4歳上500万下

血統好きが大学生のころ書いていたブログ(今でもたまに更新)

土曜の注目馬 ~ それぞれの " 素質が開花するとき "

カデナ vs スワーヴリチャード vs レイデオロという構図で固まったかなぁ。しかしカデナもディープ産駒の典型配合、マイスタイルは天才横山典弘騎手の「先行馬が揃っているなら自分が行ってスローに落としちゃう」という騎乗でしたがハーツクライの典型配合ではありました。

 

 

金鯱賞ルージュバックステファノスヤマカツエースなどGIで好勝負してきた面々が集まりましたが注目しているのはナスノセイカンアングライフェンヒストリカルの3頭。

ナスノセイカンハーツクライ×ホワイトマズル×タイトスポット(His Majesty×Lyphard)でLyphard4×4・5、母母ナスノフローラはHis Majesty=Graustark2×3というディアウィンクばりのすごい配合でどこからどう見ても晩成。陣営は「末脚を活かす競馬でどこまでやれるか」とコメントしていますが、「末脚を活かす競馬」しかできていないということは本格化手前であり、前受けしてこの血統のスタミナを活かす競馬ができるようになれば目黒記念やアル共くらいは持っていってもおかしくない馬でしょう。

アングライフェンは母母シネマスコープ(トランセンドの母)がHyperionとSon-in-Law~Lady Jurorが豊富で、パントレセレブルを配された母レッドスレッドはNorthern Dancer3×5、ステイゴールドとの相性は悪くないだろうとずっと注目していました。母のパワーを受け継ぎピッチ走法ながら大箱東京2000のアメジストSを楽勝した時に本格化かと思いましたが昨年は重賞ではもうひとつの競馬が続きました。ところが前走でサトノクラウンから0.3秒差の5着と好走。5歳の春にいよいよ覚醒の時を迎えたかと想い今年大注目です(といってもステイゴールドの配合としては100店ではないので「ローカル重賞は獲れる」程度の期待)。

◎アングライフェンは、母母がトランセンドの母シネマスコープで。この牝系はHyperionを豊富に持つのでマイネルラクリマなど成長力がある。肩が立っているからタフな馬場は巧いはずだし、得意な馬場状態だったとはいえ、前走の勝ちっぷりは本格化を思わせた。開幕週の中京は昨年の当レースのように前残りになることが多いし、スロー必死のメンバー構成からも一気の重賞制覇に期待したい。

先週の重賞回顧 - 4歳上500万下

 ヒストリカルは半兄カンパニーのようなサクラアンプルールのようなピッチ走法ですが大箱向きというタイプ。それでもノーザンテーストの成長力が昨年からみられますし今年はずっと注目しておきたいです。3歳春に重賞で好走していたのでもっと成長すると思ったんですが、ディープ×ブリリアントベリーはこの辺までなのでしょうかね。

ルージュバックは最内枠が懸念、プロディガルサンの前走は「超スローのマイル戦で中距離馬の斬れが活きた」という典型例で2000はOKヤマカツエースKingmambo≒Ameriflora2×2という配合で「もうGIIならいつでも好走可能」という昨年のサトノノブレス的ポジションにはなっている予感。そのサトノノブレスも当然好勝負可能ですが。

 

 

アネモネSは「現状は中山マイルがベスト」と陣営もコメントしているように、スズカゼアネモネSというのはずっと言ってきましたので好走してほしいです。

derby6-1.hatenablog.com

 

中山6Rの3歳500万(芝1600m)、配合的に注目しているのはウィンドライジズスカルバン。ただどちらも本質的に中山マイルには疑問符(流れや馬場状態次第ではありますが)

ウィンドライジズボールライトニングと同じダイワメジャー×テンビーという成功配合ですがやはりボールと同じようにストライド、スカルバンもレッドスパーダらと同じCaerleonStorm CatですがNijinskyの影響下胴長ストライドなのでレッドスパーダ同様東京1400がベストに思えます。

 

中京5Rの未勝利(芝1600m)で初出走するマンディは好みの血統。母マンドゥラはマンデラ(ディープインパクトの傑作ワールドエースの母)の半妹なので、母母MandellichtのBe My GuestやAcropolisでBurghclereを増幅。マンデラのディープ×AcatenangoもニックスですがマンドゥラはDanehill Dancer産駒なのでデインヒルとBe My Guest経由のNorthern Dancer4×3というのも悪くないと思うんです。とはいえ、やはりこのような重厚な配合(しかもHaloのスピードを増幅していない)というのは日本では開花しにくい(特に牝馬だとなおさら)ですからね...

