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血統好きが大学生のころ書いていたブログ(今でもたまに更新)

土曜の3歳戦 ~ ヴゼットジョリーとジョーストリクトリの母系で光るHyperionとLady Juror(Son-in-Law)

アーリントンCは、ペルシアンナイトは置いておいて、個人的な注目はヴゼットジョリージョーストリクトリ。このブログでも何度も登場していますが、3歳世代でも相当好きな2頭です。

ヴゼットジョリーは母母フェンジーの影響が強い重厚な斬れ方をする中距離馬とみていて、だから阪神マイルを後方からジリジリ伸びて5着だった阪神JFは「らしい」負け方。とにかく万全な状態でオークスに出走してほしいです。

3頭の中で最も好みなのはヴゼットジョリーで、新潟2歳の頃は「Haloも感じさせる」と書きましたが(もちろん影響がゼロではない)、改めてレースを見てみるとMill Reefや母母フェンジー(Saumarez×Lyphard)の影響が大きい重厚な持続斬れにうつりました。今年の新潟2歳のレベルは高いとは言えないと思いますが、決して新潟マイルのヨーイドン向きではない馬が楽勝したということをむしろ評価したい。しかし和田騎手乗り替わりで外枠の持続差し...というとアヴェンチュラの4着が思い出されます(-_-;)

《展望》阪神JF ~ 中距離馬の斬れで - 4歳上500万下

一方◎ヴゼットジョリーはHaloの影響か気性面の課題は少ない。欧血が凝縮された母母フェンジーの影響で重厚な斬れ方をする馬で、新潟2歳のメンバーレベルは高いとは言えないのだが、こんな斬れ方をする ー ハープスターロードクエストミュゼスルタンやモンストールらとは違うタイプ 馬が2歳時のマイル重賞を楽勝してしまったという事実は軽いものではない。昨年の牝馬3冠路線で、母のスタミナで持続戦になると必ず突っ込んできたアースライズ(オークス4着/秋華賞5着)のようなキャラになるのではないかと考えているが、良い意味で期待を裏切ってほしい。その可能性を感じる新潟2歳だった。

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「〇ソウルスターリングも▲リスグラシューも素質は相当で、オークスでこの2頭がワンツーフィニッシュをしても何ら驚けないほど」と書いたように、昨年の朝日杯のリオンディーズエアスピネルに似た雰囲気を感じてはいたものの、ベルルミエールのファルコンS4着→NZT3着の粘り腰が思い出され、いやそれならば阪神マイルで◎は違うだろうと葛藤しながらも、この血への気持ちが優りました(笑)

距離が短い中で、馬群に突っ込むという競馬を経験、非常に良い負け方だったと思います。かなり重厚な斬れ方ですから距離を伸ばしたオークスで◎です(やや前付け希望)。

《回顧》阪神JF/香港ヴァーズ ~ サトノクラウン、ヴゼットジョリー...Welsh Pagentに惹き付けられていた。残るはアンビシャス。 - 4歳上500万下

 

ジョーストリクトリも父のように3代母Sudden FlashHYぺりおn×Lady JurorのTudor Minstrel5×4なので、距離延長はそんなに気になりませんし、相手が強くなっても底力があるので頑張れてしまうタイプと思います。清水先生×武豊騎手という、キタサンブラックトウケイヘイロー(それぞれ父がブラックタイドゴールドヘイローというのもジョーストリクトリと被る)と同じコンビで楽しみです。

なずな賞は圧倒的にジョーストリクトリに期待。成長したら厳しいペースでこそ持ち味を活かすタイプで、ぜひ兄のようにNHKマイルに出走させたい。

ジョーストリクトリは、ジョーカプチーノ×キングヘイローという配合で(これだけで「ほ~ん」ってなる)、父父マンハッタンカフェを非Northern Dancerとする3/4Northern Dancerという配合系。

ジョーアラマートは、Northern Dancer+ナスキロでみればダンシングブレーヴ≒Topsider2×2、ナスキロでみればSir Gaylord≒Drumtop5・5×3、Tom Fool≒Attica6・5×6でもある相似配合系。

