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4歳上500万下

“血統表”と“現実”のすり合わせ、“競走馬の個性”の解釈

第16回チャンピオンズC 回顧

コーリンベリーが出をうかがい、被されたくないコパノリッキーも出していったところで外からボウマン騎手のクリノスターオーとパートン騎手のガンピットがハナまでいくのかという勢いで先行し、前半800mが48秒0(昨年は50秒4)という締まった流れになりました。これは中京改修以降のダート1800m(オープン以上)の9レースにおいて2番目に早い数字です。

 

勝ったサンビスタはちょうど中団のインで脚を貯め、残り150m付近でコパノリッキーホッコータルマエを捉えて先頭に立ち押し切りました。枠順の利などがあったにせよ、文句なしの勝利でした。週中からずっと血統表を眺めていて、素人なりになかなか面白い血統だなと思ったのですが、勝ち切るとまでは思いませんでした。

スズカマンボ天皇賞(春)の勝ち馬ですが、ダンス一族などでお馴染のKey Partnerの牝系で、Key to the Mint(Graustark×Princequillo)などスタミナが持ち味です。当然ですが、種牡馬としてもメイショウマンボミナレット、イッシンドウタイにユーロビートなど瞬発力よりも持続力を武器とする馬を多く輩出しています。

母ホワイトカーニバルは1200m時代のフェアリーSを制した馬ですが、その母イエローブルームがパークリージェント産駒でダ1000mとダ1200mで2勝しているようにこちらのパワーが強く出た馬だったのでしょうか。3代母グランドリームはトウショウボーイ×Never Say Dieという配合ですからHyperionNasrullah、更に5代母エリモルーシーはAlycidon(Donatello×Hyperion)産駒ですから、Hyperionが濃い配合といえるでしょう。更に母父ミシルの母母はAlycidon4×3を持っています。持続力、成長力はこのような母の血統譲りなのではないでしょうか。

母ホワイトカーニバルも、母母イエローブルームも、父スズカマンボグランド牧場の生産馬、間違いなく狙った配合なのでしょう。そしてグランド牧場に勤務していた角居先生の管理馬ですから、言葉がありません。素晴らしすぎます。

 

ノンコノユメはよくあの最内が開いたなぁという感じですがさすがです。ダート馬の中ではパワーが持ち味のタイプではないので時計の速いダートの方が末脚の威力は増すような気がしますし、Coutly DeeとMy Bupersというワンアンドオンリーと逆の牝系の出会い。良血馬というより名血馬という感じですね。

 

サウンドトゥルーの成長力、末脚の持続力は母母キョウエイヨシノのHyperionクロスを継続するAlybhai5×5、Olympia4×5が大きいのではないでしょうか。本当に良く成長しました。

 

ロワジャルダンはノンコノユメ同様に内にこだわった騎乗か功を奏しての4着ですが、急激に力を付けています。アグネスショコラにはキングカメハメハが合いますね。母母スキーパラダイスにはロイヤルスキーNasrullah的な要素と、Traffic JudgeやLyphardHyperionやLady Juror的な要素があり、キングカメハメハはどちらの要素も持っているから合うのではないでしょうか。

 

ホッコータルマエは、やはり強いなという5着でした。ウマニティの予想欄を載せます。

母父がスプリンターのCherokee Runだが、母母アンフォイルドがベルモントS(ダ12F)を制した馬たちを脈々と配されている配合で「キングカメハメハ×Cherokee Run」という字面以上のスタミナはある。しかし、リッキーを潰しに行ったとき、リッキーのヨーロピアンなスタミナと、タルマエのアメリカンなスタミナでは前者に軍馬が上がるとみて評価を下げた。成長力という面でもこの1年のリッキーには劣るだろう。

ただやはりこのペースを外から押し切る抜けた力はなかったし、これからの成長力にも疑問は残ります。

 

コパノリッキーもウマニティに書いたものを再稿。

コパノリッキーゴールドアリュールのNureyevとVaguery Noble、母コパノニキータのFall AspenとトニービンからHyperionとSon-in-Lawを濃く受け継いでいるから望田さんの言う「抜かせない強さ」があり、4角先頭での持続力勝負では崩れたことがない「ダート版ダイワメジャー」のようなイメージだ。出遅れの不安はあるものの「人気馬を勝たせる術」なら最高級のものがある武豊騎手なら安心できる。

力は出し切ったといえる7着でしょうが、やはり内枠がアダになってここまでの激流になってしまったともいえます。

今回コパノリッキーを考えていて感じたのは、Hyperion的な馬は距離をこなすスタミナというより、持続力という表現が合っていて、それは2000m以下で最も輝くことが多いということです。

 

馬キュンで◎にしたワンダーアキュートは14番人気6着と頑張ってくれました。これでチャンピオンズC(JCダート)は3歳時から4歳児を除いて6度出走して、6着→2着→2着→2着→5着→6着。本当に立派です。中京1800mは間違いなく合っているはずですので、もし全盛期に中京ダ1800(まだ現コースも完成していないけど)で走れていれば1度は先頭ゴールがあったのだろうなぁと思いながら見ていました。ちょうど自分が競馬を見始めた時に3歳で武蔵野Sを勝ち頭角を現してきた馬です。ブエナビスタ世代です。本当に立派な馬です。

ワンダーアキュートの母カリズマティックは米二冠馬で、ベルモントSは骨折して3着だった馬ですが、その父Summer SquallはWeekend Surpriseの仔です。カリズマティックの母父はDroneですから、Secretariat≒Sir Gaylord3・5×3になりますし、Droneの母父はTom Fool、Weekend Surpriseの母父BuckpasserTom Fool産駒ですから、これWeekend Surprise≒Drone2×2ともいえるんですね。衝撃的な配合です。

母のワンダーヘリテージはワンダースピードも産んでいる優秀な繁殖牝馬ですが、Nasrullah=Milindi6・5×4を持っていて、母母がHekiopolis(父Hyperion)3×4を持っています。望田さんはワンダーアキュートのことを「緊張と緩和で生み出された」と評されていました。走りをみると、やはり外回り向きで、阪神JCダートでは3年連続2着。東京だったら...と思わせる走りでしたし、昨年のチャンピオンズカップは目立つ脚を使っての5着とコース相性は感じさせました。「左回りの直線の長いコース」で走るのはこれがラストとなります。今年から和田騎手に戻って、6度目の正直があるかもしれません。

 

昨年と違い締まった流れだったチャンピオンズC。全馬が脚を使い切ったレースはやはり見応えがあります。また、サンビスタとサウンドトゥルーの成長力は重厚なスタミナ血脈が成せる技でしょう。それ血統表を6代7代と遡らなければ見えてこないし、自分は何よりもその行為が好きな異質な競馬好きなのだということを改めて思い知りました(笑)今回も馬券は買っていないけれど、その売り上げで競馬は運営されているという矛盾に頭を悩ませていますが、深く考えずにいこう。

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