 

中京2R、ヒシマサルはもうダートですか。古馬になったらオープンには行けると思っています。

 

中山9R館山特別ではサトノキングダムが復帰。中山2000はどうかですが圧倒的な能力で突破してもらいたい。

 

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【参考】

『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)

望田潤氏のブログ 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog

栗山求氏の連載『血統SQUARE』http://www.miesque.com/motomu/works.html

『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)

日曜の注目馬 ~ マカヒキに続け / HyperionとSon-in-Law~Lady JurorとDonatelloの塊

derby6-1.hatenablog.com

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カデナは、ディープインパクト×フレンチデピュティで、Halo≒Sir Ivor≒Boldnesian3・5×5とHaloを増幅しており、AlycidonでBurghclereの底力を増幅している(Burghclere≒Alleged3×6)というところまで昨年のダービー馬マカヒキと同じ。

マカヒキやその他クラシックを制したディープインパクト産駒と異なるのは母がNorthern Dancerのクロスを持っていないという点。ただ、これは底力というより、「ほんのちょっとの頑強さを加えている」というイメージなので、2歳秋に重賞を楽勝している時点で「頑強さ」は十分あるわけですからそこまで気にはしていません。

母はフレンチデピュティ×Seattle Slewで、Haloを増幅し米血パワーも伝わっているのでコーナリングも難がないというのもマカヒキ的。

もちろんSeattle Slewらしさも感じるので東京も合いますし、2000mがベストらしいところもダービーにおいてはプラスです。

この相手関係ならば抜けていると思っています。

 

ダイワキャグニーはお馴染のキングカメハメハ×サンデーサイレンスで、残りの1/4部分である母母トリプルワウがナスキロとTom Fool≒Attica4×3のクロス(Coastal≒Sir Ivor1×2といっても?)で、配合に素直なキングカメハメハであればこれくらい走って当然の血統。

しかしSir Gaylordの影響かなぁ、緩さは感じるので中山の急坂というのは気になります。

 

サトノマックスは、Indygo Shiner×Luhukで米血パワーが豊富。それでも筋肉の柔軟性は感じるので、よう発現の仕方をしているとは思いますが、Burghclere増幅が足りない点がどうか。

 

配合的に注目しているのはベストアプローチ

4代母Chapel of DreamsがStorm Catの全妹という牝系で、自身はHopespringseternal≒Terlingua5×5でありGalileo≒Wiener Wald2×3といってもいかもしれません。

戦績もみても分かりますが、Robertoが入るのでやはり内回りでこそでこの条件は合いそうです(藤原先生が東上させて戸崎騎手起用ですし)。

 

前走内容でいえばディアシューターだって急激に力を付けているのかもしれませんし、これも条件は悪くないはずです。

コマノインパルスはHaloにRobertoなのでやはりこの舞台は絶好。

グローブシアターは全兄ほどの素質は感じません。

マイスタイルは完成度が高いハーツクライ産駒で、今回は本気の仕上げのようなので掲示板くらいはあっても驚きませんよ。

 

 

中山12Rはハレルヤボーイレトロクラシックに注目。

ハレルヤボーイトニービンキングカメハメハを併せ持ちHornbeamのクロスなのですが全体的にFair Trialが豊富で同舞台の未勝利の勝ちっぷりが圧巻。だから昨年はスプリングSでもNZTでも◎で贔屓していました。小回り向きの加速力というものです。

レトロクラシック牝馬なので開花するかは半信半疑なのですが、母母カタリストがディープと同じAloe牝系(の中でもMarjuと同じ)で、Sadler's Wells×Ela-Mama-Mou×Welsh Pagent×Crepello×HyperionというHyperionとSon-in-Law~Fair TrialとDonatelloの塊でBurghclere≒Welsh Flame3×4という凄いニアリークロスを持ちます(Burghclere≒Welsh Love3×3でも良いかも)。