自身は、Caerleonダンシングブレーヴ4×3(Northern DancerとナスキロとTom Fool的な血)に加えて、3代母Sudden FlashHyperion×Lady Jurorの重要血脈Tudor Minstrel5×4で、父が内包するバレークイーントウショウボーイの欧血も増幅、Sudden FlashのWar Relic2本、Tom FoolRibotBold RulerLaw Societyも増幅してもいる全体的にすごい相似配合。

《京王杯2歳S/ファンタジーS/他2歳戦》クリアザトラック≒(マカヒキ+ディーマジェスティ) - 4歳上500万下

なずな賞は期待したジョーストリクトリが快勝。

新馬で目を付け、京王杯でも将来性を見込んで推していたのでこれは嬉しい。

ジョーカプチーノ×キングヘイローなのでHalo≒Boldnesian≒Drone≒Sir Ivor4・6×5・4・5、また母系にもTom Foolを持つのでAlanesian≒Flaming Page≒Tom Fool≒Attica7・6×6・6・7ともいうHalo/Tom Foolの増幅具合で、マンハッタンカフェ、いや現代の日本競馬は本当にこの血の影響下にあります。

しかしジョーストリクトリの面白いところは3代母Sudden FlashがTudor Minstrel4×5というHyperion×Lady Jurorという重厚な欧血のクロスを持っているという点。

ジョーカプチーノも母ジョープシケはフサイチコンコルド(←バレークイーン←Sadler's Wells)×トウショウボーイ(Hyprion3×4)とHyperionとLady Jurorを含みますから、先述したHalo/Tom Fool的な「軽い」血に加えて、重厚な血も薄くクロスされていて全体的に薄い相似配合系になっているというのが他の馬と一線を画すところです。

中京の長い直線を重厚なストライドで走る姿は父のNHKマイルCを観ているようでした。目指せ父と同じファルコンSマイルCです。

ここ2週の3歳戦をまとめて - 4歳上500万下

キョウヘイは良馬場でも終いに賭ける競馬ならば好走はイメージできます。レッドアンシェルRibotの影響で肩が立っているので外回りのマイルでは勝ち切れなさそうで、マーガレットS(内回り1400)なイメージ。

 

水仙賞のサトノクロニクルは社台系ハーツPOG(10頭指名)の指名馬で、Busanda増幅こそスワーヴリチャードと比べるとないのですが、母はNorthern Dancer5×4、Past Example≒Caerleon4×2(ナスキロラトロ+Tom Fool的な血)でハーツでも走ってきそうな配合。ただ春2冠出走というのは厳しい感じはします。

イブキは大箱向きで、京成杯は内回り2000の内枠(+休み明け)という、モーヴサファイアの新潟2歳のような外的要因の不向きさ。今回は中山でも外回りで小頭数、精神的なショックなどがなければ走ってきそうです。

フワラープレミアはRobertoらしさを感じるお尻をしていて、昨夏から注目していましたが急成長してないかなぁ。

 

中山7Rはデアレガーロカリンバに注目。

デアレガーロはシュプリームギフト=ベステゲシェンクの3/4妹で、マンハッタンカフェのAlleged4×3、牝馬でも2000でデビューさせたということはスタミナが伝わっているのでしょう。母スーヴェニアギフトは、Stop the Music≒Boldnesian4×5と、マンハッタンカフェの配合のポイントであるHalo≒Boldnesianを増幅しています。母父Souvenir Copyの母母Sophisticated GirlはTom Fool3×3でもあります。

カリンバ新馬戦の直前に、以下のように書きました。

 中山5Rの新馬の注目はルーラーシップ×ディープインパクトカリンバ。 母アフリカンピアノはワールドエースの全妹で、自身はラストタイクーン≒Alzao4×4、キンカメとディープのラストタイクーンAlzaoで母母がHyperion多めというのはデニムアンドルビーと似ています。小さいのかなぁ?

