4歳上500万下

血統好きが大学生のころ書いていたブログ(今でもたまに更新)

《菊花賞》いよいよ◎を打つとき

ようやく菊花賞についてまとまって考える時間ができました。各馬の見解については、ウマニティさんへ寄稿しました。

【菊花賞】血統考察 byうまカレ|競馬コラム|競馬予想のウマニティ - サンスポ&ニッポン放送公認SNS

 

レインボーラインについては、2歳時から注目していて、何回かブログでも考察してきました。

 

種牡馬ステイゴールドの牝祖は社台ファームが輸入したロイヤルサッシュステイゴールドの他にも、ショウナンパンドラスノードラゴンバランスオブゲームフェイムゲームといった名馬を輩出している名牝系です。

ロイヤルサッシュの父は前駆で走り「下る力」がある、Princely Giftで、この血は近年の京都の長丁場のGIで結果を残している重要血統といえます。オルフェーヴルゴールドシップフェノーメノといったステイゴールド産駒や、母父サクラバクシンオー(父祖Princely Gift)のキタサンブラックも、天皇賞で穴を空けたホッコーブレーヴも。

ロイヤルサッシュの母父は悲劇の名種牡馬Prince Roseの直仔で仏ダービー馬のPrince Chevalier

 

Princely Giftは、軟質なスピードが特徴の大種牡馬Nasrullahの産駒で、Pharos=Fairway3×3、Blandford4×3、The Tetrarch4×5という父母相似配合系をしています。つまり、Nasrullah譲りの軟質なスピードを武器とする種牡馬だった。

 

レインボーラインは、表面上だけみれば、ノーザンテースト≒Vice Regent4×4・5、母母父レインボーアンバーの母系に含まれる名血Alycidonノーザンテーストを増幅する仕掛けのひとつで、非力さを伝えるステイゴールド産駒の絶対的なポイントであるノーザンテースト増幅に成功しています。

 

-----内は飛ばしていただいて結構ですが(^^;

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レインボーラインの10代母 Ballyglassは、「種牡馬の皇帝」と言われた大種牡馬Stockwellの母である名牝PocahontasのをSt.Simonを通じて戻し交配(5×4・4)しており、ここだけで良質な牝系であることが分かる。

9代母Credendaは1910年代にイギリスで血統界を独占したGalopin→St.Simonの異系として活躍した重要血脈Hermitの5・5×5

8代母TrustfulはHermit継続の4×6・6・6、Stockwellを戻し5×5(Pocahontas6×7・6・6)という相似配合系

7代母JuryもHermit継続の5・5×5・7・7・7

そして6代母Road Lawのところでようやく主流系Pharos系Rhodes Scholarを配され、Stockwell4×4(Pocahontas5×5・5)

のCyllene5×5になるからまたPocahontasを戻し交配している。

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しかしこの馬は、4代母プティットアミがPharos4×4、Blandford5×4、

ファーストファミリーを配された3代母レインボーローズがPharos6×5・5(Nearco5×4)、Prince Rose4×4、

レインボーアンバーを配された母母レインボーファストがFairway=Pharos7・5×7・6・6、そしてBlandford6×7・6の戻し交配、

フレンチデユティを配された母レーゲンボーゲンがPrince Rose7×6・6、Pharos=Fairway6・6×8・6・8・7・7(Nasrullah=Milindi≒Royal Cherger5×6・5でもあり、これは単一クロスよりも影響が強い全きょうだいクロスと3/4同血クロスだから、強烈なNasrullah増幅になっている)

 

(大種牡馬Stockwellの母Pocahontasから、St.Simon、さらにSt.Simon蔓延の中を支えたHermit、そしてRock SandとSundridgeという英国の正統な配合パターンから、)

Nasrullah(←Nearco←Pharos)とBlandford】(Princely Giftの主要血脈)と、Prince Roseという、ロイヤルサッシュの主要血脈を4代母から増幅し続けているところに更なる凄みを感じるのです。

 

私は近年でいうジャスタウェイ的な覚醒の可能性がある馬は、このレイボーラインと母系にHyperionを多く抱え込んでいるアルバートドックだと考えていて、レインボーライン札幌記念でみせた1頭抜けた末脚は、もしかするともしかするものではないかと感じました。

 

ここからは興味のある方だけでいいですが(^^;

 

マイラーではないから、シンザン記念でも▲、アーリントンカップでも▲、マイルでもさらに忙しい中山のニュージーランドTは無印、さすがに大外のNHKマイルは印が回りませんでしたが、ダービーでも▲

そしていよいよ彼に1年間温めてきた◎を進呈する時が来たのかなぁ、と思う菊花賞全前夜です。

 

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【参考】

日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)

望田潤氏のブログ 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog

栗山求氏の連載『血統SQUARE』http://www.miesque.com/motomu/works.html

覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)