前走から半年以上空いた前走もかなり粘れていました(負け方が、「距離が長くてスタミナが切れた」というより、「瞬発力勝負に対応できなかった」ようにみえたので距離短縮は懐疑的ですが...)。

 

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【参考】

『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)

望田潤氏のブログ 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog

栗山求氏の連載『血統SQUARE』http://www.miesque.com/motomu/works.html

『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)

今更ながら2月最終週の回顧 をば。

中山記念は位置取りの差、阪急杯は「4角でなにもしなかった馬」がワンツースリーフィニッシュをしました。アンビシャスは15かいくらい言っていますが2000 or 2400で勇気をもって前受けする競馬がみたいです(エピファネイアのJC的な)。

サクラアンプルールは展望記事の通りなレースで、ノーザンテーストが入るので更なる成長が期待できます。「ノーザンテーストの成長」と「ノーザンテースト的ピッチ走法」いう点では、小倉大賞典で2着だったヒストリカルにも同じことが言えます。

サクラアンプルールノーザンテーストが入るのでかなりのピッチ走法。前走は東京でもスローだったためピッチ走法の加速力が活きましたが、本来は小回り向きでノーザンテーストの成長スイッチも入りそうな5歳春。そして天才横山典弘騎手継続騎乗、そして「開幕週の内を内ラチ沿いを取れそうな枠」ということで、無形文化財的な好騎乗を期待(^^;)

日曜の注目馬 ~ Hyperion覚醒へ、勝負の2017初戦 - 4歳上500万下

 

 

アーリントンCヴゼットジョリーは4着、ジョーストリクトリは5着でした。

ヴゼットジョリーはやはり脚長の重厚斬れ中距離馬で、母母フェンジーのスタミナ・持続力というものは中距離の持続戦でこそ発揮されるだろうということで何度も何度も何度も言っているようにオークスでアースライズ的持続差しを期待(アースライズは4着)。ソウルスターリング・アドマイヤミヤビ・リスグラシュー相手にどこまでやれるか。距離が短いマイルではもうひとつ足りないというレースが続くでしょう。

ジョーストリクトリはマイルならば父のマイルCのように少し前受けして持続力を活かす形がベストな気がしていますが、マイルCは激流になることもあるので差しに回って穴を空けても驚けません。

 

すみれSで3着だったキセキは、やはりクラシックディスタンスの本格派種牡馬の弱点を露呈する形となりました。所謂「速い脚が使えない」というもので、こういうTHE2400型=ダービー・春クラシックではないんですよね。

勝ったクリンチャーは、ディープスカイ×ブライアンズタイムでGraustark5×4ですが、やはりRobertoらしさは感じる馬体・走りで、内回りでこそのタイプです。

それにしてもディープスカイ産駒はすみれS2勝目です。そりゃあ、この時期の3歳芝OPであればディープスカイ産駒が好走しやすい条件ですが、きっちり2勝しているというのはすごいです。

 

水仙賞で2着だった社台系ハーツPOG指名馬のサトノクロニクルは、非凡な素質はみせましたが、こういう差しの競馬しかできないということは、まだハーツクライの成長曲線に乗っていないということでやはり夏を越えてからでしょうね。

 

新馬・未勝利で取り上げておきたいのは4頭。

土曜阪神4Rの未勝利を初出走ながら制したチャレアーダは、昨年ビッシュとサトノキングダムで2発2中だった「ディープインパクト×Acatenango

阪神4Rの未勝利には名繁殖の仔が多く出走しますが、初出走のチャレアーダに大注目。

そう多くないサンプルの中から、ワールドエースやエックスマーク、現4歳世代は2頭しかいなかったうちの2頭がビッシュとサトノキングダムという「ディープインパクト×Acatenango」。現3歳はこのチャレアーダだけ、そして彼女はディープインパクト×Acatenangoというだけでなく、ウインドインハーヘア≒Unfuwain2×3(Northern DancerとBurghclere≒Heiht of Fashion)というニアリークロスも持っています(ロマンはあるが、あまり結果は出ていない←Hyperion牝馬だと小さく出やすい)。