土曜の注目馬 ~ グリトニルの素質を開花させたい - 4歳上500万下

同じルーラーシップ×ディープインパクトのヴァナヘイムと比べると、ヴァナヘイムの方が牡馬ということでパワーが伝わっている気がします。懸念していたようにやはり小さかったですが、独血統に雄大なフットワークというのはビッシュを想起させますね。

 

阪神4Rの未勝利には名繁殖の仔が多く出走しますが、初出走のチャレアーダに大注目。

そう多くないサンプルの中から、ワールドエースやエックスマーク、現4歳世代は2頭しかいなかったうちの2頭がビッシュとサトノキングダムという「ディープインパクト×Acatenango」。現3歳はこのチャレアーダだけ、そして彼女はディープインパクト×Acatenangoというだけでなく、ウインドインハーヘア≒Unfuwain2×3(Northern DancerとBurghclere≒Heiht of Fashion)というニアリークロスも持っています(ロマンはあるが、あまり結果は出ていない←Hyperion牝馬だと小さく出やすい)。

ディープ牝馬に合うRivermanも内包していますし(逆にHabitatが気になる)、レベルの高いこの世代の牝馬の最終兵器となるよう期待をしておきます。

 

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【参考】

『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)

望田潤氏のブログ 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog

栗山求氏の連載『血統SQUARE』http://www.miesque.com/motomu/works.html

『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)

日曜の注目馬 ~ Hyperion,Hyperion,Hyperion,Son-in-Law!!

さて、フェブラリーSですか。

自分の中ではタガノトネールの追悼レースです。

コパノリッキーが内枠ですが、2年前のようにスタートを決めて巧く外目を先行できれば好走してくれるのではないか、そういう展開になってくれ、という希望的観測をしています。

モーニンは、小回り船橋1800で58を背負いアウォーディーと接戦、チャンピオンズCも大外から僅差の好走、そしてこの鞍上で東京1600ならば...と安易な考えをもっていますがどうなんでしょう。

アスカノロマンは「ストライドが大きい」と陣営もいっているようにSecretariatクロスの影響でストライドで走るので東京や中京といった大箱向き。かつ、母系にKey to the Mintが入りRibotのクロスが入るのでハイペースで驚異的な強さを発揮します(中央GIでの好走が示すように)。

エイシンバッケンは母がStriking=Busher≒Blue-eyed-Momo≒Better Self8・8・6×5で前脚の可動域が小さいのですが、Seattle Slewシンボリクリスエスの影響で脚長で大箱向き。フェブラリーはSeattle Slewが良く好走しますから注目しています(当然穴人気ですが)。ただどちらかというと湿った馬場の方が良かったのかな。

インカンテーションA.P.Indyシニスターミニスターなので大箱向きで、フェブラリーの好走実績もあります。東海Sは出遅れてチグハグな競馬、今回は「以前より気が入っているからマイルが合いそう」というコメントを陣営が出しており、スムーズに運べる大外。これは好走しても全く驚けません(ものすごい不人気ですが)。

ゴールドドリームはNureyev≒Number3×4で、Nureyev≒Sadler's Wells3×3のエピカリスと一緒に今日の東京ダ1600を席巻しちゃって終わるかもしれません。

キングズガードニシケンモノノフがオープンで力を付けてGIにたどり着いたというのは、嬉しいですね~

他にも強い馬がいますが、希望的観測で印を付けるならば◎リッキー、〇モーニン、▲エイシンバッケン、☆インカンテーションかな(^-^;

 

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東京1Rのトランプカードダイワメジャー×アドマイヤムーンサンデーサイレンス2×4

ダイワメジャーでHaloいじりは走るので、サンデーサイレンスだとどうなるのかということで注目している馬です。

 

京都5Rのサトノグランは、素質は相当ですがかなり乗り難しい模様。マイルは良いですが、京都は内回り、かつ内枠だとこれまた難しい競馬になるそうです...

