4歳上500万下

“血統表”と“現実”のすり合わせ、“競走馬の個性”の解釈

第21回NHKマイルカップ 回顧

NHKマイルカップ

◎④メジャーエンブレム

〇③アーバンキッド

▲⑨シャドウアプローチ

△⑦トウショウドラフタ

★⑧イモータル

◎メジャーエンブレムはずっと◎を打っているように、構成血脈の美点が表現されていて3歳春であれば2400もこなしていただろうし、牡馬クラシック路線級が出てこない限り◎を打ち続けたい。欲をいえば外枠からシゲルノコギリザメを活かせての外2番手を取りたかっただろうが、ルメール騎手も2度同じ失敗はしないだろうし素直に信頼する。
ロードクエストの距離短縮は歓迎で、またストライド走法だから東京も合う。ただ、脚質と土曜の馬場を考えた時に連ならば取りこぼす可能性があるのではないかと思い、妙味を考えても無印としてみた。
面白そうなのはは休み明けでも▲シャドウアプローチで、昨年3着のミュゼスルタンと同牝系、気性的にはむしろ休み明けの方が合うのかも知れない。

 

まだ競馬を見始めて6年程度ですが、レースを観終わって、こんなに清々しい気持ちになるGIはあったでしょうか。

昨年の阪神JFの週に、メジャーエンブレムの血統表をじっくりじっくりと眺めて、恐らく最初にこのブログで彼女の血統のことを書いたのはJFの展望。

derby6-1.hatenablog.com

 

(文章力がないので飛ばしてくださいw)

 アルテミスS2着のメジャーエンブレムは今回1番人気が想定されています。母キャッチータイトルはオペラハウス×Rainbow QuestでNothern Dancer3×5という重厚な血統で芝2200の日本海Sを制し5勝を挙げました。そんな母を持つメジャーエンブレムがマイルで軽快に先行するスピードを持ち合わせいるのは「父ダイワメジャーだから」意外にどんな理由があるのでしょうか。

3代母Her Ladyshipは仏オークス3着馬でPolish PrecedentDanzig×Buckpasser×ボールドラツド←ボルキロ!)にShirley Heightsという組み合わせで、ボールドラツドとShirley Heightsの父Mill Reefがナスキロで脈絡します。この3代母はそれをBuckpasserとLalunのラトロで締めた形になっています。

そのHer LadyshipにRainbow Questを配されたのがメジャーエンブレムの母母であるタイトルドです。Rainbow QuestのサイアーラインはNasrullahRed GodBlushing Groomと続きますが、Red Godの母Spring RunはMenow×Bull Dogという組み合わせですから先述したBuckpasserの父Tom Foolと3/4同血になります。また、Polish Precedentの母Past ExampleはBuckpasser×ボルキロのボールドラツドという組み合わせですから、Red GodNasrullah×3/4Tom Fool)と7/8ほど同血になります。タイトルドは他にもWild Risk4×6などのクロスも持っています。

そこにオペラハウスを配されたのがメジャーエンブレムの母キャッチータイトルということになりますが、オペラハウスもWild Riskを持ちますので、全部でWild Risk6×5・7でしょうかね。アルテミスSで掛かったところはこの血が影響しているのかもしれません。

そこにダイワメジャーを配され生まれたメジャーエンブレムは、Halo≒Red God≒Past Example3×5・5のスピード、それを持続させるオペラハウスとRainbow Questのスタミナ、更に全兄のメジャーステップがダート馬なのに芝の高速決着に対応できているのは3代母Her Ladyshipのナスキロが発現されたからではないでしょう。相馬眼のない私からすると、少々脚が短いように見えますが、ほとんどの部分がプラスに出たオールラウンドな良馬といえるでしょう。

 

次に掘り下げたのはこのエントリーかな。

derby6-1.hatenablog.com

 ダイワスカーレットアグネスタキオン×スカーレットブーケでしたからスカーレットブーケHyperionアグネスレディーのLady Jurorによるスピードの持続力を武器とする馬でしたが、メジャーエンブレムも母父オペラハウスがSpecial牝系の父Sadler's Wellsと、Abernant≒Court Martial3×3の母父High Topという組み合わせの馬、そして母キャッチータイトルはPlish Precedentを通じてDanzig持ちですから、ダイワスカーレットと同じHyperionとLady Jurorによるスピードの持続と説明がつくわけですね。

この「手がつけられないスピード」という表現はとても良いですね。僕は斬れる馬よりも、ハーツクライワンアンドオンリーのようなタイプが好きですから、外回りのマイルでも圧倒的なスピードで封じ込めるそんな桜花賞を期待しています。9年前のように。

 

うまくまとめられるか分かりませんが、メジャーエンブレムの血統でいえることは、

ということです。

特に考えさせられるのは3点目で、ダイワメジャー×オペラハウスという字面だけをみていては、ただのダート馬だと思われても仕方ありません。けれども血統の奥深くに眠る他の要素が発現されている、字面から逸脱したものが発現されているというのは、スクリーンヒーロー×カーネギーのモーリス然り、母がエルコンドルパサー×Rainbow Questであんなに斬れるアンビシャス然り、大物に共通していることなのではないかと思います。

やっぱり血統には、スピードの要素とスタミナの要素、穏やかな気性と激しい気性、相反するものを伝える血が複雑に絡まり合っていて、遺伝力の強さによって変わってきますが、可能性としてはどんなタイプの馬が生まれてもおかしくないのだなと思いました。

だからやっぱり血統と、馬体と、走りを総合的に見てこそ初めて本質に近づけるのだと思います。そんなことを改めて感じたメジャーエンブレムの鬱憤を晴らす見事な逃げ切りでした。

 

 

ロードクエストは予想にも書いたように、あの持続戦の皐月賞で8着、東京替わり、距離短縮共に歓迎で好走するのは間違いないだろうけれど、馬場を考えると連なら外す可能性があるのではないかと思っていました。流れが向いたにせよ強い競馬でした。

 

レインボーラインは、アニメイトバイオの3/4弟で、ステイゴールド×フレンチ、ノーザンテースト4×5、注目していたのは3代母レインボーローズがファーストファミリー(母Somethingroyal)×Prince Taj(母Malindi=Nasrullah)、更に血統表の下1/4の母母もBlandford、Pharosを持ち、Nasrullah≒Royal Chergerの血統構成を思いっきり増幅していることでした。

f:id:derby6_1:20160508170616p:plain

そこにステイゴールドで、ノーザンテーストが強く主張しなければ外回りで相当斬れる馬になるのではないかと思っていて、3歳春でGI3着まで来るとは驚きました。夏を超えての成長が非常に楽しみです。

derby6-1.hatenablog.com

 

イモータルは、やはり中距離馬がこのマイルの流れを追いかけると厳しかったのかなという気がします。ただ、ダービーでは穴の1頭といえるのではないでしょうか。

 

ウマニティさんでのコラムでも、フレンチデピュティノーザンテーストを注目血統として挙げていて、3頭全て持っていたし、レインボーラインは両方持っていたから今週は上出来ですね。

【NHKマイルカップ】血統考察 byうまカレ|競馬コラム|競馬予想のウマニティ - サンスポ&ニッポン放送公認SNS

 

今晩はレースを振り返りながら1人で美味しく飲みます。本当にメジャーエンブレムと、関係者の皆さんおめでとうございます。

 

----------

 

【参考】

『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)

望田潤さんのブログ http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo

栗山求さんの連載「血統SQUARE」http://www.miesque.com/motomu/works.html

『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)

広告を非表示にする