ディープ牝馬に合うRivermanも内包していますし(逆にHabitatが気になる)、レベルの高いこの世代の牝馬の最終兵器となるよう期待をしておきます。

土曜の3歳戦 ~ ヴゼットジョリーとジョーストリクトリの母系で光るHyperionとLady Juror(Son-in-Law) - 4歳上500万下

しっかり勝ち切ってしまうのだからすごいです。とにかく刺激的な配合。

 

土曜阪神5Rを逃げ切ったスティッフェリオは、以前も取り上げました。

京都5R(芝2000m)のスティッフェリオは、ステイゴールド×シルアスアティテュードという血統。

母母ザミリアとの間にはゴールドスミスという同期のステイゴールド産駒がいます(新馬勝ち)。このザミリアはSir IvorHabitatを通じるSir Gaylord5×5で、ここがステイゴールドにはちょっと気がかりなんですが、ノーザンテーストと血統構成が近いThe Minstrelを通じるNorthern Dancer4×4というのは効くでしょうし、Green Desertのパワーというのもプラス。

そしてザミリアにMtotoを配されて産まれたのがシリアスアチテュードですが、MtotoはDonatello3×4、しかもMtoto自体がMiranda(=Pretty Polly)牝系でもあり、これはノーザンテースト増幅に繋がります。

ステイゴールドとしてはまずまずの配合です。

土曜の3歳戦 ~ ソウスルターリングとリスグラシューとヴゼットジョリーの樫最大のライバル - 4歳上500万下

菊路線に乗ってこれるかどうか。長い目で。

 

ステイゴールドという点では、日曜中山5Rと6Rでレッドミラベルクレッシェンドラヴというステイゴールドの牡が連勝。

レッドミラベルは仏血豊富なダンスーズデトワールの仔ですが、3代母ラストカマーはHyperionとDonatelloのクロスで、Highest Honorの父Kenmareの母父MilesianもPretty Pollyの牝系です。

クレッシェンドラヴも強力ではありませんが母母父KrisはHyperionとDonatelloを持っていますね。

 

日曜阪神6Rの新馬を制したエクレアスパークルは、Buckpasser(Busanda)、Quiet American(Dr.Fager3×2、つまりBetter Self5×4)を持ち、Busanda≒Better Self6×5・9・8なのである程度早期から結果を残せるハーツクライ産駒。馬っぷりもあります。

ただ、ハーツクライの活躍馬の多くが持っているNasrullahHyperionの組み合わせを持つ馬が母に入っていないというのはマイナスです。

 

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【参考】

『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)

望田潤氏のブログ 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog

栗山求氏の連載『血統SQUARE』http://www.miesque.com/motomu/works.html

『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)

土曜の3歳戦 ~ 楽しみな相似配合アドマイヤプリヴ

チューリップ賞は特筆して取り上げることもないですが、ソウルスターリングリスグラシューも中距離馬でオークスでの距離延長が全く問題ないタイプ。それでも、「外回りマイル戦」のスローペースでは中距離質の斬れが要求されるので、JFも桜もオークスへ直結していますよね。

ソウルスターリングは特に大飛びなのでJFとは違う外枠というのはプラスでしょう。リスグラシューは、ハーツなので3歳春に思ったほど成長しないという可能性もありそうで、ライバルも強いですし善戦止まり...なんてこともあるかと考えています。

ミリッサは、ダイワメジャーでも410キロ台の小柄な馬体に出ました。ダイワメジャーにしては脚長で外回りでもというタイプですが、内回り1800あたりがベストなタイプかなとも思っています。

アロンザモナは良い馬ですが、少なからずHabitatの影響を感じさせるので「下って平坦」の京都がかなり合っていた印象があります。

 

 

チューリップ賞並みに注目しているのが阪神6Rの3歳500万。かなりの好メンバーが集まりました。

まずバルデスは緩さが残りますが素質はかなり買っています。

ダノンロマンはディープ×イマーキュレイトキャットなのでリアルスティール=ラングレー=プロディガルサンと同血で、ラングレーやプロディガルサンのようにリアルスティール的なパワーは発現しませんでしたが、彼らのように古馬になってから楽しみな逸材。