 

京都11R斑鳩Sのスマートカルロスの母シュガーキャンディトニービン×ノーザンテーストという「日本本流のHyperion塊」繁殖牝馬。5歳となりHyperionが本格化しているとなれば昇級でも侮れません。

 

小倉12Rにはヤマニンセラフィム×トワイニングで最強Courtly Dee4×3のスマートグレイスが久しぶりに出走。

 

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【参考】

『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)

望田潤氏のブログ 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog

栗山求氏の連載『血統SQUARE』http://www.miesque.com/motomu/works.html

『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)

土曜の3歳戦 ~ ヤングマンパワーやフルーキーくらいにはなれるバリングラ

今日は注目馬が少なく、新馬未勝利では京都5Rのスイーズドリームズくらい。決めてほしいです。

 

フリージア賞は、東京2000という舞台設定だけあって、将来性が高い馬たちが集まりました。

中でも素質を買っているのはムーア騎手騎乗のバリングラNijinskyが入るので胴長で、母はNasrullahHyperionのクロスなのでドゥラメンテのような重厚な斬れ方をします。東京の中距離というのはベストなはずで、気性面の幼さをみせなければ(この鞍上だし)...というところ。

この馬もフルーキーヤングマンパワーのように「デインヒル系の牡馬が短距離に出にくい」の典型例ですね。

エリンソードエリンコートの仔ですが、ルーラーシップに母系にはRivermanNijinskyと入るので胴長&脚長で、大箱での競馬は初めて。どうして新潟内回り1400でデビューしたのかが分かりませんが、大箱中距離がベストでしょう。

ディープ産駒のナンヨープルートは、タイキフォーチュンクラリティスカイやストレンジクォーク&アップクォーク兄弟と同じパテントリークリアの牝系で、ナスキロ的な前脚の出方は感じるのですが、母母がStriking=Busher≒Busandaなだけあってパワーも感じるという感じ。何故か気になる馬です。

ハートオブスワローアルテミスSでも期待しましたが、大箱向きの差し馬。アルテミスもラストはかなり脚を使っていました。ただ相手が強く、馬体の成長がみられるかどうか。

マイネルズイーガーアイルハヴアナザー産駒ですがマイネカンナの仔だけあって、Princely Gift的な前脚を伸ばして走っています。だから案外長直線でも大きく評価を落とす必要はないのかなと思います。

 

ダイヤモンドSフェイムゲームアルバートは大箱向きのステイヤーステイヤーといっても大箱で行われる天皇賞(春)は、大箱向きのステイヤーが活躍する展開になる可能性は非常に少ない(2015年ゴールドシップ×横山典弘騎手の例はあるが)ので、東京2500のGIIと、ダイヤモンドSが輝ける場となっています。「らしさ」をみせてもらいたい。

 

京都牝馬Sベルルミエールはフレンチビキニの仔で1400の方が合っていると思うので期待ですが、やっぱり阪神内回り1400の阪神牝馬でこそなんですよ...

ダンツキャンサーは母父サクラバクシンオーらしさのある走りで京都外回りは合っています。爆穴ならこの馬かなぁ。

 

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【参考】

『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)

望田潤氏のブログ 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog

栗山求氏の連載『血統SQUARE』http://www.miesque.com/motomu/works.html

『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)

タガノレヴェントンとコパノニキータが輝くフェブラリーS

出走が叶っていれば、タガノトネールに期待を賭けていたであろう2017年のフェブラリーS

タガノトネールの母タガノレヴェントンキングカメハメハ×トニービン(Hyperion5×3・5)×Nureyev(Hyperion4×4)、3代母もHyperion4・4×3・3というHyperionの血量を持ち、このHyperionという血は、このブログでも毎回といっても良い程登場しますが、晩成で成長力があり、持続力に富んた血。

タガノトネールは大箱1400mがベストというイメージでしたが、年齢を重ねるごとに1400mはもう短く(先日のスマートレイアーのようにHyperionのスタミナが発現してきたともいえるかも?)中でも小回り浦和1400mのオーバルスプリントや、小回り名古屋1400mのかきつばた記念や、小回り佐賀1400mのサマーチャンピオンは忙しすぎるようになりました。

そんな地方重賞で結果を残せず迎えた昨年の武蔵野Sは8番人気の低評価。天才・田辺騎手を迎え、大箱1600mで逃げてゴールドドリーム、カフジテイク、モーニンらを破りました。

昨年のフェブラリーS(9番人気6着)だって、オッと思わせる粘り腰をみせていましたし、7歳のフェブラリーSこそ競走馬人生最高のパフォーマンスを発揮する場となるはずでした...

