4歳上500万下

“血統表”と“現実”のすり合わせ、“競走馬の個性”の解釈

香港国際競走回顧 モーリスとエイシンヒカリの血統をもう1度考える

モーリスはムーア騎手が「前走でトップクラスのマイラーと確信した」と述べているように、私自身も京都より香港の方が合うし、状態面のアップも必至ならばAble Friendと真っ向勝負をしても勝てると思っていました。直線に入ってからピッチ走法のAble Friendに離されそうになってからの、あの加速力、爆発力こそが真のマイラーなのだということを改めて思い知らされました。あそこで置いて行かれるであろうイスラボニータやサトノアラジンはレベルの低いマイルレースであれば勝てるのでしょうが、真のマイラーではありません。

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モーリスの血統をもう1度考えて見たいと思います。

昨日BS11で「思い出の朝日杯FS」でもやっていましたが、父スクリーンヒーローは、グラスワンダーハービンジャーのようなあの脚上げ掻き込み走法ではなく、4代母モデルスポート譲りのTom Fool的走法を受け継いだから東京のGIを勝てたのだというのは望田さんのご指摘。

スクリーンヒーローは元をたどればLa Troienneの牝系で、4代母のモデルスポートはスプリンターズS3着、ダービー卿CTを勝つなどスピードを武器に活躍しましたが、そのスピードの根源はTom Fool≒Spring Run(Red Godの母)2×3によるものでしょう。この2頭はMenow×Bull Dogという組み合わせです。

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モデルスポートノーザンテーストを配されて生まれた、モーリスの3代母ダイナアクトレス毎日王冠に勝つなど活躍、更にサンデーサイレンスを配されたランニングヒロインがスクリーンヒーローを産みました。サンデーサイレンスの父Haloとモデルスポートの配合のキーであるTom FoolRed Godは、Pharamond、Bull Dog(=Sir Gallahad)、Nasrullah(≒Royal Cherger)などで非常に血統構成が近いですから、ランニングヒロインは優れたスピードを伝える繁殖牝馬といえますし、スクリーンヒーロー産駒に短距離馬が多いのもこの影響でしょう。

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一方モーリスの母メジロフランシスはメジロドーベルなどが出るメジロボサツの牝系で、母母メジロモントレーAJCCを勝ち、フランシスの血統を見てもカーネギー、モガミと重厚な血統が目に付きます。しかし、掘り下げてみるとカーネギーの母母DernaはTeddy4×4・5・6・6、モガミの母もTeddy5・6×5・5です。TeddyはBull Dog(=Sir Gallahad)の父ですから、モデルスポート(父モデルフールはBull Dog=Sir Gallahad2×4!)を、ランニングヒロインを遠目ながら刺激していることになります。

ランニングヒロインの、モデルスポートのスピードを少し母からも増幅し、知り合いのフォロワーさんなんかは「日本のMライン」と評されていましたが、メジロのスタミナで持続させることに成功し、世界最強マイラーとなったモーリス。しかし同じ血統でも母の重々しさだけ出るということもあるのが競馬で、そこはもう神のみぞ知る世界、ギャンブルに勝つしかないのでしょう。

 

最後の最後に詰まってしまったダノンプラチナもやはり相当な大物です。来年の安田記念で2頭の頂上決戦が観れるかと思うと今からわくわくが止まりません。

 

香港カップではユタカさんのエイシンヒカリが逃げ切り。逃げとはこういうことです、という完璧な逃げをみせてくれました。が、個人的にはモーリスの勝利以上に色々と考えるものがあります。

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ディープ×Storm CatだからSir Gaylord≒Secretariat6×4、さらに母母父もCaro、その奥にもSea Birdなどが入るから体質は非常に柔らかい。これはユタカさんが都大路Sの後に「逃げ馬じゃない、差しの競馬もしてみたい」といった趣旨のコメントを残していたこととも結びつきます。

ただ毎日王冠の後に「天皇賞は楽なレースにはならない」、出来るだけスローに持ち込みたい、というスタミナ面の不安も口にされていました。私自身も血統から2000mで平均的なラップを刻み続けてもつ馬だとは思っていませんでした。それでも、血統どおりダラーンという脚を使うタイプではあるので惰性が付けられる京都外1800がベストなんだろうという認識でいました。

ユタカさんもスタミナ不安を口にしていたし、BurghclereやKey to the Mint×Sea Birdという3代母Key to the Sagaのスタミナをもってしても2000mの国際GIを逃げ切れる馬だとは思ってもいませんでしたが、今回のユタカさんは馬を信じ切った完璧な逃げで勝ってしまった。

柔らかい優れた体質と、母系のスタミナと底力をしっかりと伝えるディープインパクトエイシンヒカリの母系に流れるKey to the MintやSea Birdのスタミナの遺伝力に脱帽です。

また、坂口調教師も「レース前も入れ込んでいなく落ち着いていた」と話しているように、当日輸送が無い海外遠征も合っていたのでしょう。

 

しかしモーリスはAble Friendとの真っ向勝負でも勝てると思っていましたがやはり勝ってみると嬉しいし、すごいなぁとただただ感服。ヌーヴォレコルトは枠順の利もありましたが古馬になってさらにHyperionが発現されて持続力があります。カップとスプリントの他の馬は勝利となると厳しかったと思いますが外枠が響いた馬も多かった。そしてミッキーアイルはこれからも1200m戦を使い続けるのでしょうか...

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