アドマイヤプリヴは以前も取り上げましたが、母モンローブロンドアドマイヤベガ×ソニンクですから、トニービン3×4(Hornbeam≒パロクサイド7・5・5×6でもある)にNureyev5×4なので、ジャングルポケットシュヴァルグラン的なNasrullahHyperionの増幅

内周りマイル戦だった未勝利の走りを見ても、直線半ばでようやくエンジン点火といったレース振りで、Nureyev的なパワーや母のHalo≒Moonscape3×4・4の機動力で走るというよりも、父譲りの胴長体型でルーラーシップドゥラメンテと同じようなトニービンエアグルーヴジャングルポケットテレグノシス的な斬れで走るタイプだと思うので外回り1800という舞台替わりは楽しみです。陣営も「前走はまだ馬体ができていないのにしまいだけであれだけの内容。放牧で休ませて体は当時よりも成長している」とのこと。

父母相似配合は母の競走能力が高い方が成功しやすいという望田先生の仰っていることからいっても「母モンローブロンド」でもあり注目です。

しかし、3歳春という時期を考えればディープ×クロウキャニオンの完成度というのが上回るかもしれません(^^;)望田先生が朝日杯で◎にするほどの素質馬でもあります。

贔屓しているグリトニルもようやく1800に戻ってきてくれました。中距離で脚を貯める競馬を覚えさせれば良いところまでいける馬だと信じています。

 

黄梅賞のサンレンティーナの母サルヴェジェルマニアは、独血を含み、Nureyev≒Sadler's Wells2×4、Thong=Ridan4×7・4、自身はキンカメなのでそれを継続しています。Northern Dancerが濃いですが少し面白い配合。

 

中山5Rのスターライトブルーホワイトマズル×ジャングルポケットHyperion塊で菊路線に乗ってほしい馬...と言い続けてまだ勝ち切れていません。

 

阪神5Rのヤマニンペダラーダスマートレイアーと同じディープインパクト×ホワイトマズルAlzaoダンシングブレーヴですが、母ヤマニンエマイユホワイトマズル×トニービン×Danzigで、Hyperion/Son-in-Lawが豊富で注目の繁殖牝馬。ペダラーダの2歳年上のマンドールも昨冬1000万に再昇級、まだまだ上をめざせる馬なはずです。

 

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【参考】

『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)

望田潤氏のブログ 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog

栗山求氏の連載『血統SQUARE』http://www.miesque.com/motomu/works.html

『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)

日曜の注目馬 ~ Hyperion覚醒へ、勝負の2017初戦

土曜の3歳戦については色々書きたいことがあるので、明日以降にしますが、ヴゼットジョリーはやはり良い馬で、脚長でエンジンの掛かりが遅い重厚な斬れをする中距離馬。オークスで、ソウルスターリング・アドマイヤミヤビ・リスグラシュー相手にどれだけやれるか本当に楽しみです。(何回目...)

 

 

すみれSはやはりダノンディスタンスが出走。ダノンディスタンスのすみれS勝利というのはだいぶ前から予言してきましたので的中してほしい。

 曜日は変わってしまいましたが、一応旧エリカ賞である、有馬記念の裏の阪神6Rで行われた2歳500万はルーラーシップ×アゲヒバリ(クロフネ×トゥザヴィクトリー)でセレクトセール6000万超のダノンディスタンスが逃げ切り。

クロフネが入るからか、アゲヒバリの仔はメドウラーク、ダノンアローダと少しズブ目の中長距離砲というイメージがありますが(まぁタニノギムレットワークフォースだからというのもありますが)、上がり勝負だった新馬を後方から差し切って(2着ヒシマサルも相当な素質とみている)いるので「オッ」と思わせてはいました。今回の勝利は持続力を活かし切った和田騎手のクランモンタナ小倉記念を思い出させる名騎乗でしたが、これですみれSあたりは見えてきたのではないでしょうか。

でもHornbeam≒パロクサイド6×4・4のルーラーシップ産駒で自身はNureyev5×4なのでNasrullahHyperionを継続しているので胴長体型は受け継いではいるんですよね。