先行集団にトネールの面影を重ねるフェブラリーSとなりそうです。

(トネール亡き後、タガノレヴェントンの仔は、エスプレッソがファイナルSを、そして先日ヴェローナが初勝利を挙げました。)

 

そのタガノファーム生産のアスカノロマンは、昨年2つの中央ダGIでどちらも3着。それは、Secretariat5×5らしいストライドで走るため大箱(東京・中京)が合っていたこと、Key to the Mint→Sauce Boadのハイペース適性によるものだと思います(Ribotのクロスにもなっている)。

 

 

コパノリッキーという馬は結構好きで、(枠順に左右されますが)東京マイルという条件は合っているでしょう。

イメージ的には、コパノニキータのFall AspenとトニービンによるHyperionとSon-in-Law的な持続力を持ち前のスピードを武器にマイルで活かしている...というダ版ダイワメジャー的なイメージです。

 

最下位人気で制した2014年のフェブラリーは7枠13番からスローペースの外目2番手を追走して抜け出し、ホッコータルマエベルシャザールの追撃を凌ぎました。

連覇した2015年は、前年と反対に2枠4番という内枠スタートでしたが、持ち前のスピードと、先行馬がリッキーくらいしか居なかったこともあり、大外枠からハナを奪ったアドマイヤロイヤルのスローペース外目2番手という前年と同じような形で抜け出しました。

3連覇を目指した2016年は、前年と同じように2枠3番という内枠。さらにタガノトネール、モンドクラッセ、スーサンジョイ、コーリンベリーといった先行馬が多く、砂を被り中団からの競馬に。持ち味を活かせずに終わりました。

 

4度目の出走、3度目の優勝を目指す今年のフェブラリーは、差し・追い込みを得意とする馬が多く、連覇した2014年2015年のようなメンバー構成。東京大賞典が負けすぎな感がありますが、JBCクラシックは2100で出入りの激しい競馬、チャンピオンズCは恐ろしいハイペース。もしかすると最後のフェブラリーかもしれませんから、特異の舞台で自分の競馬ができれば...と思います。

 

ひとまずここまで。

 

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【参考】

『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)

望田潤氏のブログ 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog

栗山求氏の連載『血統SQUARE』http://www.miesque.com/motomu/works.html

『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)

《回顧》クイーンC / 共同通信杯 ~ やはりハーツクライのBusanda≒Better Self≒Striking=Busher=Mr. Busher

東京で行われた3歳重賞2鞍はどちらもハーツクライ産駒が制しました。

晩成なハーツクライ産駒を、3歳春に第一戦で活躍させるためには、母から強靭なパワーを取り込むことが重要です(ハーツクライに限ったことではないが、晩成傾向が強いハーツなら尚のこと)。

 

ハーツクライ産駒でクラシックを制した2頭、ワンアンドオンリーヌーヴォレコルトは、どちらも父の持つ最重要パワー血脈Busanda(War AdmiralとLa Troienne)を増幅しています。

ワンアンドオンリー・・・Courtly Dee

ヌーヴォレコルト・・・Mr.Busher、Better Self

ワンアンドオンリーは、CaerleonNever Bendを、ヌーヴォレコルトNever BendというLa Troienneの血を引く名種牡馬を持っています。また、ディープ産駒でもお馴染ですが、Northern Dancerのクロスを持っている母でもあります。

 

