土曜の注目馬 ~ 7歳でOP勝ちするから
ダービーのトライアルというと、大阪や神奈川の夏季高校野球大会の準決、決勝が頭に浮かびません?「トライアルで4着5着でも、ダービーで掲示板争いくらいできるのにな~」=「横浜や東海大相模でなくとも横浜隼人だって慶應だって甲子園に出れば2勝3勝できるのにな~」です(笑)
●プリンシパルS
レッドローゼスは母のSadler's Wells≒Nureyev2×4のような硬派な血や、Nashwanの底力はステイゴールドにプラス。とはいえ、ステイゴールドらしい柔軟性(Miswakiの影響もアリ)が強いので京都が合いそうだなというイメージ。
スイーズドリームス×横山典弘はどんな化学反応を見せるのか気になりますが、まだまだAlzao≒ダンシングブレーヴ3×3らしい緩い斬れなので厳しいかな。
この緩さはロードアルバータのAlzao≒ラストタイクーン3×4と同質ですね。
オッズを考慮して気になるのはスズカメジャー。ドスローのマイル戦だったフローラールウォーク賞のあの斬れは、生粋のマイラーのものではなく1800~2000ベストの中距離馬の斬れ。鞍上も乗れています。
デビュー戦から贔屓してきたニシノアップルパイは前走で復活。米血過多のリーチザクラウンに欧血をどっぷりつぎ込んだ配合、そこにスピードも発現していて、こういう馬が本格化すると面白いんですが。
ヘリファルテは好配合ですが牡馬で上を目指すならもっと欧血がほしいなという感はあります。
●京都新聞杯
インヴィクタ(Millicent,Nureyev)とサトノリュウガ(エアグルーヴ)も望田先生の仰るようにNasrullahとHyperionとみるとしっくりきますね~
名繁殖スノースタイルの仔プラチナムバレットは、Alanesian→Boldnesianを増幅したマンハッタンカフェの好配合で、子の父ですから息の長い活躍をするんだろうな~、と。ファンドとしては魅力的ですね。
サトノクロニクルは、サトノラーゼンの3/4弟で、母トゥーピーはNorthern Dancer5×4で自身はHalo≒Past Example3×5、Nijinsky→Caerleonの影響でまだ非力な斬れ方ですが、ラーゼンの現状のように今後Robertoがどう作用してくるか。ただ現状京都外回りでの差しというのは合っていそうですね。
京都4Rのヤマニンペダラーダは、Hyperion凝縮繁殖ヤマニンエマイユの仔で、7歳くらいでOP勝ちするのでずっと見守っていきましょう。以下は私が認定したHyperion凝縮繁殖です(笑)
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殿堂入り アドマイヤラピス
ロイヤルカード
タガノレヴェントン
シュガーキャンディ
ヤマニンエマイユ
メリッサ
タガノシャルマン
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京都7Rのゴールドポセイドンは、毎回書いているように化け物配合のディアエスペランサの仔。ただ母のパワーだけが目立って、ステイゴールドの柔軟性を感じないのでナカヤマフェスタにはならないんだろうなぁ。
血統情報:5代血統表|ディアエスペランサ|JBISサーチ(JBIS-Search)
「サンデー系のしなやかさ」と「デインヒル系のパワー」という相反する特長体質がうまく噛み合えば、ナカヤマフェスタやフェノーメノやエイジアンウインズやミッキーアイルのような"ちょっと違う馬"をつくることができるのだ。
神の配剤で“うまく噛み合えば”ステイゴールド×ディアエスペランサは“ちょっと違う馬”を出す可能性があるんえすがね。
あの素晴らしいNHKマイルから1年ですね。メジャーエンブレムも相反する特長がうまく噛み合った名馬でした。かなり好きなタイプです。
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【参考】
『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)
望田潤氏のブログ 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog
栗山求氏の連載『血統SQUARE』http://www.miesque.com/motomu/works.html
『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)
日曜の注目馬 ~ Hyperion凝縮繁殖の東京替わり+距離延長
東京6Rを制したエメラルスターは、Caerleon≒Summer Squall3×3(Summer SquallはStorm Catと近い)のストライドで走るタイキシャトル産駒で中山<東京、Caerleon≒Storm Catのレッドスパーダや、現3歳のスカルバンのように軽いスピードが武器なのでこの時期の東京は合いますね。Northern Dancer5×6・5・5でDevil's Bagだけが非Northern Dancer