先週の2歳戦 ~ やはり素質馬が集まった阪神2000の500万 - 4歳上500万下

 こういうエンジンの掛かりが遅い/ズブいタイプは和田騎手ですから、引き続き期待です。キセキは大箱向きにみえるので展開利でこちらに軍配を。

 

 

さて中山記念にはアンビシャスが登場。

私はこのドゥラメンテ世代というのは、ドゥラメンテキタサンブラックリアルスティールサトノクラウン・アンビシャスの5頭が中距離でGIを獲れる(日本の中距離でGIを獲れるのならば海外GIももちろん獲れる)超ハイレベルな5頭だと考えていて、昨年12月にはサトノクラウンが遂に本校ヴァーズでGI初制覇を成し遂げ京都記念を連覇。この5頭の中でも血統的配合的にサトノクラウンとアンビシャスを贔屓していますから、アンビシャスは何が何でも今年GIを制さなければなりません。

アンビシャスに関しては何度も何度も何度も書いてきました。

ドゥラメンテはとんでもない大物ですが、伸びしろを考慮すればアンビシャスもすんごい馬なはずです。

血統をみると、パワーとスタミナを伝える母父エルコンドルパサーに、母母カルニオラは1990年の凱旋門賞を制したSaumarezと3/4同血(父Rainbow Questと母母Fiesta Funが共通)で、欧州的な重厚な血統といえます。

それでいて、重々しさを感じさせない馬体、軽やかなフットワーク、前向きな気性の持ち主。本来であれば、ズブくて重々しいタイプに出ても良いはずなのですが、それは神のみぞ知る世界、ギャンブルに勝ったということで、この字面の血統から逸脱したものが発現しているというのは大物と共通していることです。

母はHyperion8・8・7・8・7×9・7・8・5、Nasrullah4×5だから、形としてはドゥラメンテと同じNasrullahHyperionの斬れになっているともいえるでしょうかね?

天皇賞は誰がみても強い競馬、気性的な面でむやみに短距離を使うのではなく、しっかりと2000m以上を使っていってほしいなと思います。

中山記念展望 ~ ドゥラメンテの左手前とアンビシャスの可能性 - 4歳上500万下

ドゥラメンテ世代は、この秋が4歳秋だ。

アンビシャスは、一般的には「ディープ産駒らしい斬れ味」が持ち味の馬だと解釈されているかもしれないが、何度も触れてきたように、母がエルコンドルパサー(Special=Lisadell4×4・3+Flower Bowl)×カルニオラ(Tudor Minstrel5×5やCourt Martial+Hyperion8×6×7×5)と、キタサンブラックダイワメジャーダイワスカーレットメジャーエンブレムの粘着力の根源と同じハイインロー(HyperionとSon-in-Law)が大量で、本来であれば前出した馬たちのような粘着力を武器とするタイプや、ズブい中長距離馬(全兄インターンシップはそう)に出るのにも関わらずこれだけの斬れ味を持っているというところがミソである。

だから斬れ味比べでも十分通用するけれど、本来は粘着力≒持続力が活きる流れこそがベストパフォーマンス発揮の場だろうし、実際重賞を制したラジオNIKKEI賞大阪杯も先行していた。

今回は何といっても、彼をその大阪杯で先行させ、カンパニーを先行させて大成させ、ミツバで逃げ切った横山典弘騎手が鞍上である。勝負服的にも私が初めてリアルタイムで見た09年の天皇賞がフラッシュバックされる。

大阪杯では内から離れた外目2番手ですんなりと折り合ったように、周りに馬がいる方が掛かりやすいタイプである可能性があるから、外に馬がいないところで競馬がしたいはずだ。今回はフルゲートではないし、これはヒカリがやや後続を離した後ろの2~4番手集団で巧く折り合うというイメージも、少なくともフルゲート時よりはイメージできる。

繰り返しになるが、もしロゴタイプクラレントやモーリスやリアルスティールエイシンフラッシュのが勝った2012年にシルポートから遠く離れた2.3番手を形成したカレンブラックヒルダイワファルコンのように離れた2番手以下で「別の競馬=ヨーイドン」をしたとしても、そうなったらなったらでヒカリの後ろの単独2番手が取れるし、もういっそのことアンビシャスはヒカリに付いていっても良い。

