。それでもやっぱりクラシック、特に皐月賞東京優駿菊花賞というのは別格で、この興奮をあと50年くらい味わえると思うと、競馬に出会えてよかったなと思います(笑)

 

【菊花賞】血統考察 byうまカレ|競馬コラム|競馬予想のウマニティ - サンスポ&ニッポン放送公認SNS

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サトノダイヤモンドは、「母のパワーが発現して体質が硬くなっているようにみえる」と書いていたんですが、私は血統以上に馬体をみる目はありませんで、今日のパドックをみると硬さは感じられなかった。

今日の勝ち方は、「能力と京都適性の差」だったと感じました。やっぱり京都外回りの、「下って平坦」というのは、ピッチ走法よりはある程度前脚が伸びる走りの方が良いですし、柔らかい体質の方が良い。ディーマジェスティと比べると、明らかにHalo≒Sir Ivor3・5×5・4らしい柔らかさがあるから下りが巧いんですね。

そういう、「能力と京都適性の差」という点からエピファネイアを想起させるような勝ち方でした。

 

Halo≒Sir Ivorというのは突き詰めると、Nasrullah≒Royal Cherger+Tom Fool的な血統構成Pharamond=Sickle、Bull Dog=Sir Gallahad、少しのDomino~Command系Blue Larkspurならなお良し)》ということであり、Halo≒Sir Ivorの他にも、3代母Ligicalが、Tom Fool→Backpasser系で、その母もSir Gallahad4×4+Blue Larkspurで、Nasrullah≒Royal Cherger+Tom Fool的な血統構成の米血部分をさらに増幅できているというのもポイントではないのかと思うのです。

望田先生は、「Buckpasserの骨格にHaloの筋肉をまとった感じかな」とも言われてました。

 

ゼンノロブロイ産駒がTom Foolのニアリークロスで中長距離馬を輩出しているように、これは燃費の良い走りで距離を持たせますから、ルメール騎手が「ステイヤーだ」といったことも頷けます(長く脚を使えるということ)。

 

また、この馬の、胴長だけど掻き込むような走りをするというのは、胴長だけど肩が立ったピッチ走法だったブエナビスタを思わせるところがすこーしだけあり、胴長のストライド走法よりはバランスがとりやすく、コーナリングの面でも有利。だから小回りでも大きく割り引く必要はないんですね。

 

ディーマジェスティはトモの筋肉が本当に大きく、やっぱり急坂がほしかった。ハイペースの有馬記念なら勝ち切る力があると思いますが、今日の日本競馬というのは、瞬発力と、スピード(≒キタサンブラックのように自分でレースを作れるか否か)が求められますから、こういう他力本願のタイプはなかなか勝ち切れないのではないかという気もしてきました。それでも京都<東京<中山=阪神ですから今日の負けを悲観することはないでしょう。可能性はゼロに近いでしょうが、エルコンドルパサーのように長期渡欧したら面白そうです。

 

レインボーラインについては冒頭張り付けた記事に詳しく書いていますが、彼とシュペルミエールの走りをみると、やっぱりサンデーサイレンスPrincely Giftの柔らかさを伝えるステイゴールドというのは京都走りやすそうだなぁというのは分かりましたね。

 

レッドエルディストは4角で外からレインボーラインが進出したのでややスムーズさを欠きました。そしてカフジプリンスは完全に前が詰まってしまった。だたこの2頭は持続力はかなりのものがあるけれども、前脚が伸びきらない走法だから京都の下りがイマイチだったといえるかもしれません。

 

エアスピネルは言うまでもない、鞍上が巧かった。そして、能力があるのなら2000mくらいの馬の方がいいという日本の京都長距離GIを表しています。

 

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2016年のクラシック戦線を振り返り、まず最初に出てくるのはやっぱりリオンディーズの朝日杯です。このパワーを伴った重厚なストライドというのは忘れることができない。

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100点の騎乗だったとはいえない皐月賞とダービーのパフォーマンスは、上位入線馬に劣らない究極のものだったということは折に触れて言っておきたいです。

単純な能力比べではないのが競馬ですが、単純な能力比べなら、リオンディーズディーマジェスティサトノダイヤモンドマカヒキエアスピネルというのは変わりません。

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そして血統的な観点から外せないのは、同じ父を持つ異なる3頭が3冠を分け合ったということでしょう。

あまり簡素化するのは良くないですが、ディーマジェスティは母のパワーを父自身の柔らかさで中和したタイプ

マカヒキサトノダイヤモンド母がサザンヘイロー持ちのNorthern Dancerクロス馬で、父のHalo≒Sir Ivorクロスを継続しているという点が同じで、父再生産型といったところ。

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この2頭の違いは、先述しましたが3代母父Ligical(Blue Larkspur4×4のBuckpasser産駒)によって、Tom Fool的な要素を増幅しているか否かだと思うんです。

また、望田先生はサトノダイヤモンドはBurghclereを増幅していないが、母の3/4で、Northern DancerとHaloの母であるNatalma≒CosmahというAlmahmoudの仔を強力に増幅していることがいいと書かれています。

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...と、ここまで書いてなかなか締めの言葉が見つかりませんが、相当面白い世代でした。

 

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【参考】

『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)

望田潤さんのブログ http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo

栗山求さんの連載「血統SQUARE」http://www.miesque.com/motomu/works.html

『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)

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