東京10Rはスマートカルロスに注目
母シュガーキャンディはHyperion凝縮繁殖で、息の長い活躍が期待できます。Hyperionが発現してきたならば1200<1400になっているはずで、初の東京でどんな走りをするか。
スイートピーSは、以前から贔屓しているシーズララバイはもちろん、ハートオブスワローとキュイキュイに注目
ハートオブスワローの母イソノスワローはオークス馬イソノルーブルの娘で、アドマイヤマックスでモンストールを、マイネルラヴでトラストワンを輩出した名繁殖。ハーツとしては及第点の配合で久しぶりの東京で楽しみ。
キュイキュイは望田先生が提唱するハービンジャーのナスペリオン配合ですから中山<東京でしょう。素質は高いものがあるだけに折り合ってほしい~
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【参考】
『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)
望田潤氏のブログ 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog
栗山求氏の連載『血統SQUARE』http://www.miesque.com/motomu/works.html
『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)
《展望》第155回天皇賞(春) ~ それぞれの京都3200
さて、春天です。
春天といっても3200mを走り切るスタミナが重要かというとそうではなく、むしろ生粋のステイヤーは活躍しにくいレースです(だからこそ目黒記念とアル共が光り輝く)。
まぁ2015年のゴールドシップ×横山典弘騎手のように、自分で“ステイヤーが活躍しやすいレース”にしてしまう重要無形文化財的騎乗が行われれば別ですが、“下り坂適性”だったり“立ち回りの巧さ”が重要となるレースですよね。こんなことはこのブログにたどり着いている時点で承知でしょう(笑)
細かい話はもういい
キタサンブラックの京都適性は今さら書くまでもありません。また、本質的には3200<2000だろうという声も聞かれますが、仮にそうであったとしても、体質はPrincely Giftの影響が強く柔軟性に富み、心肺機能や勝負根性はBurghclereが存分に発現した名馬ですから、その辺の細かい話はもうあまりしたくありません。もう私はこの馬を完全に認めたのです(^^;)
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サトノダイヤモンドとシャケトラとシュヴァルグランは大小はあれ、どの馬もHaloらしさを感じさせる馬です。ダイヤモンドの有馬、シャケトラの日経賞、シュヴァルの阪神大賞典、あの捲りはパワーで捲ったというよりもセンスで捲ったという捲りです。
騎乗を“愉しみ”たい
サトノダイヤモンドはルメール騎手が、「スタミナがある」とコメントしているのが興味深く、これはBuckpasser(Blue Larkspur)のスタミナでしょう(米血過多のゼンノロブロイもBuckpasserをクロスした馬はステイヤーに出ることが多い→ルルーシュ、トレイルブレイザー)。この枠から、どういう騎乗をしてくるか、枠なりに乗って勝ち切ってしまうのか、これは予測するというよりアスリート(騎手)の一瞬の判断を“愉しむ”というのが私のスタイルです。
未来を感じる人馬
シャケトラは、京都適性はかなり高いとみていますし、今後の日本競馬を牽引してもおかしくないと豪語してきた天才・田辺裕信騎手が継続騎乗で最内枠。そりゃあ初GI、斤量増など気になる点はありますが、楽しみの方が大きいです。配合については以下のエントリーの通りベタ褒めですので(^^;)
器用さとトニービン的斬れを兼備
シュヴァルグランはHaloらしい器用さもありますが、トニービン斬れの源であるNasrullahとHyperionをNureyevで増幅したというジャングルポケット側面もあり、トニービン直仔(ジャングルポケット、エアグルーヴ、テレグノシス)を想像していただければわかるように、急坂があった方が良いことは確かでしょう(だから昨年JCで最大級の評価を与えた)。
また、「トニービンは後駆で走るので、前駆で走る(Princely Giftの影響)ステイゴールド産駒と比べて、ハーツクライ産駒はスタミナはあるのに京都の長丁場のGIでは勝ち切れない」という望田先生が主張されている論点からも興味深い出走です。
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トニービンとは逆に、Princely Giftの影響を受けているのはキタサンブラックの他に、レインボーラインとタマモベストプレイで、どちらも菊花賞や万葉Sという京都の長丁場で既に結果を残していますね。当然後者が穴を空けても何ら驚くことはありません。