ヒカリの11秒台後半を刻み続ける逃げならば、レースの上がりは35秒前後、勝ち馬が先行集団から生まれるのならば、勝ち馬の上がりは34秒5前後。東京2000、天皇賞(秋)ということを考慮すれば、このイメージに最も合致するのはアンビシャスだ。ジャスタウェイだって、道中12秒台がないトウケイヘイローの逃げで覚醒したのだから。

《天皇賞(秋)》名手が隠れた持続力を引き出す - 4歳上500万下

母父エルコンドルパサーに、母母カルニオラはWelsh Pageantを通じるTudor Minstrel5×5、Lady Juror~Specialらしい前向きな気性も伝わっていますが、上がりの掛かる競馬、スタミナが要求される流れで最大パフォーマンスを発揮する馬だと思っていますし、そういう血統である以上、GIを勝ち「切る」ならば、そういう流れであるか、「前受け」したときではないかと思っています(「ほぼGI」である昨年の大阪杯も天才・横山典弘騎手騎乗で先行していた)。逆に追い込み一辺倒の競馬を続けていては、勝ち切れないということでもあります。

Blushing Groomの影響か、小回り向きの器用さも兼備している万能型ですが、大箱より小回り・内回りの方が上がりが掛かりやすいのが競馬ですから、やはりGI制覇最大のチャンスは大阪杯でしょうか(宝塚記念は馬場が不安)。本当は秋天トウケイヘイロー的なHペースでジャスタウェイ的なHyperion覚醒をみたいところですが...(昨年の秋天エイシンヒカリトウケイヘイローを被せていたが、思いもよらぬスロー。まして出遅れて伸びないうちに突っ込んでの4着は2着くらいの価値はあるだろう(だけどやはり追い込んでいては勝ち「切れ」ない。))

 

他で注目しているのはヴィブロスツクバアズマオーサクラアンプルール

ヴィブロスは小柄ですが、あの軸のしっかりとした走りは並みの馬とは違うそれですし、Haloだらけで器用なので内1800という条件もベストに近いかベストでしょう。

ツクバアズマオーステイゴールドの100点配合ではありませんが、重賞を獲るくらい、所謂「ステイゴールドらしい成長力」と評されるくらいの配合なのでこのメンバーでどれだけやれるか。やはり勢い。充実度というのは侮れませんから。

サクラアンプルールノーザンテーストが入るのでかなりのピッチ走法。前走は東京でもスローだったためピッチ走法の加速力が活きましたが、本来は小回り向きでノーザンテーストの成長スイッチも入りそうな5歳春。そして天才横山典弘騎手継続騎乗、そして「開幕週の内を内ラチ沿いを取れそうな枠」ということで、無形文化財的な好騎乗を期待(^^;)

 

 

阪急杯シュウジ阪神Cで1400でああいう差し切りができるということは、やはり「スプリンター」と言えるほどムキムキには成長していなく、まだ1400ベスト。となるとここは差し切ってもおどろかないけれど、高松宮記念は差し損ねる可能性もあるのかな(本格化前のロードカナロア的に)というのが現在の認識。とはいえ中京の長直線で緩い流れになればこういう1400ベスト馬の差し切りで決まるのでしょうが...(そうなればロサギガンティアあたりが出ちゃえばもしかするともしかするかも?)

 

その他で注目しているのはブラヴィッシモムーンクレストテイエムタイホー

ブラヴィッシモは「牡馬のデインヒル」ということもあり、1200<1400な感があります。再昇級後のスワンSは直線不利があり参考外、その後の1200のGII2戦も悪くない競馬を続けています。

ムーンクレストアドマイヤムーン×シングスピールでHaloのクロスですから開幕週の内1400というのは大きなプラス、流れ一つで穴を空けても驚けません。

テイエムタイホーはさすがに雨の恩恵がないと厳しいとは思いますが、La Troienneの影響で肩が立っているので内1400という条件は興味深いです。池添騎手騎乗というのも、心強いですし。

 

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【参考】

『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)

望田潤氏のブログ 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog

栗山求氏の連載『血統SQUARE』http://www.miesque.com/motomu/works.html

『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)