アドマイヤミヤビは、デインヒルを持つのでBusanda6×7、そしてクロフネを持つのでNever Bendもアリ。母はNorthern Dancer5×4・5で自身はHalo≒Sir Ivor3×4とHaloのニアリークロスを持っている...というのはワンアンドオンリーシュヴァルグランロジクライらと同じ。

スワーヴリチャードは、母ピラミマの内包するUnbridledがBetter Self≒Busanda5×5・5、Seattle Slewの母My ChermerがStriking=Busher3×3ですから、自身はBusanda≒Better Self≒Striking=Busher=My Busher6×8・8・8・7・7でNever Bendもアリ。(ちなみにピラミマの2歳馬は、ピラミマ初の父ディープインパクト)

 

アドマイヤミヤビは母のNorthern Dancerクロスを含め、ハーツクライの超王道配合で、スワーヴリチャードは母のNorthern Dancerクロスこそないものの、Busanda増幅が強力で母のNorthern Dancerのクロスの有無が気にならないくらいです。

石塚氏がツイートされていましたが、2頭、特にスワーヴリチャードのレース振りの進化からは、春2冠を獲得できる成長スイッチが入ったとみて良さそうです。

 

ただ、これは牝馬よりも牡馬にいえるのですが、晩成なハーツクライ産駒がクラシックを制するということは、逆にいえば世代レベルがそんなに高くないということではないかとも思うんですね。これはきっとワンアンドオンリー世代が訴えてきているんでしょうけど、さすがに昨年や一昨年(ドゥラメンテ/キタサンブラック/サトノクラウン/リアルスティール/アンビシャス)に比べると、今年は牡<牝な感がありますし。

 

これでひとまず、オークスソウルスターリンvsアドマイヤミヤビvsリスグラシューのガチンコ勝負となりそうで、個人的に最も期待するのは持続戦でこそ活きる末脚だと考えているフレンチビキニの仔ヴゼットジョリーの割り込み(笑)

ダービーは、ディープの王道配合カデナvsレイデオロvsスワーヴリチャードvsサトノアーサーという構図が出来上がったかな。ただ、ここ2年のように思い入れが強い馬ま牡にはいません。

 

クイーンCの簡単回顧は以下の通り日曜に書き留めました。スズカゼとかのポジションが愛おしくて好きなんですがね。

 アエロリットも前走以上のデキで、胴長の大飛びの重厚斬れなので府中で良さが出ました。

フローレスマジックは弱いということはないのですが、ラキシス然りサトノアラジン然りラングレー然りサトノケンシロウ然り、パワーが発現してくるのは3歳夏以降なのでしょう。

機動力が武器のスズカゼが府中で最後甘くなってしまうのは至極順当。これくらい走れればフィリーズレビュー(阪神「内」周り1400m)が楽しみです。あ、でもアネモネですかね。どちらも似たようなコースなので適性が高いことには変わりないですが。

ハナレイムーンもこの時期に、ここまで走れるのですから素質は素晴らしいですね。古馬になってのエリ女でしょう。ノースフライトマイラーでしたがこのHyperionは間違いなく中距離で活きてくるはずです。

 

ムーヴザワールドは成長がまだ先という感じでしょうか。ただBurghclere増幅度がそれほどではないのでどうか。

日曜のエントリーのタイトルにまで名前を挙げたアサギリジョーは出遅れて、流れに乗れなかったような感じでした。

 

 

京都記念は愛しのサトノクラウンが連覇。ナスキロベースの馬は、ストライド走法と柔らか体質なので京都外回りが合うのだろう...と土曜のダッシングブレイズのところでも書きましたが、らいおん氏の仰るようにスタミナが活きていることも要因なようです。

 

スマートレイアーホワイトマズルのスタミナが出てきたのかなという感じ、アングライフェンはハイインローの塊のシネマスコープステイゴールドなので以前から成長力には期待していましたが、いよいよスイッチが入ったかな。ローカル重賞なら獲れると言っていたはず...

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【参考】

『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)

望田潤氏のブログ 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog

栗山求氏の連載『血統SQUARE』http://www.miesque.com/motomu/works.html

『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)