また、近年では京都記念連覇のサトノクラウンが好例ですが、ナスキロらしく走る馬というのも京都の長丁場は向いています(その柔軟性が下り坂で効き、Princequilloのスタミナが活きる)。そこで気になるのが、近走充実のラブラドライド。ダンビュライトの3/4兄ですが、Mill Reef≒Riverman5×3が強く出ているのか、柔軟性を強く感じます。好枠ですし、マガニビスティー的好走があるんじゃないですか(4着だが)。
“馬”のフォーカスを当てればアドマイヤデウスとディーマジェスティにも触れなければなりません。
アドマイヤデウスは、日本屈指のHyperion凝縮繁殖母母アドマイヤラピスにFall Aspen(Hyperion3×4)とトニービン(Hyperion5×3・5)を内包するアドマイヤドンでで、これだけで常に注目の的。京都でも結果を残していますからね。
ディーマジェスティは母父ブライアンズタイムが悪い方向に作用して、ズブさが目立ち、やはり京都で好走するイメージが掴めないですね(Robertoの“好長期が短い”という性質も出ているのかもしれないが、好不調は良く分からん)。上半期なら梅雨の阪神内回り(=宝塚記念)でしょう。
“人”にもフォーカスを当てるならばゴールドアクターとワンアンドオンリーも注目。
ゴールドアクター×横山典弘騎手は気性がマッチしそうですし、スタミナはあってもズブいワンアンドオンリーと和田騎手の親和性はもっと想像しやすいでしょう。
アルバードも大箱向きの斬れですが、やっぱり彼の持ち味が最大限発揮されるのは京都3200よりもスタミナが要求される東京2500 or 3400というのがもどかしい...
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【参考】
『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)
望田潤氏のブログ 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog
栗山求氏の連載『血統SQUARE』http://www.miesque.com/motomu/works.html
『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)
青葉賞かんたん考察
アドミラブルは、バレークイーン→トニービン→シンボリクリスエス→ディープインパクトで、ディーマジェスティと同じディープ×Roberto+Sadler's Wells、Robertoですからディーマジェスティのように好調期が短いのではないかという懸念もありますが、シンボリクリスエスならブライアンズタイムよりはマシなのかもしれません。また、特筆すべきはBurghclere≒Petingo3×6で、古馬になってからもリンカーン的な活躍を期待できる馬ですよね。
オッズを考慮した上で興味深いのは、イブキとサーレンブライト
イブキはルーラーシップ産駒で母系にSeattle Slew、字面的にはどう考えても中山<東京で、ある程度先行できるスピードも発現しているというのが良いです。京成杯は中山の内枠+休み明けで、この馬にとっては最悪の条件、今回は叩3走目でデキも今年1番でしょう。
サーレンブライトは、Alzao≒ラストタイクーン3×3で、そういう緩い斬れ方をするので未勝利をみてもわかるように東京2400はベスト(同じディープのAlzao≒ラストタイクーンのデニムアンドルビーなんかも若いときはJCで化けた)。戸田師も、「ダービーの権利を狙えるのでは」とコメントしていますし、注視します。
ディーマジェスティ的アドミラブル的な配合といえば、京都9Rあやめ賞に出走するアンセムとインウィスパーズもそう。
前者は母オータムメロディがKingmambo×Sadler's WellsでNureyev≒Sadler's Wells3×2、母母Fall Aspenという超良血で、これはハーツとの配合もみてみたい。
後者は母父ボリクリ、Burghclere≒Aureoleにもなり今年2歳の全弟あたりで化けないかな~と思っている配合です。
それとクリノヤマトノオーってのは1200で勝利を挙げましたが、距離はこのくらいの方が良いのではないかと思っていて、前走も内回りの緩い流れで最後は差を詰めていて着順以上の内容、この条件でどんな走りをするのか興味があります。
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【参考】
『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)
望田潤氏のブログ 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog
栗山求氏の連載『血統SQUARE』http://www.miesque.com/motomu/works.html
『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)
《展望》興味深い配合馬が多い第52回フローラS
今更ですが、なかなか続きを書く気力が湧かなかったもので(笑)
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ホウオウパフュームは、母マチカネタマカズラがKingmambo×El PradoでNureyev≒Sadler's Wells3×3、ハーツクライの、トニービンの、NasrullahとHyperionを増幅させたシュヴァルグラン的配合で、このNasrullahとHyperionというのはジャングルポケットの斬れやエアグルーヴの斬れの源である...というのは望田血統の定番。そりゃあ追込馬の開幕週の多頭数競馬ですから簡単な競馬ではありませんが、そこは天才田辺裕信騎手が変態的に内を狙うのか、それともデニムアンドルビー的に力勝負に出るのか、見応え十分です。
一線級の馬よりも、フローラSで穴人気しているくらいの微妙な立ち位置の馬の方が好きで、書き甲斐があります。今回特筆したいのはレッドミラベル、タガノアスワド、アドマイヤローザ、ビルズトレジャー、ニシノアモーレ、レッドコルディスの4頭。
レッドミラベルは好繁殖ダンスーズデトワールの仔で、ステイゴールドとの組み合わせであれば3代母ラストカマーのKris×母母父ハイハットで発生するHyperionとDonatelloのクロスが大きな役割を持ちます。しっかりと450キロと馬格に恵まれたのも好感です。好枠を活かしてオークスを走ってもらいたい1頭。
タガノアスワドは、ネオユニヴァースの割に脚長で牝馬らしいしなやかさを感じますが、母のSir Gaylord≒Secretariat6×5などが影響しているんでしょう。陣営もコメントしているように、揉まれる競馬をしていないこと(輸送も)が気がかりで、さすがにファンディーナに肉薄したことで過剰人気無きがします(^^;)“京都外回り小頭数”というのもかなり好条件だったように思いますし。
ホウオウパフュームのところで言及したNasrullahとHyperionといえば、アドマイヤローザがそうです。ハービンジャーにNasrullahとHyperion血脈(母母エアグルーヴ)を持って来たのは、最近で言うとペルシアンナイトと同じ。間隔が空いているのが気になりますが、東京2000での走りには非常に興味があります。
ビルズトレジャーは、望田先生がホープフルSで◎にしていましたが、クロスが濃い目の父ダノシャンティ×母父エルコンドルパサー、残りの1/4である母母に異系となるメジロドーベルを持って来た配合。外差しが届くかどうか微妙ですが、確実に脚は使ってくるでしょう。こういうタイプはGIの激流で更にパフォーマンスを上げれるんですがね~
レッドコルディスは、叔父にウォーニング、コマンダーインチーフ、4代母が英オークス馬Nobless、しかも配合された種牡馬もRaise a Native、Roberto、Danzig、Smart Strikeと一流で、全兄ヴレから注目している血統。でもやっぱり母はRobertoが入ってMr.Prospector≒Slightly Dangerous2×2(Raise a NativeとGold Digger≒Bramaleaが共通)なのでパワーを感じる走りで、もちろん前走も負けて強しでしたが東京2000(しかも8枠)というのは厳しいかな。それでも走りには注目したい馬です。
コンデュイット産駒のニシノアモーレは、確かに相手は弱かったですが新潟の新馬を4馬身差圧勝、流れも向きましたが5か月ぶり&牡馬相手の京成杯でも最後は目立つ末脚をみせ、今回は休み明け3走目。父名で過剰不人気でしょうが、ニシノフラワー、アグネスタキオン、コンデュイットと一流“競走”馬の血統です。外枠から大味な競馬でどこまでやれるか注目します。
兄ジューヴルエール(夏の北海道での思い出)や姉ツクバアスナロ(アルテミスSでの剛脚4着)の妹が兄姉を越えようと走る姿を想像するとすごくわくわくします(^^;)
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【参考】
『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)
望田潤氏のブログ 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog
栗山求氏の連載『血統SQUARE』http://www.miesque.com/motomu/works.html
『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)